アイサンテクノロジー 様の導入事例

アイサンテクノロジー

【業務内容】
測量・不動産登記向けソフトウェア開発・販売・サポート、高精度地図製作、自動運転の社会実装支援
【利用用途】
人事労務申請管理、給与計算管理、営業見積・受注管理、案件管理、経費・予算管理
  • 申請の紙がゼロに。kintone×給与奉行クラウドで実現した
  • 属人化しない人事・総務の仕組み

測量・不動産登記向けソフトウェアの開発・販売から事業をスタートし、現在は自動運転に用いる高精度地図の制作や、全国各地での自動運転の社会実装支援まで幅広く手がけているアイサンテクノロジー株式会社。その事業を支える経営管理本部では、サイボウズ デヂエ、サイボウズ Officeのカスタムアプリの活用を経て2012年からkintoneを活用し、業務のデジタル化を段階的に推進してきた。当初は管理部門のみの利用も、各種申請等を社内にて活用する中、各部門からも利用したい声が上がり、今では、グループ会社含め全社的に利用を行っている。今回注目するのが、人事総務領域での活用だ。紙とExcelに依存していた申請・給与計算業務をkintoneで構築。その後運用する中で見つかった課題を解決すべくアプリを刷新し、さらには株式会社オービックビジネスコンサルタントの「給与奉行クラウド」へのCSV連携も実現。長年の課題だった属人化に終止符を打った経緯を伺った。

■お話を伺った方
・経営管理本部 本部長 曽我 泰典氏
・総務部 部長 豊田 聡氏
・情報システム1課 課長 今泉 悦子氏

【課題】申請は紙で運用、給与計算は担当者1人のノートに依存。人事・総務業務の根本的な見直しが迫られていた

事業拡大に伴って社員数が増えるにつれ、同社の人事・総務部門では、紙や手作業を前提とした業務運用に限界が見え始めていた。特に、社内から寄せられる各種申請は紙で運用していたため、処理に時間がかかっていた。「全国に拠点があるので、紙の申請書が本社に届くまでに2〜3日かかるのが当たり前でした。承認者が出張中であればさらに日数がかかることもありました」と曽我氏は振り返る。紙であるがゆえに紛失リスクもゼロではなく、申請状況をリアルタイムで把握する手段もなかった。

経営管理本部 本部長 曽我 泰典氏

各種申請を受け付けた後、その内容を給与計算へ反映する業務にも課題があった。給与への反映タイミングはライフイベントごとに異なるため、いつ・どのように反映するかの判断は複雑であるにもかかわらず、経験豊富な担当者個人に依存したアナログな運用が続いていた。「給与計算担当者が給与への反映事項をノートにまとめ、Excelで管理するなどして、計算のタイミングで反映漏れがないよう給与奉行クラウドに手動で入力していました」と曽我氏は当時を振り返る。こうした運用では、担当者が異動・退職すれば、業務の引き継ぎや継続が困難になる構造だった。加えて、手作業による反映漏れのリスクも抱えており、漏れが発生すればそのまま支給ミスにつながりかねない状況だった。

このような状況を抜本的に改善すべく、すでに社内で活用していたkintoneを軸に、申請フロー全体の見直しを検討することになった。

【選定】複雑な申請フローに対応できる柔軟性と給与奉行クラウド連携を両立できる、kintoneを採用

当時、同社ではすでにkintoneを活用していたが、申請の種類ごとにアプリが乱立しており、社内から「どこでどの申請をすればいいかわからない」という声が届いていた。特にライフイベントに伴う申請は頻繁に発生するものではないため、いざ利用する際のわかりやすさが大きな課題となっていた。こうした社内の声を受け、「申請の名前から探すのではなく、結婚・出産・引っ越しといったライフイベントを起点に設計し直す」という発想の転換のもと、アプリの刷新を決断した。

刷新にあたっては、他社の申請ツールも選択肢として検討した。しかし、決まったフォーマットの申請には対応できても、自社独自の申請への対応が難しいという評価となり、採用には至らなかった。慶弔・育休・住所変更など、ライフイベントに応じた申請の種類は多岐にわたり、それらを柔軟に網羅しながらも、社員が直感的に使えるインターフェースを実現する必要があった。アプリを自由に設計できるkintoneであれば、ライフイベント起点という新たな発想をそのまま形にできる柔軟性があると判断し、kintoneでの再構築を決断した。

次に、申請内容を給与奉行クラウドに反映させるための連携手段も課題の一つだった。そこで、給与奉行クラウドとkintoneをつなぐ手段として選んだのが、kintoneのセミオーダー型アプリパッケージとしてエムザス株式会社より提供されている「EMクラウド 給与パック」だ。EMクラウドはkintone上に専用アプリ群を配置することで、申請情報の受け渡しから給与計算への反映までをkintone上で一元管理できる点が採用の決め手となった。

【効果】社員の申請から給与奉行クラウド連携まで、kintoneで一気通貫。担当者依存の人事・総務業務から脱却へ

kintone・EMクラウド・給与奉行クラウドの組み合わせで、同社の人事申請フローは一気通貫となり、担当者のノートやExcelに依存していた申請・給与計算管理が、kintone上に集約された。これにより属人化や申請・決裁のタイムラグの問題が大きく改善された。

紙の申請書がゼロに。EMクラウド経由で給与奉行クラウドへの連携を実現

申請が承認されると、その内容はEMクラウドに格納され、担当者が反映タイミングを確認しながらCSVを給与奉行クラウドに取り込む運用となっている。申請内容によっては承認から給与反映まで数か月のタイムラグが生じるケースもあるが、「給与計算業務申し送り管理」アプリでどの申請がいつの支給対象になるかを一覧管理できるようにしたことで、反映漏れなく処理できるようになった。 支給項目・控除項目・退職関連といった給与計算に直結する変更内容がkintone上で見える化されたことで、担当者間の引き継ぎも格段にスムーズになった。「担当者が不在でも、アプリを見ればやり方がわかるようになりました」と曽我氏。担当者のノートが担っていた役割が、kintone上で誰でも参照できる仕組みへと着実に置き換わりつつある。また、kintone化による恩恵は給与計算管理だけにとどまらない。紙の申請書は完全にゼロとなり、全国の拠点からの申請処理がkintone上で即時に完結するようになった。在宅勤務中の担当者でも申請の受付・処理が滞りなく進められるなど、人事・総務部門の働き方にも大きな変化をもたらしている。

そして、人事・総務部門だけでなく申請者側の体験も大きく変わった。「ライフイベント一覧」アプリでは、検索欄に「結婚」「出産」「引越し」などのキーワードを入力すると、そのライフイベントに紐づく申請が一覧で表示される。申請者が該当するライフイベントを選択すると、kintoneのアクション機能によって「人事労務申請」アプリの申請フォームが立ち上がる。そしてkintoneの入力フォームをカスタマイズできるプラグイン「gusuku Customine」によって、そのフォーム上では申請に必要な入力項目だけが表示される。「申請のたびに紙の様式を探す必要がなくなり、人事・総務の申請はまずこのアプリを開けばいいとわかるようになりました」と豊田氏は語る。

総務部 部長 豊田 聡氏

ライフイベント一覧アプリ(左)から該当するライフイベントを選択後、
アプリアクションで人事労務申請アプリ(右)の申請フォームが立ち上がる

営業の受注管理から経理の会計処理まで、kintoneと奉行シリーズで業務を効率化

kintoneと奉行シリーズの連携は、人事・総務領域以外の他部門にも広がっている。営業部門では、社内で独自開発した見積システムとkintoneを連携させ、見積書作成後の上長承認フローをkintoneのプロセス管理機能で実現。受注確定後は受注情報がkintone上で物流部門へと受け渡され、出荷対応の完了をもって商奉行への売上データ連携まで一気通貫で処理される。

経理部門では、予算編成において年間契約を月次に按分するといった複雑な会計データの加工をkintoneのデータ加工プラグイン「krewData」を活用して実現し、勘定奉行に取り込む運用が整っている。「年払いの契約を月次に割り振る計算を昔はExcelで管理していて、ミスのリスクもありました。それをシステム化できました」と曽我氏は振り返る。人事・営業・経理の各領域において、kintoneは奉行シリーズとともに業務の中核を担っている。

kintone × AIの取り組みが加速。申請アプリへの検索AI組み込みから日報・週報の自動生成まで

さらに、AIとkintoneを組み合わせた取り組みも広がりつつある。kintoneの検索AIを「ライフイベント一覧」アプリに導入する取り組みはすでに始まっており、例えば『引っ越しすることになったのですが』という自然な言い回しからも関連する申請フォームを引き出せるよう、改良を続けている。そのほかにも、各社のSaaSやAIサービス等の連携をノーコードで開発できる「Dify」とkintone上の週報アプリをつなげて、週報から月報を自動生成するなど、kintone上のデータをAIで活用する取り組みを担当者それぞれが自発的に模索している。「kintoneに蓄積したデータを書き出してGeminiでより高度に分析する取り組みも試しています」と情報システム担当の今泉氏は語る。データをkintoneにためることでAI活用が進みやすくなるという、その好事例と言えそうだ。

情報システム1課 課長 今泉 悦子氏

こうした自社での高度な活用実績や、現場主導で磨き上げてきた業務改善プロセスを、同じように属人化やアナログ管理に悩む他社へと還元すべく、同社では新たな伴走型DX支援サービス「Ai-COCO(アイココ)」としての外販事業もスタートさせた。自社が身をもって実践してきた「生きたノウハウ」を武器に、自社内にとどまらず、広く社会の業務効率化への貢献を目指している。

現在、グループ会社を含む全社員がkintoneを日常的に活用し、稼働アプリ数は900を超える。「人事・総務部門が少人数でやっていくにはシステムを最大限に使うしかない。その結論は当初から変わっていません」と曽我氏。人事・総務部門の人数を大きく増やすことなく全社の業務を支えられているのは、kintoneを中心としたシステム活用の積み重ねによるものだ。人事・総務申請から給与奉行クラウド連携、営業・経理における奉行連携、そしてAI活用へ──アイサンテクノロジーのkintone活用は、今後もさらに深化していくだろう。

(2026年4月取材)

【記事内で登場したプラグイン・連携サービス】

奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)
EMクラウド 給与パック(エムザス株式会社)
gusuku Customine(アールスリーインスティテュート)
krewData(メシウス株式会社)


※プラグイン・連携サービスはkintoneスタンダードコース以上でご利用いただけます

【この事例の販売パートナー】
リコージャパン株式会社

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