kintoneヘビーユーザーだから生まれた連携サービス。かんたんシンプルで誰でも使えることだけを強く意識したモノづくり

kintoneヘビーユーザーだから生まれた連携サービス。かんたんシンプルで誰でも使えることだけを強く意識したモノづくり

サイボウズオフィシャルパートナーのサイボウズビジネスの活動や連携サービスをさまざまな角度から評価する制度「CyPN Report(Cybozu Partner Network Report)」。今回は、2022年のプロダクト部門において最高評価の3つ星評価を獲得した「フォームブリッジ」「プリントクリエイター」「kViewer」を提供する、トヨクモ株式会社 さまをインタビュー。 代表取締役社長 山本 裕次氏および取締役 マーケティング本部長田里 友彦氏に、受賞の感想や受賞製品の特徴、今後の取り組みなどについて詳しくお聞きしました

3つのサービスが最高評価の3つ星を獲得

プロダクト部門にて3つのサービスが最高評価の3つ星を獲得されました。受賞された感想からお聞かせください。

山本:普段の活動のなかでは、周りからどのように評価いただけているのか判断することは正直難しいことも多いのが事実です。今回賞をいただいたことで、我々にとっても安心感につながりますし、我々が目指していることが形になっていっていることが実感できました。今後もサイボウズおよびお客さまといい関係を続けていきたいと思っています。

toyokumo_yamamoto.jpg代表取締役社長 山本 裕次さん

田里:受賞できたことは正直ありがたいことで、とてもうれしい限りです。サイボウズスタートアップスという、サイボウズの子会社として事業をスタートし、MBOによって今のトヨクモになりましたが、まだ我々や製品をご存じない方も多くいるはず。賞をいただけたことはもちろんですが、我々が目指してきたものが1つずつ花開いてきたことの証でもあると感じています。

toyokumo_tasato.jpg取締役 マーケティング本部長 田里 友彦さん

受賞された「フォームブリッジ」「プリントクリエイター」「kViewer」について、それぞれ特長を教えてください。シンプルな機能ながら、汎用性の高いソリューションですね。私も事例先で導入しているという声をよく聞きます。

田里:kintoneユーザー以外の方からのレコード登録を可能にするためのWebフォームを作成するのが「フォームブリッジ」で、アンケートや申し込みフォームなどでよくご利用いただいています。kintoneのレコード情報を元にPDF出力できるのが「プリントクリエイター」で、帳票デザインをグリッドで指定できるきめ細かさが受けています。そしてkintoneのレコード情報を外部公開できる連携サービスが「kViewer」で、レコード一覧や詳細はもちろん、カレンダーやグラフ形式で表示させることもできます。

受賞したことで周りからの反響はいかがですか。

田里:今回の受賞に関しては、多くのパートナーがいるなかでメリハリをつけていただけたという意味で我々にとってありがたいことですが、お客さまにとってもいい部分が多いのではないでしょうか。おそらく200を超えるパートナーが存在しており、全てが横並びに見えると選びにくい場面もあるはずです。客観的な立場からきちんと評価をいただくことは、お客さまのソリューション選びにもメリットがあることでしょう。

今回受賞につながったポイントについてはどのようにお考えですか。

田里:我々のソリューションは、かんたんシンプルで誰にでも使えるようなことを強く意識しています。トライアルや購入したばかりのお客さまが迷わず初期設定でき、フォーム公開や請求書発行が負担なく実施できることに重きを置いています。新機能追加の時もこれから検討するユーザーが分かりにくくならないかを念頭においているため、マニュアルを見なくても使えたという声をTwitterやSNSで見ると、とてもうれしくなります。我々が目指していることが、お客さまに支持されたことにつながっているのかなと思っています。

サイボウズとビジネスを始める経緯

もともとサイボウズとの関係性が深いだけに、kintoneビジネスには初期から関わっていらっしゃいますよね。

山本:今回3つ星をいただいた「フォームブリッジ」の前身として、「フォームクリエイター」というソリューションを当初リリースしましたが、このあたりはサイボウズとの打ち合わせのなかでお客さまからの課題を聞いたことがきっかけです。kintone案件で解決できない課題があり、商談がなかなかクローズできないという話を伺う機会があり、ちょっと作ってみましょうというところからのスタートですね。kintoneビジネスを広げる可能性を確認するプロトタイプとして開発したというイメージです。ただし、リリースすると反響が大きく、十分ビジネスになりそうな体感を得たことで、他の連携サービス開発につながっていきました。

toyokumo_yamamoto2.jpg


フォームクリエイターは2012年の7月リリースというのが会社の沿革にありますので、今からもう10年前のソリューションになるわけですね。

山本:初代のフォームクリエイターは、当時kintone側のAPIがまだ整っていないことから、ある意味で無理やり作ったようなものでした(笑)。正直に言えば作り込みも浅く、拡張性に欠ける状態にありましたが、kintoneのAPIが整ってきた段階で、お客さまのニーズに合わせて作り変えたのがフォームブリッジになっています。

当時から御社のようにパートナーとしてkintone周りの連携サービスを作る企業は他にもいらっしゃったのでしょうか。

山本:当時からkintoneで帳票を作ることができるソリューションを出していた他のパートナーもいましたが、多少難しいという印象を受けていました。kintoneはサクっと触れるのに、帳票づくりに四苦八苦してしまってはkintoneの価値と合わない。もっとかんたんに直感的にkintone内のデータをそのままパッと表示できるようなサービスとして考え誕生したのが「プリントクリエイター」です。

kViewerについては、どのように誕生したのでしょうか。

山本:お客さまのニーズを聞くことも多いのですが、「kViewer」は自分たちで欲しい機能を作ってきたパターンです。以前から、障害情報やバージョンアップ履歴などの情報をWebサイトを更新する作業がとても手間がかかっていました。そこで、kintoneのなかに情報を入れたら外部に公開しているWebサイトの情報を簡単に更新できたらいいなと考えていたのです。自分たちがkintoneのヘビーユーザーだからこそ出てきたアイデアから作り始めたのが経緯です。うち以上にkintoneを全業務で使い倒している企業はなかなかないと思います(笑)。

今、他に考えているアイディアはありますか。

田里:最近では、フォームブリッジやkViewerで作成したフォームやビューにアクセスする際に、メールアドレスやソーシャルログインによる認証制限が可能になる「Toyokumo kintoneApp認証」を新たにリリースしています。数千や数万など、社外を含めたお客さまの会員全員と情報を共有するといったシーンにも、きちんと必要な人だけに情報を安全に共有する、きちんと認証を受けた人だけが編集できるといった機能となっています。

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外部との情報のやり取りを行うオープンな機能に対して、きちんと認証を経由することで、使い勝手はそのままに安全な環境を提供できるような機能なわけですね。

田里:おっしゃる通りで、これまで通りWebフォームが簡単に作成できたりkintone内の情報を簡単に外部公開できるようにしたりといったことは変わりません。使い勝手はそのままで、より広い世界に安全に情報共有していくための仕組みを新たに実装したわけです。おそらく多くのお客さまにとって用途の幅を広げていただけると思っています。

kintoneビジネスにおける苦労

kintoneについては、立ち上げ初期のころから関わっていらっしゃいますが、ビジネスにおいて苦労されたことはありますか。

田里:コロナ禍においては、ありがたいことに官公庁の皆さんにも活用いただくことも増えてきました。フォームブリッジを「ワクチン接種の申し込みフォーム」としてご利用いただいた際には、今まで想定していなかった規模の同時アクセスが発生したことで、想定外な状況に陥ったこともありました。

山本:特に昨今はkintone活用のシーンや利用人数の規模が変わってきたことで、新たなチャレンジをしているところです。例えば会場にいる来場者500名からフォームブリッジのWebフォームでアンケートを取るといった場面であれば、瞬間的に500件のアクセスが寄せられるといったことはこれまでもありました。しかし、ワクチン接種の申し込みフォームのような使い方だと、10万人規模のアクセスが発生するなんてことも。1分間に500ほどのアクセスが発生する世界とは全然物事の作り方が変わってきており、一斉にアクセスを受け付けてしまうとサーバがつぶれてしまうような事態に陥ってしまうわけです。
今まで以上に、より多くの人に使ってもらえるサービスになるよう、それ以上の負荷にも耐えられるようなつくりへの準備を進めています。

toyokumo_2.jpg

kintoneがより多くのシーンで使われてきているからこそだと思いますが、それは大きな環境変化ですね。

山本:我々からすると全くの想定外でした。そんな新しいマーケットに対してどうしていくのかを模索しているわけですが、例えばウェイティングルームを用意して最初にアクセスしたら"今何万人が待っています、あなたは何番目です"といった形で案内できるようにするなど、いろいろな手法を考えていく必要がある。次のステージの使い方も想定しながら作り直しをしているステップにあります。実はToyokumo kintoneApp認証もそんな流れの一環です。何万人がアクセスしてもサービスを落とさずに運用できるような世界観を意識しながら開発に取り組んでいます。ここ1~2年機能拡張をあまりしていないという印象をお持ちの方もいるかもしれませんが、インフラやセキュリティ面でもう一度再構築を行ってようやく今の形になって来ているのが現状です。

今後

kintoneに関するビジネスはもちろん、今後はどんなことにチャレンジしていきたいですか。

山本:先ほど話した通り、使われ方やシーンが従来とは大きく変化してきており、そこをどうしていくのかというのが悩ましいところです。機能要望がより大きなものになり、エンタープライズ化してきているのが実態です。現状のターゲットゾーンのお客さまにご満足いただきながら、どう工夫していくのかに取り組んでいきたいと考えています。

ちなみに、具体的にエンタープライズ機能はどんなものをイメージされていますか。

山本:一言でいえばログですね。監査や調査などの目的もそうですし、問い合わせのログを活用してマーケティングオートメーションにも活用できるなど、ログがトリガーになって次のビジネスを生み出すことになると思っています。

最後に、読者に対してコメントいただけますか。

山本:kintone活用もそうですが、今の業務においてはデータをどう使っていくのかは早ければ早いほどいい。全部がそろってから始めるのではなく、できることからすぐにやるべきで、その中から次に見えてくる世界が出てくることでしょう。まずは簡単なことから始めるというステップを踏んでいただきたいと思っています。トヨクモ製品も1か月使って駄目なら辞めたらいいわけで、それぐらい気軽に考えていただければと思います。

田里:システム化に向けては、どうしても躊躇してしまいがちですが、全体マップを書いてから始めようとすると、それだけで1年経過してしまう、なんてことも。kintoneであれば、まずは自分が作っている顧客リストや案件管理だけをクラウド化しようというところから始め、それを紐づけて関連レコードで行き来できるようにするといったステップアップでの開発が容易です。連携サービスについても、全体構造が決まってからというよりも、帳票だったら一回試してみよう、うまくいけばそこだけ効率化しようなど、今できそうなところから素早く始めてみてもらいたいですね。

かんたんシンプルで誰でも使えるトヨクモのkintone連携サービス

トヨクモさまのインタビューはいかがでしたか?トヨクモの連携サービスについてもっと詳しく知りたくなった方は、ぜひ以下の製品紹介ページをチェックしてみてください。

▼フォームブリッジ
kintoneに接続する高機能なwebフォーム、セキュアで柔軟に設定可能なフォーム作成サービス
formbridge

▼プリントクリエイター
簡単・シンプル・安価な帳票サービスです。「kintone連携サービス」でNo.1の契約数を誇ります。
printcreater

▼kViewer
kintone内の情報を、ライセンスを保有していない閲覧者・外部の方に公開するためのサービス
kviewer

(画像をクリックすると、kintone製品サイト内の各サービス紹介ページに遷移します)