ランドスケイプ
- 【業務内容】
- データベースマーケティング支援事業
- 【利用用途】
- Notes移行、販売管理、購買管理
日本最大のデータベースを武器に企業のマーケティング活動を支援している株式会社ランドスケイプでは、長年利用してきた Notes に課題感を覚え、業務基盤を kintone に移行。営業活動の記録から経理処理までの流れを kintone と freee でシームレスに行うことで、圧倒的な業務効率化につながった。その背景について、データコントロール本部 保守チーム マネージャー 時田 真一氏、管理本部 経理チーム 佐藤 智織氏、および営業本部 Alliance & Support グループ 川添 奈津美氏にお話を伺った。
独自に構築した9500万件を超える消費者情報や、820万拠点の企業情報を含めた日本最大のデータベースを武器に、データベースマーケティング支援事業を手がける株式会社ランドスケイプ。企業のマスターデータとなる「LBC」を搭載したクラウド型の顧客データ統合ツール「uSonar」を提供しており、Salesforce をはじめとした各種 SFA、CRM、MA ツールと連携するなど、データに基づいたマーケティング活動が可能な基盤づくりを支援している。
そんな同社では、これまで業務基盤として20年以上 Notes を活用してきたが、柔軟な機能実装が可能なものの、開発したプログラムが新たに詰め込まれるたびに処理が重くなってしまい、見積書の作成だけでフリーズするといった事態も発生していた。また、システムの運用管理が時田氏に属人化しており、その点も課題に感じていたという。
Salesforce やMicrosoft Dynamics などのソリューションも併せて検討する中で、Notes に代わる新たな基盤として時田氏の目に留まったのが kintone だった。選定の背景には、情シスなどのエンジニア部門だけではなく、現場の業務担当者にもアプリを開発してほしいという考えがあったという。「普段から業務にかかわっているメンバーが仕組みを設計するべきだという方針があり、スキル習得に負担が大きなものは避けたかったのです」。
実際の運用では、時田氏が kintone アプリの大枠を用意し、詳細な項目などは現場のメンバーで開発できるような体制にしている。営業現場で事務を担当する川添氏は、見積書や注文書が作成できるアプリを自身の手で作り上げた。「プログラミングの経験がない私でも作ることができました。アプリ間の連携も容易で、ほかのアプリの情報をここに表示したら便利だな、といった意見も出しやすい。使いやすさの面でも本当に助かっています」。以前は、お客さまに提出するために、Notes で作成した見積書や注文書を Excel に展開したうえで PDF 変換していたが、今ではボタン一つで簡単に PDF 化できるようになるなど、業務の大きな負担軽減につながったという。
しかし、全社的な業務基盤を kintone で構築する一方で、経理部門の業務に関しては依然として Notes が使われていた。特に、経理部門として最大のミッションである月次処理の早期化に向けて、経理処理の効率化につながる仕組みが課題となって残されていた。ちょうどこの頃、以前から利用していた会計パッケージの消費税対応などの課題が顕在化していたタイミングも重なり、経理システムの切り替えが行われることに。選ばれたのは、kintone との親和性が高い freee だった。「業務システムとしてすでに動いていた kintone との連携も考慮した結果、経理部門のメンバーが freee を使うという決断をしました。私自身は kintone と freee のつなぎ込み部分をお手伝いすることに」。
月次処理の効率化が大きなミッションだった経理部門では、kintone と freee の連携によって、20営業日ほどかかっていた処理を7営業日にまで短縮できるようになった。「数字を扱う経理部門としては、数字の正確性は非常に重要です。ただし、以前は多くのツールを使って業務を行っていたために CSV や Excel 集計などの手作業が多く不安が大きかった。今は kintone と freee だけで業務が完結できます。一つ一つの業務を区切ることなく、リアルタイムで数字が反映されるから正確性が増し、不安感がなくなったのは大きな効果」と佐藤氏は力説する。
以前は Notes から CSV で吐き出した情報を手作業で経理システムに取り込んでいた各種処理も、kintone と freee をシームレス連携させることで自動化され、作業品質の向上や処理の迅速化にもつながったという。
Notes を利用していた際は、膨大なデータの中から処理すべき項目を見分けるにも労力を割いていたが、kintone でならちょっとしたカスタマイズを施せば、登録した項目が処理状況によって区分けされるなど、マニュアルがなくても感覚的に操作できる点も評価している。「 kintone では簡単な条件を設定するだけで、経理が作業する申請の一覧表示や処理漏れを絞り込むことができます。また、感覚的にこの数字を使えばこんな集計に使えるといったアイデアが出てくる点も魅力的です」。
今回メインとなる月次処理のフローについては、まず取引先の会社情報を登録する『企業マスタアプリ』に、iPhone のカメラから名刺情報を読み込む。この時、同社が運用する企業データベース(LBC)の中から、名刺情報と一致する会社に対して自動的に企業コードが付与されるため、情報入力の手間を省くことができる。
続いて『企業マスタアプリ』にある企業情報を『取引先申請アプリ』にワンクリックで転記し、取引内容や審査基準を入力して取引開始の申請を行う。管理本部長の承認を経て取引先申請が完了したら、画面左上に「発注申請」のボタンが表出する。こちらをクリックすると発注申請の作業に移ることができる。
『発注申請アプリ』に商品名や支払日など必要な項目を入力したら再び申請を行い、こちらの承認が完了したタイミングで、経理担当者が発注申請の一覧画面を見ながら支払いの作業に取りかかる。請求書の有無などをチェックし、問題があればコメント機能を活用して登録内容を確認するコミュニケーションをしている。納品後に経理部門が請求書の原本を確認して上長承認が行われると、freee 上で自動的に仕訳処理が行われる。
経理部が使いやすいポイントとしては、例えば『発注申請アプリ』の中の発注済みの段階では経理部門が触れないよう項目がグレーアウトされていたり、一覧画面でも多数のリストの中から対応すべき項目だけを絞り込むことができる点が挙げられる。
今後は、Notes に残っている給与計算システムを kintone に移行させ、Notes 業務の完全移行を目指したいと考えている。kintone 単体では難しい処理でも、API 連携が柔軟な kintone だからこそ、freee のような別のシステムと連携するという決断も行いやすい。また、freee との連携では、それぞれの部署の要望に合わせて、必要な情報を公開できるような仕組みづくりを検討していきたいという。
「今は kintone から一方的に情報を仕入れて、集計した結果だけを現場に提供しています。今後は集計プロセスを含め、現場の要望に合わせた数字を kintone 上でオープンにしていくことも考えていきたいです。」と佐藤氏。時田氏も「確かに役員向けの資料などは freee 上で作成できますが、部署によってもっと詳細な情報が求められる場面も。部署ごとに確認したい情報を見える化できるような仕組みを今後考えていきたい」と今後について語った。
(2019年10月 取材)
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