経理業務の効率化を実現!kintoneと会計ソフトをつなぐプラグイン

経理業務の効率化を実現!kintoneと会計ソフトをつなぐプラグイン

プラグイン・連携サービスをご紹介いただくのは?

kintone エバンジェリストのメンバーが、おすすめするプラグイン・連携サービスを定期的にご紹介していくこの連載。今回は、喜田 晃大さんにkintoneのおすすめプラグイン・連携サービスをご紹介いただきます。それでは喜田さん、お願いします!✨

kintone エバンジェリストとは?
あふれんばかりのkintoneへの愛と豊富な知識や経験を持ち、kintoneのあらゆる可能性をオープンな場で、公開・発信し続ける 個人を対象にサイボウズが公認した方です。(詳しくはこちら

自己紹介 

喜田晃大と申します。SNSやkintoneコミュニティでは「きったん」という名前で活動しています。 
普段は八代製薬株式会社で経理を中心にバックオフィス業務をしながら、全社の業務改善のためにkintoneの構築をしています。
本日は、経理業務の効率化を実現する、おすすめプラグインを2つご紹介いたします! 

おすすめのプラグイン・連携サービス1

・抱える課題とプラグインの概要

経理業務では、業務の複雑さや法対応の難しさから、販売管理システムや会計システムを利用している企業が多いです。 
一方で、フロント部門の顧客管理や受注管理にはkintoneを、バックオフィス部門の請求管理や入金消込には販売管理システムを利用するケースも少なくありません。
例えば弊社では、顧客管理から受注、売上仕入れ管理kintoneで、請求や入金消込や会計管理PCAクラウド(PCA商魂・商管、PCA会計、PCA給与)を利用しています。
ただ、異なるシステムを併用していると次のような課題が発生します。

伝票の二重入力 
・マスタの二重管理
実際に弊社では、営業部門が受注から売上を、経理部門が請求から入金までを管理しています。このため、次のような手間が発生していました。 

売上データをkintoneに入力 

請求書発行のため販売管理システムにも入力 

新規取引先のマスタをkintoneに登録 
 
kintoneで登録したマスタを販売管理システムに再登録
このような二重入力が必要なフローでは、入力作業の手間やミス(抜け漏れ、重複など)が発生しやすく、その管理が大変です。 

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これらの課題を解決するために紹介するのが、ピー・シー・エー株式会社が提供する「PCAクラウド連携プラグイン for キントーン」です。
このプラグインを利用することで、ノーコードでPCAクラウドとkintoneを連携
し、業務フローを効率化できます。
 

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参照: https://pca.jp/area_top/kintone/plugin_install.html (外部サイトに遷移します)

「PCAクラウド連携プラグイン for キントーン」は、24個のプラグインとアプリテンプレートを提供して
おり、次のようなことが可能です
 

・伝票とマスタの双方向連携 
 └kintoneアプリからPCAクラウドに登録 
 └PCAクラウドからkintoneアプリへのデータ抽出
具体的には、5種類の伝票と7種類のマスタをkintoneとPCAクラウドで連携し、重複作業を削減しつつデータの正確性を向上させることができるようになります。 

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プラグインの使用例(売上伝票の連携) 

ここでは売上伝票をkintoneからPCAに連携する方法を紹介します。 

1.kintoneに売上伝票を入力するアプリを作成
 
提供されているアプリテンプレートを使用してアプリを作成しても構いません。 

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2.プラグインの設定 
PCAクラウドの使用環境の情報を入力し、kintoneアプリのフィールドとPCAクラウドの伝票の項目をドロップダウンで選びます。 

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3.連携のタイミングについて 
kintoneからPCAクラウドの連携のタイミングは手動と自動の2パターンあります。

パターン1:手動で連携する場合 
kintoneのアプリ画面に表示されるボタンを押すことでPCAクラウドに登録されます。

パターン2:自動で連携する場合
「kintoneアプリにレコードを登録したとき」「レコードを編集して保存したとき」また「プロセス管理によって指定したステータスに進むプロセスを実行したとき」にkintoneからPCAクラウドにデータを登録することができるようになります。
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4.kintoneからPCAクラウドの売上伝票に登録

これでプラグインの設定が完了し、kintoneとPCAクラウドの連携が可能になります。

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プロセス管理による自動連携を使うと、次のようなことが可能になります。


1.営業担当者が売上データをkintoneに入力 
2.プロセス管理で上司に確認依頼
3.上司が確認後承認
4.PCAクラウドに自動登録
5.経理担当者が請求書を発行 
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PCAクラウド連携プラグイン for キントーンのまとめ 

このように、5つの伝票と7つのマスタについて、同様の設定、タイミングでkintoneとPCAクラウドの連携がノーコードで可能になります。 
自動連携を設定すれば、任意のタイミングで連携してくれるので、「二重入力」「二重管理」の問題が解決できました。
また、PCAクラウドの伝票・マスタのデータをkintoneに抽出することもできます。
抽出のプラグインもPCAクラウドの使用環境の情報を入力し、kintoneアプリのフィールドとPCAクラウドの伝票の項目をドロップダウンで選ぶことで設定が完了します。
抽出の際は「条件の指定」や「差分のみの抽出」も可能なので連携したいものだけkintoneに抽出する運用も可能です。
このプラグインはPCAクラウドユーザーであれば無料で使用することができます。 

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 PCAクラウド連携プラグイン for キントーンの詳細はこちら

おすすめのプラグイン・連携サービス2

・抱える課題とプラグインの概要

弊社でも「PCAクラウド連携プラグイン for キントーン」を使用し、かなりの業務効率化を実現できましたが、経理業務に必要なデータすべてをこのプラグインでkintoneとPCAクラウドに連携できるわけではありません。例えば、以下の2点です。

・入金管理データ 
・勤怠管理データ
入金管理は、振り込みや電子記録債権などの入金情報を「入金管理アプリ」で管理し、PCAクラウドの入金伝票に入力し、消込処理を行います。 
勤怠管理は打刻データや残業時間、昼食の弁当代など給与計算に必要なデータをkintoneで管理しており、その情報をPCAクラウド給与に入力しています。
この業務フローのkintoneからPCAクラウドに入力する部分に上記プラグインは対応していないので、手入力やエクセルでの加工が必要でした。 

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この業務フローで使用するプラグインはメシウス株式会社の「krewData」です。 
krewDataは、複数のkintoneアプリのデータを集計・加工し、新しいkintoneアプリを作成したり、既存アプリのデータを更新することができるプラグインです。 そして今回注目したいのは、「外部ファイル入出力」です。

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参照:https://krew.mescius.jp/lp/krewdata-external-data-linkage.htm(外部サイトに遷移します)


その中でも「外部ファイル出力」コマンドを使うと、krewDataで加工・編集したレコードを外部のクラウドストレージサービスにCSVファイル、Excelファイル、またはGoogleスプレッドシートとして出力することができます。

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参照:https://docs.krew.mescius.jp/krewdata/#external_file_io.html(外部サイトに遷移します)

プラグインの使用例(入金伝票インポートデータの作成) 

krewDataを使った入金処理のフローを紹介します。 

1.kintoneアプリへの入金情報入力 
振込や電子債権での入金を確認後、入金管理アプリに入力します。(詳細は割愛しますがこちらもkrewDataを使って自動で入力) 

2.krewDataのフローを実行 
入金インポートデータ作成フローを実行し、OneDriveにCSVが自動保存されます。 

3.PCAクラウドでデータインポート 
PCAクラウドの入金データ受け入れ画面からCSVファイルをインポートすると、入金伝票に反映されます。

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krewDataのまとめ 

同様にして、勤怠管理でも勤怠に関する各種データをkrewDataで作成し、給与計算ソフトにインポートするCSVファイルを作成し、OneDriveに保存します。 
そして給与計算ソフトでそのCSVをインポートすることで給与計算業務も効率化しました。 

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その他にも、 
・kintoneで会計(仕訳)データを作成しPCA会計でインポート
・新入社員の情報を加工しPCA給与で従業員マスタにインポート
・kintoneで管理する売上などの各種データとPCA会計の会計データを月次決算で突合
などそれまで手作業やエクセルでの処理が必要だったものをkrewDataで効率化を実現しています。

・krewDataの詳細はこちら

まとめ 


PCAクラウド連携プラグイン for キントーンとkrewDataを活用することで、以下のような課題を解決し、業務効率を大幅に向上させることができました。 

・伝票やマスタの二重管理を解消 
・入金や勤怠データなどの手入力やエクセル加工の手間を削減 
・kintoneとPCAクラウド間のデータ連携をほぼ完全に実現
さらに、これらの業務の大半をクラウド化することで、リモートワーク環境でもスムーズに作業を進めることが可能になり、経理業務の働き方に大きな変革をもたらしました。 
経理業務の効率化やデジタル化を目指している方には、今回ご紹介したkintoneとPCAクラウドの連携事例が少しでもお役に立てば幸いです。

喜田さんありがとうございました!

今回のおすすめプラグイン・連携サービス紹介はいかがでしたか?

PCAクラウドユーザーは必見の内容でしたね! 
1つのプラグインだけではなく、2つを駆使することによって業務の効率化・デジタル化を実現した素晴らしい事例のご紹介でした✨ 

今回執筆してくださった喜田さんについてもっと知りたい方はぜひ、kintone エバンジェリスト公式HPのプロフィールから、発信媒体などをチェックしてみてくださいね!  
 
▽kintone エバンジェリスト 公式HP 喜田さん個人ページ
https://www.kintone-eva.cybozu.co.jp/kita-kodai


それでは、次回のおすすめ記事もお楽しみに!  

※本記事は2025年1月時点での内容で執筆しています。
最新の情報はkintoneプラグイン・連携サービスページ内から、各プラグイン・連携サービス詳細ページご覧ください