【製造業】 kinotne × AI 活用ユースケース

【製造業】 kinotne × AI 活用ユースケース

kintone ユーザーにおいて製造業のお客様の割合は常に上位を争っています。

サプライチェーンから製造、販売まで業務内容が多岐にわたる製造業において、kintone と AI を組み合わせて活用することで更に強力に業務改善を推進することが可能となります。

今回は、製造業でのよくある課題に対して kintone × AI による解決策を具体的な活用例でご紹介します!

1. 時期による売上の変動に対応できない

売上は時期によって変動することがよくあります。売上の変動が正確に予測できれば、在庫量や従業員のシフトの調整をはじめ、その他経営判断の有力な材料になり得ます。しかしながら変動を予測して対応するためには、長年の経験による勘を活用している場合が多いのではないでしょうか?

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実績データを用いて「AI-Hawk」で予測推論し将来の売上予測金額を算出

そこで kintone にゼンク社の「AI-Hawk」を組み合わせて売上予測アプリを構築することで、 kintone 内の様々な過去データを横断分析し時期ごとの売上を予測、そこから適切な打ち手を展開/管理することが可能となります。
                   
これまでの営業活動のデータが kintone にしっかりと蓄積されているからこそ、 AI の力を最大限に発揮することができます。

2. 適切な在庫量がわからない

製造業にとって、顧客の需要に対して適切に供給することは至上命題であり、在庫不足で出荷できず販売の機会損失の発生は最も避けるべき状況です。一方で在庫を抱えすぎてしまうと棚卸資産が増加し財務状況を逼迫させ、また不良資産にも繋がります。在庫量を適切に保つことが製造業にとっての競争力の源泉となりますが、販売と生産をバランスさせていくことはまさに職人技でノウハウが属人化しがちな業務です。


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曜日ごとの実績数量と天候実績のデータを蓄積し
「AIntone+」で予測推論を掛けることで未来の需要を算出

そこでシステムズナカシマ社の「AIntone+」プラグインを kintone に組み込むことで、例えば天候によって需要が左右される製品、および原材料の在庫管理を、過去の天候データと製造データを学習させることにより、天気予報データから未来の需要を予測推論し原材料使用量および製品の製造量を予測することが可能となります。

適切なデータを kintone で管理しそれを AI によって活用することで、 kintone は現場の業務改善にとどまらず企業全体の営業利益向上に寄与することができるようになります。

3. 製品の品質管理が大変

製造業にとって、品質は命です。安定して高品質な製品を製造するためには高度な品質管理が必要で、企業努力やノウハウが詰まっています。現場のふたを開けてみると、この道一筋のベテラン作業員が職人技で品質管理しているケースも多々あり、属人化した状況は持続可能とは言えず、リスクがある状態ともいえます。

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製造品を画像解析し品質異常を検知

そこで Anthropic Claude 3 Sonnet の AI 画像解析を kintone と組み合わせてアプリを構築することで、製造品の写真を読み込ませるだけで異常を検知することができ、高度な品質管理を実現することが可能となります。
品質に問題がない記録が kintone に蓄積されていると、顧客監査や ISO 審査で提示できるトレーサビリティのあるエビデンスとなります。異常発生時に関連データを参照し対策アクションを管理することは kintone の得意とする分野でもあり、品質管理において kintone と AI は非常に相性が良い活用といえます。

4. 現場の安全性をどう保つか?

ものづくりを担う製造現場には危険がたくさん潜んでおり、製造業にとって現場作業員の安全は何よりも優先すべき事項です。1件の重大事故を引き起こさない為、日常に潜む小さな異常(ヒヤリハット)を組織内で共有し、事案を分析しその対策を練っておくことが重要ではありますが、非常に工数が掛かる作業であることもまた事実です。

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登録されたヒヤリハットを元に「Smart at AI for
kintone Powered by GPT」で安全対策案を生成

そこで M-SOLUTIONS 社の「Smart at AI for kintone Powered by GPT 」プラグインを kintone に組み込むことで、現場から収集したヒヤリハットを kintone のアプリに入力するだけで内容を自動分析し、対策案を生成させることができます。ここで生成された内容を抜け漏れチェックに利用したり、その内容をもとに関係者でディスカッションしたりすることで、安全への意識を高めることが可能となります。また、過去に登録されたヒヤリハットや事故事例を学習させ、AIによる安全対策の提案を生成することも現場の事故防止に役立つでしょう。

日々 kintone に入力されているデータを基にAIによって新たなアイディアを生成することで、kintone をより創造的な業務を行うための基盤として活用することができます。

5. 契約書のチェック漏れが心配

契約書の管理は、製造業においても重要な業務の一つです。しかし、複雑で多岐にわたる契約内容をチェックするためには、専門的な法律知識が必要となります。多くの企業では社内外の専門家へ都度依頼が必要となりますが、高額なコストと一定の時間がかかることからビジネスのスピード感を損なうことがあります。

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契約書内容に対し、留意事項を加味してフィードバック
 
そこでノベルワークス社の「AI ソリューション開発」によって kintone と AI を組み合わせたアプリを構築することで、専門知識を要求される契約書の内容を自動で解析し、重要な項目や矛盾する内容を検出できます。 AI が契約書を精査し、その結果を kintone で管理することで、リスクの低減と業務の効率化を実現します。

AI を組み合わせてチェックし締結した契約書を kintone で一元管理することで、契約状況の把握や更新作業が容易となり、またリスク管理の向上にも寄与します。

おわりに

いかがでしたでしょうか?

様々な業務がある製造業で kintone を用いて業務を行うする際に、 AI を組合せるとさらに大きなカイゼン効果を生めそうでワクワクしますよね!

kintone × AI についてもっと知りたい方は、『AIを組み合わせて kintone の活用の幅をさらに広げよう! kintone × AI の関連情報をまとめてご紹介!』をチェックしてください!


※本記事は2024年4月時点での内容で執筆しています。
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