AI実装から初のIoT挑戦まで「迷わず使える」を追求するトヨクモ ── 全6製品で4年連続、星を獲得した開発思想の裏側に迫る
サイボウズのパートナー評価制度「Cybozu Partner Network Report(通称:CyPN Report)2026」にて、トヨクモ株式会社のkintone連携サービス6製品すべてが4年連続で星を獲得。このうち「FormBridge」と「kViewer」は、さらに限られた一部製品に与えられる「3つ星」を獲得しました。あわせてkintone連携機能を備えたトヨクモ スケジューラーも3年連続で星を獲得しています。
こうした実績の背景には、既存製品へのAI機能実装による「使いやすさ」の追求に加え、新たな挑戦として開発を進める「トヨクモ AIカメラ」など、意欲的な取り組みの数々があります。
そこで今回は、マーケティング本部 プロダクトマーケティング部 部長の中井 康喜 氏と、カスタマーサポートグループ マネージャーの田中 千紘 氏に、受賞の喜びとともにAIを中心とした最新の取り組みについてお話を伺いました。
4年連続で星を獲得、うち「FormBridge」と「kViewer」は最高評価の「3つ星」
――昨年までに引き続き、kintone連携サービスの6製品すべてで星を獲得されました。「エクステンション部門」としては4年連続の受賞です。
田中:私は普段カスタマーサポートを担当しておりまして、お客さまから「いい製品だよね」とお声がけされることもあるのですが、あらためてこうした形で評価いただくと背筋が伸びるような思いがします。
中井:お客さまやサイボウズさんなど、さまざまなステークホルダーから客観的に評価いただいているということですからね。私も非常に光栄な思いです。部長を務めているプロダクトマーケティング部だけでなく、マーケティング本部を含めた全社員にとって励みになっています。
トヨクモは、kintoneにはいち早く向き合ってきました。kintoneの目指す世界観への共感もそうですし、機能を拡充するだけでなくエコシステムをともに広げてきた点も、評価いただけているのかもしれません。
マーケティング本部 プロダクトマーケティング部 部長 中井 康喜 氏
――特に今回は、500以上もあるkintone連携サービスの中でごく一部に与えられる「3つ星評価」に、「FormBridge」と「kViewer」の2つが選ばれました。それぞれどんな点が評価されたとお考えでしょうか。
中井:どちらも「kintoneと社外をつなぐ窓口」にあたる製品で、FormBridgeがデータの入口、kViewerが出口です。ITに詳しくない人でも、外部の相手とデータをやりとりできる。さらに、その仕組みを非エンジニアであっても最短5分ほどのノーコード開発で実装できる手軽さが評価されたと考えています。田中:加えて、特定の用途に限定せず幅広い活用をできる点が、評価いただいたポイントの1つかもしれません。「kintoneを活用したい!」という場合にまず入れておきたい、そんな製品です。
導入事例138件・専任デザイナー7名が裏付ける、「迷わず使える」トヨクモの開発思想
――用途が幅広いからこそ悩んでしまいそうにも思えますが、そこもしっかりフォローしているのがトヨクモ様の強みですよね。
田中:ありがとうございます。その1つが「何から始めれば良いか分からない」といったお客さま向けにご用意しているテンプレートギャラリーです。
「FormBridge」と「kViewer」、さらに「kMailer」と「PrintCreator」の4製品に関して、「こんなことがしたい!」という用途から検索でき、すぐに業務改善に生かせるのが大きな強みです。
中井:テンプレートが「型から始める」入口なら、導入事例は「他社のやり方から発想する」入口です。自社サイトでは官民問わず、幅広い業種と企業規模の事例を138件公開していて(2026年8月時点)、中には「こんな使い方もあったのか」と私たちでも驚くものがあります。
※ 導入事例:
https://www.kintoneapp.com/case――その他、トヨクモ様では「デザイン」にも注力されています。Design Missionで「わかりやすい・気づきやすい・使いやすいデザイン」を掲げていらっしゃっているのが印象的です。
中井:100人程度と企業規模はそこまで大きくないのですが、そのうち7人がUI/UXデザインに従事しています。CTO自らデザインに携わっていますし、同じような規模の企業の中ではかなりデザインに注力しているといえるかもしれません。
田中:「ガイドがなくても使える」を理想に開発していて、お客さまからもその点を評価いただくことは多いですね。最近は製品ごとにバラつきがあったデザインの統一も進んでいます。
カスタマーサポートグループ マネージャー 田中 千紘 氏
――デザインが統一されていれば、複数の製品を併用するお客さまにとっても使いやすくなりそうですよね。トヨクモ様の製品は複数を組み合わせてご利用されるケースも多いかと思いますが、実際に複数製品を活用されている事例があれば、ぜひお聞かせください。
中井:阪急電鉄様の技術部門を担っている阪急設計コンサルタント様でFormBridgeとPrintCreator、さらにkViewerとDataCollectを導入いただきました。紙ベースかつ人手の作業だった資格講習の業務を効率化し、年間で約2,000時間を費やしていたところ約40~50%の削減に成功しています。
引用:阪急電鉄グループ 様|トヨクモ
https://www.kintoneapp.com/case/hankyu
AIで開発がより広がる今だからこそ「内部統制」と「機能実装」を強化
――最近はAIの進化によって「SaaS is dead」論を目にすることも増えました。トヨクモ様ではどのように受け止められていますか。
中井:バイブコーディング(AIに指示してコードを書かせる開発手法)も珍しくなくなって、サービス連携やプラグインが不要なのでは、といった論もあることは承知しています。ただ、最終的に保守やセキュリティの問題が出てきて「やっぱり安心感のある製品が良い」となるのではないかと考えています。
その点でkintoneは、サイボウズさんがかなりガバナンス面などに注力し、安心して使える環境づくりに尽力されている点が大きな強みです。AIによる開発や操作が現場で広がるほど、「誰がいつどのデータに触れたのかを追える」「万が一のときに元に戻せる」といった備えの重要性は増していきます。当社でも監査ログ機能や、「kBackup」による自社環境へのデータバックアップなど、内部統制の強化を後押しする「守り」の取り組みを進めています。
――そうした「守り」はもちろん、各製品へのAI機能実装という「攻め」のアップデートも発表されていますね。
中井:kintoneの強みである「簡単に使えること」をブーストするために、AIはかなり有効です。例えば「PrintCreator」では、書類のフィールド配置・設定をAIが自動で行えるようになりました。フィールド数が多い書類や、背景PDFの変更にともなう配置調整など、これまでお客さまから「手間がかかる」とお声をいただいていた操作も、AIが解消してくれます。「DataCollect」では、日本語で指示するだけで要約や分類、評価などを自動化する「AI関数」機能を4月に追加しています。田中:メールマーケティング向けの強化を進めている「kMailer」では、実現したいイメージをAIに伝えるだけで、シナリオメールを作成したり、修正したりするのをサポートしてくれる機能も実装しました。
中井:AIによってよりユーザーの裾野が広がったなと感じています。おかげさまで、kintone連携サービスにログインするための認証システム「ユーザー管理(Toyokumo kintoneApp認証)」は昨年の70万人から、2026年8月時点で130万人を突破するなど急激に増えています。
――矢継ぎ早にAIを駆使した機能をリリースされていますが、社内ではどのようにAIのノウハウを蓄積されているのでしょうか。
中井:全社員にClaudeとGeminiのアカウントを付与した上で、1人当たり年間数十万円の「AI予算」を確保して日々試行錯誤しています。推進役を担っているメンバーが定期的に集まって事例を共有するなど、最新の技術を開発に生かせているのは強みですね。田中:カスタマーサポートの領域でも、お客さまへのヒアリング内容を整理したり、他部署への共有をしたりといった部分でAIの活用が進んでいます。
トヨクモではカスタマーサポートを非常に重視していて、スピードを落とさずに品質を維持して高めるように意識しています。
リアルタイムに異変を検知する「トヨクモ AIカメラ」で挑む、初のIoT領域
――新たに7つ目のkintone連携サービスとして「トヨクモ AIカメラ」も発表されています。2025年10月にモニターを募集されていましたが、現在の状況をお聞かせいただけますか。
中井:従来の監視カメラは、撮影しておいたものを「後から確認する」のが主なユースケースでしたが、トヨクモ AIカメラでは「リアルタイムに異変を検知する」ことを目指します。

例えば工場や倉庫であれば立入禁止エリアへの侵入や熱中症による倒れ込み、建設現場であればヘルメットの未着用、郊外や里山におけるクマの出現など、現場で「今まさに気づくべきこと」をAIが検知し、kintoneへ自動で通知します。
人が映像を見続けなくても、必要な場面だけをAIが検知して撮影データとともに知らせてくれるので、巡回中の見落としはもちろん、夜間や休日など人の目が行き届かない時間帯の異変も逃しません。さらに対応履歴をkintone上に残すことで、あとから原因を分析して根本的な対策につなげることもできます。
現在は製造業などニーズが高そうな領域で検証をしており、2026年中の実装が目標です。トヨクモ AIカメラはトヨクモとして初となるIoTの取り組みですし、新たな市場を開拓していきたいですね。
引用:トヨクモ 7番目のkintone連携サービス「トヨクモ AIカメラ」|トヨクモ
https://contents.kintoneapp.com/tkalp-hitonome_cloud
――ますますAI活用が進みそうですね。
中井:サイボウズさんがkintoneを「AIを使いこなすためのデータベース」にしようとしているのは強く感じています。私たちも、そこに合わせる形でkintone上にさまざまなデータを取り込むことを主眼に置き、機能を拡充していく予定です。トヨクモ AIカメラはその代表例にできればと考えています。
――最後に、今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。
田中:kintoneはユーザーコミュニティが活発なのも大きな特徴です。トヨクモでも「トヨクモ kintone フェス」という、業種や企業規模を問わずに事例を共有し合うイベントを行っています。※ 「トヨクモ kintone フェス 2026」アーカイブ: https://contents.kintoneapp.com/fes2026
例年1,500名以上の方に参加いただいており、今年はkintone×AIによる業務改善や自治体の事例セッションなどを充実させて大盛況でした。こうしたイベントは自社にない活用のヒントを知るチャンスにもなりますし、今年のフェスの内容はアーカイブにて配信しております。ぜひ多くの方にご覧いただき、業務改善の参考にしていただければと思います。
中井:最後に私からは、あらためてCyPN Reportだけでなくたくさんの方から製品を評価いただいていることに感謝を申し上げたいです。
直近ではAIへのフォーカスを強めていますが、あくまでAIは「目的」ではなく「手段」であることは忘れないようにしたいなと考えています。密にお客さまとコミュニケーションを取り、その時々で最大限の価値を感じていただくにはどうすべきかを常に考えながら、今後も製品開発やアップデートを進めていければと思います。
製品概要
kintone同様の簡単操作でkintoneをもっと便利にする定番6製品は、計15,000件以上のご契約(2026年8月時点)。
グループスケジューラーであるトヨクモ スケジューラーも提供。
kintoneとの連携内容
・FormBridge|Webフォームを作成してkintoneにデータを入力できるサービス
・kViewer|kintoneの公開したいデータでWebページを作成できるサービス
・PrintCreator|既存の書類デザインに、kintoneのデータを引用できるサービス
・kMailer|kintone上のアドレス宛に自動でメールを配信できるサービス
・DataCollect|複数のkintoneアプリをまたいでデータを集計できるサービス
・kBackup|kintone上のデータや添付ファイルをバックアップできるサービス
・トヨクモ スケジューラー|kintoneと連携するグループスケジューラー
