こんにちは、サイボウズの吉原です。
AIの世界はまだまだ目まぐるしく変わり続けており、「あのサービスが今すごい」「このサービスのこの機能がまたすごい」といった話題を日々よく耳にします。
当社でも「ChatGPTにGemini、CopilotにClaude......結局どれを使えば?」といった混乱の声がビジネス職を中心に一時期よく聞かれました。そのときに社内向けに書いたまとめが割と評判よかったので、同じような方が社外にもいるかもと思い、編集を加えた上で公開してみることにします。
この記事でわかること
- 無料版・個人版と有料版・法人版で何が違うか、業務利用時に注意すべきポイント
- ChatGPT・Gemini・Copilot・Claudeの機能比較(Deep Research・スキル設定・ノートブック・画像生成・MCP対応)
- 著者自身の実際の使い分け方
- 用途・組織の状況に応じたツール選択の考え方
この記事の対象読者:生成AIをビジネスの現場で活用したいと考えているが、どのサービスを選べばよいか迷っている方。ビジネス職・非エンジニアでも読めるよう、専門用語はできるだけ説明しながら進めます。
注記:この記事はあくまで個人の見解です。細かい仕様や評価、考え方には個人差もあると思うので、一意見として読んでいただけますと幸いです。また、厳密さ以上に「ざっくりわかる」を重視してまとめています
まず知っておきたいこと:無料版・個人版は「業務情報の取り扱い」に特に注意が必要
ChatGPT・Gemini・Copilot・Claudeといった各AIサービスには「無料版」「個人版」と「有料版」「法人版」があります。1番最初に押さえておきたいのはここです。
一般的な傾向として、無料版・個人版は入力内容がモデルの学習に使われる可能性が高く、有料版・法人版(Business / Enterpriseなどのプラン)は学習されない設計になっているものが多いです。
学習に使われると何が問題かというと、入力した内容が将来的に他のユーザーへの回答に利用される可能性があるということです。例えば、顧客情報を入力してしまうと、そのお客様に関する秘密の情報が外部に漏れてしまうかもしれません。
つまり、簡単に言えば社外秘の情報が思いがけない形で外部に漏れる可能性につながります。仕事で、仕事に関する情報を共有しながらAIを活用したいなら、絶対にチェックしておきたいポイントです。
なお、「無料版・個人版は入力内容がモデルの学習に使われる可能性が高い」というのは、あくまで目安です。この区分はサービスや契約内容によって異なりますし、時期によって変わることもあります。「有料版でも設定を変えないと学習に使用されてしまう」というサービスも中にはあり得るため、「有料版なら何でも入れていい」と断言もできません。
まずは、どんなAIサービスを業務で利用するにしても、サービスを提供する各社・各サービスのポリシー、あるいは自社のAI利用ガイドラインをよく確認するようにしましょう。自社にそうしたガイドラインがない場合は、少なくともひとまず顧客情報・社内の機密資料・未公開の企画内容などは入力しないよう慎重に扱うことをおすすめします。
ChatGPT・Gemini・Copilot・Claudeの比較表
ニュース等でよく聞かれるであろう、主要な4大サービスの特徴をまずは表形式で整理してみました。有料の法人版に絞っています。
私見も含む点は何卒ご容赦ください。また、あくまで本記事執筆時点の内容になります。「△」は、他ツールと比べて機能の質・対応範囲がやや低めの印象、という意味です(ここは特に私見の性質が強いですが・・)。

あくまで記事執筆時点の大まかな整理です。最新かつ正確性の高い情報を求める方はご自身での調査をおすすめします
各機能の違いをもう少し詳しく知りたい方へ
利用モデル:各サービスがどのAIモデルを使っているかを示したものです。「誰が作ったどんな脳みそを使っているか」と捉えると、大まかにはよいかと思います。
ChatGPTはOpenAIのGPTモデル、GeminiはGoogleのGeminiモデル、ClaudeはAnthropicのClaudeモデルと、それぞれ自社開発のモデルを使用しています。CopilotはもともとGPTを採用していましたが、最近はClaudeも選択できるマルチモデル構成になりました(機能によって使えるモデルに一部制限があります)。
Deep Research:複数の情報源を横断的に調査・分析し、まとまったレポートを自動生成する機能です。4サービスいずれも対応済。Copilotでは「リサーチツール」、Claudeでは「Research」機能と呼ばれています。
スキル設定機能:特定の作業の際に必要になる情報やノウハウ、手順書、関連ファイルなどをまとめておき、必要に応じてそれらを参照して処理・回答を行う機能です。ClaudeとChatGPTは比較的容易に使い始められる状態になっています。
Gemini、Copilotもまったくの非対応ではありませんが、GeminiやCopilotはそれぞれ開発者向けのGemini CLI/GitHub Copilotのみでの対応となっているため△としました。
ノートブック機能:ドキュメントや資料をプロジェクト単位等で任意の分類で蓄積しておき、その内容を元にやり取りできるAIノートブック・AIバインダー的な機能です。回答時にソースとして参照した資料を比較的明確に示してくれるので、限られたファイルの範囲で情報の整理や確認をするのに便利です。
GeminiはNotebookLMという専用サービスが充実しており、他と比べて頭一つ抜けています。CopilotもCopilot Notebooksという類似の機能がありますが、NotebookLMと比べるとやや限定的な機能となっており△としました。
画像生成機能:テキストから画像を生成したり、画像の編集を指示できる機能です。GeminiはNano Banana 2、ChatGPTはChatGPT Images 2.0というそれぞれ品質が高い画像生成モデルを開発しており、熾烈な競争の真っ最中です。いま現在はChatGPT Images 2.0の方が一枚上手のクオリティです。CopilotもChatGPT Images 2.0を使用できます。
主な業務ツール連携先:連携できる業務ツールの傾向をまとめました。ChatGPTはChatGPT Appsという外部サービスと連携できる機能が提供されており、最初期はBtoC向けツールとの連携が目立っていましたが、現在は少しずつ業務ツールとの連携も増えてきた印象です。
GeminiはGoogle Workspace、CopilotはMicrosoft 365との連携を中心にして強化が進んでいるように見えます。さすがにそれぞれ自社ツールとの連携度合いは強力です。
ClaudeはMCPサーバーという仕組みを中心にして、特に多様なツールと接続できる土壌が整いつつあります。
MCP対応:外部ツールとAIを接続するオープン規格「Model Context Protocol」への対応状況。ClaudeはMCPを開発したAnthropicが提供しており、前述の通り最もネイティブに対応しています(◎)。
CopilotとChatGPTも対応済み(○)ではありますが、それぞれ条件があります(※)。GeminiはAPI経由やEnterprise版では使えるものの、一般ユーザー向けのアプリ画面からは直接利用できない(△)という状況です。
※Copilot(フェデレーテッドコネクタ)は読み取り専用(書き込み不可)。ChatGPTのMCP対応は一部プランでのみβ版で提供。
著者はどう使い分けているか
「比較の軸が多すぎて結局わからんぞ...難しそうな言葉も結局多いし...」という声がそろそろ聞こえてきてしまいそうなので、指針のご参考の1つとして、ここからは私自身の使い分けをご紹介してみようと思います。
Claude
現在はClaudeをメインで使用しています。下記の点を中心にビジネス用途での利点を多く感じられるからです。
- スキルという仕組みがあり、Wordファイル、PowerPointファイルをガリガリ作って出すスキルが標準で備わっていて得意。また「自分好みのフォーマットで議事録を作成してくれるスキル」「自社プロダクトのブランドガイドラインと照らし合わせて評価してくれるスキル」など、自分が繰り返し行う業務に適したオリジナルのスキルも作成でき、自分の業務に合ったAI活用がしやすい
- MCPという仕組みを通じて多様なツールと連携できる。例えば、普段の業務でフル活用しているkintoneとつなげることもでき、kintone上の業務データを参照した上で処理・回答させることも容易
- Claude in PowerPoint、Claude in ExcelなどのOfficeツール向けアドオンもリリースされており、例えばPowerPoint上でClaudeが直接スライドを操作してくれるなど、ビジネス職の書類作成・編集に便利
全体的な傾向として、「単に賢いAIモデルを作る」よりも「ビジネスの現場でAIを気持ちよく使えるようにするにはどうすべきか」という方向でアップデートがかかり続けているのが特徴的です。
下記の記事で、具体的なClaudeの活用例をご紹介しています。こちらもよろしければご参照ください。
「Claudeで議事録作成→kintoneにタスク登録」の半自動化がとても便利
https://note.com/yoshi_tos/n/n0931dd3fef3c
社内フレームワークをAIに教える一番手軽な方法は、新人研修の資料を食べさせることだった
https://note.com/yoshi_tos/n/nd0295e0b2bd5
Gemini
Geminiも時折使用しています。主に使っているのはNotebookLM。取材の文字起こし・事実確認のサポートに主に使用しています。
ChatGPT
画像生成(ChatGPT Images 2.0)が強力なので、こちらの部分を中心に利用しています。
結局どれを選べばいいか
ツール選びの前に一点。自社にAI利用のガイドラインがあれば、まずはそちらを確認してください。ガイドラインがまだ整備されていない会社も多いと思いますが、その場合でも、顧客情報・社内の機密資料・未公開の企画内容などは不用意に入力しないよう、自衛的に慎重に扱うことをおすすめします。
その上で、使い始めるとしたらという話を少し。あくまで一意見です(この記事全体に言えることですが)。
ビジネスの現場での使い勝手を重視するなら、Claudeをやはり現時点では私は推奨したいです。前述の通り、外部ツール連携(MCP)やスキル機能の充実など、日常業務の中で使いやすい部分が多いと感じるからです。
次点でGeminiやChatGPT、Copilot・・と、あとはほぼ横並びです。比較表を見ていただくとわかる通り、いずれも×が少なく極端な弱点は多くないと感じます(逆にいえばClaudeは画像生成機能は一切備えないなど、割り切りが目立つのが特徴的です)。現実的なところとしては、CopilotやGeminiの方がMicrosoftやGoogleの提供サービスということで、セキュリティの信頼性などの観点で社内で稟議を通しやすい組織も多そうな気はします。
いずれにしても、どのツールを選ぶかより、まず使い始めてみることのほうが大事だと思います。使ってみて初めて「こういう使い方は便利そう」「逆にここはイマイチだな」などの感覚が掴めてきて、そこの価値がとても大きいと思うので。
まとめ
- 業務でAIを使うなら、無料版・個人版は入力情報の学習利用リスクに注意が必要。まずは各サービスのポリシーと自社ガイドラインを確認する
- どのツールを選ぶかより、まずは使い始めて感覚を掴むことのほうが大事
- ビジネス全般に対応しやすい & 外部ツールとの連携性を重視するならClaude、Google Workspaceとの連携ならGemini、Microsoft 365との連携ならCopilotが選択肢に挙がる
なお、チームでAI活用を進めるには、個々人で使う適切なAIツールの選定だけでなく、「"チームの業務内で使えるAIツール"を組み合わせること」や「チームのデータと個々人のAIツールをつなげること」も重要になってきます。
kintoneはこうした点においてとても優れた、AI×ノーコードの業務改善プラットフォームです。下記の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
kintoneの検索AIで「発注前の見積もり金額チェック」をラクにした話
https://kintone-sol.cybozu.co.jp/integrate/pickup/m008659.html
kintone MCPサーバーを設定して、AI(Claude)とkintoneを連携してみよう
https://kintone-sol.cybozu.co.jp/integrate/pickup/m008637.html
「Claudeで議事録作成→kintoneにタスク登録」の半自動化がとても便利
https://note.com/yoshi_tos/n/n0931dd3fef3c
最終更新日:2026年6月17日
著者:吉原 寿樹(サイボウズ株式会社 kintoneプロモーション担当)
2017年の新卒入社からマーケターとして広告・セミナー・コンテンツ制作などを担当し、現在は部内のAI活用推進にも携わる。AIツールを日常業務に組み込む実践者として、非IT人材向けのAI活用ノウハウを発信中。