ブレインセラーズ・ドットコム 様の導入事例

ブレインセラーズ・ドットコム

【業務内容】
ソフトウェア開発事業、サービス事業、複合的サービス事業
【利用用途】
案件管理、商談履歴、見積管理、受注管理、売上見込管理、保守更新案内管理、取引先管理
  • 伴走パートナーと進めた「業務整理」が成功の起爆剤に
  • 大量のエクセル帳票を廃止し、月250時間の工数削減を実現

Web帳票ソリューションや名刺作成サービスなどを手掛けているブレインセラーズ・ドットコム株式会社では、従来NotesDBやエクセルで行ってきた案件管理や受注管理といった基幹業務の基盤を刷新し、新たにkintoneを活用して業務基盤を整備している。kintoneの伴走パートナーと共に業務整理を行ったことで、理想的な形で業務改革を成功させることができた。その経緯について、イノベーションシステム部 青柳 敦 氏、ソフトウェア営業部 倉田 順次 氏および柴田 友子 氏、そして伴走パートナーである株式会社Arinos BX事業本部 熊田 みのり 氏に詳しくお話を伺った。

【課題】大量のエクセルによる手作業や重複業務と、技術者不在でメンテナンスできないNotesが課題

2000年に創業し、画期的な製品や独創的発想によるサービスなどを通じて独自性の高いビジネス・モデルの創出を続けているブレインセラーズ・ドットコム株式会社。同社の開発・販売する「biz-Stream」は、大量の帳票を短時間のうちに生成することが求められる金融機関に多く採用されている。その他にも、高品質かつ低コストな法人向けインターネット名刺作成サービス「Web-BPS」を中心としたサービス事業を展開している。 

そんな同社では、以前からNotesを中心に顧客管理基盤を整備していたが、社内にNotesDBを開発できるメンバーが不在となり、修正が難しい状況になっていた。Notesでカバーできない周辺業務にはエクセルを使う形で、なんとか業務フローを動かしていたと青柳氏は当時を振り返る。「受発注や顧客管理の業務に必要なエクセル帳票の数は100を超えていました。エクセルからNotesDBへの転記や、NotesDBからエクセルに出力したデータの加工など、手作業が多く大変でした。また、お客様とのやりとりも紙帳票だったため、読み間違いや不明箇所の確認作業にかなりの工数がかかっており、月末月初の営業活動の妨げになっていました」。 

イノベーションシステム部 青柳 敦 氏

【選定】業務整理から提案を進める伴走パートナーの存在がプロジェクトを後押し

kintoneを導入するも業務改革プロジェクトがうまく進まない

業務基盤を刷新するにあたって「誰でも扱いやすく、ユーザー側でも改修しやすい環境を整備したいと考えました」と青柳氏は説明する。ツールを選定するにあたって、社内の別事業ですでにkintoneが導入されていたことが後押しし、最終的にNotesDBやエクセルから脱却する業務基盤としてkintoneが選ばれた。当時kintone以外にSalesforceも選択肢として挙がっていたが、コストの面やユーザー側で自由な改修の実現が難しいという理由から断念していたという。

しかし、kintone導入後も思うように業務改革プロジェクトが前に進んでいかない事態が発生していた。「現状の業務をそのままkintoneに当てはめようとしたことがうまく進まなかった原因だったと思います」と倉田氏は当時を振り返る。

もともとNotesをベースに業務フローが設計されており、カバーできていない部分にエクセルを駆使しながら業務を動かしていたため、最適な業務フローとは言えない状況だったのだ。「昔からのやり方が伝統的に引き継がれており、その通りに進めないといけない業務が大量に存在していました。何のためにやっているのか誰もわかっていないルールも数多く存在していたほどです」と柴田氏。

ソフトウェア営業部 倉田 順次 氏

ソフトウェア営業部 柴田 友子 氏

伴走パートナーと共に、現状分析による”As is”の整理から理想像となる”To be”実現を目指す

kintoneでアプリ開発を進めていく以前に、現状の業務フローを整理し、最適な形に落としていくことから始めていく必要性を感じた同社だがどこから手をつけていいか分からなかった。そこでサイボウズに相談すると、現状分析による”As is”の整理や、理想像となる”To be”実現に向けた業務コンサルティングに強い伴走パートナーである株式会社Arinosを紹介されたという。

Arinosにて、伴走パートナーとして業務コンサルティングも含めたkintoneの提案活動を行っている熊田氏は「業務の見える化を行って課題を抽出し、解決策に向けた環境実装を行っていくのが我々の得意としているところです。既存の業務課題を整理することで、kintoneのアプリ開発に留まらず、並行して取り組むべき解決策の実行も支援するご提案をしました」と当時を振り返る。

(株)Arinos BX事業本部 熊田 みのり氏

Arinosから提案されたのは、大量のエクセル帳票の整理を行う前に、業務の見える化による課題抽出を実施すること、同時にNotesDBの棚卸も実施すること。その後、kintoneの要件定義を行って開発を進めていくプランだった。「これまでの業務フローや昔から引き継がれた伝統的なやり方を見直すきっかけとして、まさに我々が求めている支援が得られると考えたのです」と青柳氏。

<Arinosが提供するkintone伴走サービスのイメージ>

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結果として、株式会社Arinosに伴走してもらいながら、kintoneによる業務改革を成功させるためのプロジェクトを再スタートさせることになったのだ。

【効果】業務整理を通じてkintoneの実力を引き出すパートナー提案が大きな存在に

月間で250時間の削減。案件管理から保守売上管理まで、kintoneにて一気通貫で業務を整備

Arinosとともに取り組んだ業務改革では、代理店やエンドユーザーからの問い合わせを起点に、案件管理から顧客管理や商談履歴、見積管理、受注管理、そして売上管理までの各アプリを一気通貫でkintoneにて作成した。Arinosは業務コンサルティングを含め、業務フローの整理からシステム実装まで全面的に伴走した。
 
重複した入力作業が多く発生しているという課題に対し、工数を確保して営業に専念できる環境を目指しましょうと提案しました。現状課題とあるべき状態について共通認識を持つことで、お客さまと一緒に業務基盤の整備を進めることができました」と熊田氏。

結果として、数多くのエクセル帳票を統合・システム化することに成功。以前発生していたNotesやエクセルなどへの転記を防ぐべく、kintoneにて情報を集約して自動的に次のアプリへ情報を引き渡すなど現場の負担軽減につながるような業務フローを整備し、月間で250時間ほどの工数削減を実現できた。

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また、これまで属人的な方法で業務を行っていた環境から脱却できたことで、新たなメンバーに引き継ぐ際の負担軽減につながるなど、業務を標準化した効果が各所に現れているという。
 
従来は保守更新案内を郵送にて通知していましたが、kintone内の情報から直接顧客に案内できるようになり、月に4日ほどかかっていた作業を自動化することに成功しています。月初に保守更新の案内を送る先のリストがアプリ内に生成され、それをチェックするだけでメールが送れるようになりました」と柴田氏。

<下図:代理店やエンドユーザーが問い合わせの窓口となる Webフォーム(連携サービスのフォームブリッジを利用)を起点に、案件管理などのアプリを一気通貫でkintoneにて作成。見積管理や受注管理からは見積書や請求書、納品書が帳票出力(プラグインのRepotoneUを利用)、クリック操作で帳票を顧客にメールできる仕組み(連携サービスのkMailerを利用)>

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kintone導入を推進する伴走パートナーがいたからこそ大幅な業務効率化に成功

今回kintoneのアプリ開発からではなく、業務コンサルティングから伴走パートナーに支援を依頼したことが、なかなか前に進めることが難しかった業務基盤刷新のプロジェクトを成功に導いた要因として何よりも大きい。「コンサルティングをベースに業務改善のプロセスを学ぶことができたのは意義のあることです。結果として最後までプロジェクトを完遂することができたのはパートナーの手厚い支援があったからこそ」と青柳氏は高く評価する。

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当初はペーパーレスへの取り組みは難しいと諦めていた部分も、Arinosが工数削減も含めてこだわり続けながらプロジェクトをリードし、無理だと諦めて切り捨ててしまっていた部分も拾い上げるなどしたその姿勢について、同社は感謝の声を寄せている。

日々の業務に直結した課題に寄り添っていただきながら、理解しやすい業務フローに沿って改善を進めていくことができました。たとえばデータ構造やフローで考えるよりも、受注して出荷するという日々の業務から考えられるほうが我々には理解しやすい。理解が進む部分からうまく流れを作っていただけたことで、私も含めてメンバーもうまくプロジェクトを進めることができました」と倉田氏も伴走パートナーであるArinosを評価する 。

また、伴走してもらいながら支援を受けるなかで、kintoneのアプリ開発 のノウハウもうまく吸収することができたと振り返る。「IT経験は全くありませんでしたが、実際納品いただいたアプリを参考にしながら作り方を学ぶことができたのは大きい」と柴田氏。結果として、自身で項目追加などのアプリ改修ができるスキルを身につけることができただけでなく、業務全体への影響も意識しながら業務改善できる習慣を身につけることができたという。

kintoneによってすでに大幅な業務効率化に成功している同社だが、Arinosと現在も隔週で定例会を実施しながら、たとえば運用中のアプリ改修の際にはアドバイスをもらうなど内製化支援を受け続けている。

全社的にkintoneを活用していきたい

現在でもkintoneを使って部門内で週報の共有や営業会議内での売上比率の可視化などを行っているが、全社的な活用も視野にkintoneの用途をさらに広げていきたいという。また、kintone内に蓄積されたデータを活用し、新たな気づきが得られるような分析していきたいと倉田氏は期待を寄せている。「kintoneのデータの分析は、商談履歴内の情報から改善点や売り方の道筋を検討することはもちろん、保守契約の更新状況を把握して漏れを防ぐ施策を実施するなど、いろいろな活用が考えられます」。

さらに、現状運用している古い会計システムをクラウド会計など新たな環境へ移行することをきっかけに、kintoneとの連携も含めたさらなる効率的な運用が可能な環境づくりに取り組むなど「kintoneを活用できる業務はまだまだありそう」と今後についての意欲を語っていただいた。(2022年11月取材)

【記事内で登場したプラグイン・連携サービス】

フォームブリッジ(トヨクモ株式会社)

kMailer(トヨクモ株式会社)

krewData(メシウス株式会社)

レポトン(株式会社ソウルウェア)


※プラグイン・連携サービスはkintoneスタンダードコース以上でご利用いただけます

【この事例の伴走パートナー】
株式会社Arinos

kintone担当窓口
TEL:03-6261-6485
HP:https://kintone.arinos.co.jp/kintone-support/

Arinosは、kintoneを導入することがゴールではなく、業務改善やDXを実現するために、kintoneを活用しながら業務や組織課題の改善に継続的にお取り組みいただけるよう、伴走パートナーとしてご支援しております。
個別相談会も毎日開催しておりますので、お気軽にご相談ください。