脱Excelを実現する「krew」が全3製品で最高評価を獲得。高評価のワケは徹底的な顧客目線にあった
サイボウズオフィシャルパートナーのサイボウズビジネスの活動や連携サービスをさまざまな角度から評価する制度「CyPN Report(Cybozu Partner Network Report)」。
今回は、2022年のプロダクト部門において3つ星評価を獲得した「krewSheet」「krewData」「krewDashboard」を提供する、グレープシティ株式会社 エンタープライズソリューションズ事業部 製品企画部およびマーケティング部 部長 山崎 顕由氏、製品企画部 プロダクトマネージャ 加賀谷 耕平氏、およびマーケティング部 佐藤 ななえ氏に、受賞の感想やサイボウズとの取り組みについて詳しく聞きました。
krewはどのように誕生したのか?
プロダクト部門にて3つのサービスが最高評価の3つ星を獲得されました。まずは受賞された感想からお聞かせください。
山崎:今期からパートナープログラムが刷新されました。具体的な数値をもとに評価されることになり、意識して日々取り組んできましたので、評価いただけたのは素直に嬉しかったですね。
エンタープライズソリューションズ事業部 部長 山崎 顕由氏
加賀谷:パートナー評価制度という客観的な指標の中で、最高グレードの評価をいただくことができ、実感が増しているところです。我々がやってきたことは間違いではなかったと再認識でき、非常に喜ばしい受賞となりました。
製品企画部 プロダクトマネージャ 加賀谷 耕平氏
佐藤:私も嬉しいという気持ちが大きいですね。今日は我々3名が取材対応させていただいていますが、社内には営業やカスタマーサポートなど多くのメンバーがkrewシリーズに関わっており、みんなの努力が評価につながったと思っています。お客さまからも改めて評価いただけたことも、すごく感謝しているところです。
マーケティング部 佐藤 ななえ氏
2017年にkrewSheetが誕生しますが、どのような経緯から生まれたのでしょうか。
山崎:もともとExcelと互換性の高いライブラリとしてスプレッドシート型UI「SPREAD」を開発してきた経験から、Excelのような一覧表示や一括編集機能をkintoneに追加するkrewSheetのアイデアが生まれました。特にkintone自体が脱Excelを掲げていたことで、Excelのようにkintoneを使いたいというニーズに合致する部分は多いと考えたのです。
脱Excelを掲げたkintoneでExcelを使う、というのは少し矛盾しているような感じもします。
山崎:kintoneのなかでそのままExcelを使えるのではなく、kintoneの良さを生かしながら使い勝手をよくしたいという意図がありました。そのニュアンスを伝えるために"Excelライク"と表現しています。プロダクトを開発する際もその価値を社内に周知徹底させながら進めていきました。
最高評価を受賞したkrewシリーズとは?
ここで、今回受賞した3製品「krewSheet」「krewData」「krewDashboard」の特長について教えてください。
加賀谷:それぞれ一言で表現すると、Excelライクな操作感を実現する「krewSheet」、複数のアプリ間のデータを自動集計加工できる「krewData」、そしてkintoneのデータを豊富なグラフの機能で可視化・分析できる「krewDashboard」となります。
Excelライクな操作感を実現する「krewSheet」
複数のアプリ間のデータを自動集計加工できる「krewData」
kintoneのデータを豊富なグラフの機能で可視化・分析できる「krewDashboard」
今はどんな使われ方をされているお客さまが多い印象でしょうか。
佐藤:krewSheetが最初に登場したソリューションですが、今はkrewDataをお使いいただくお客さまが増えています。もちろん、krewSheetやkrewDashboardも多くのお客さまにご利用いただいていますが、krewDataは現状できていない部分を自動化する、ある意味で"0を1にする"ソリューション。いろいろなユースケースがあるため、多くのお客さまに導入いただいています。
私もユースケースをお聞きする際に、パートナー企業のなかにはkrewDataをデフォルトで提案しているといった話をよく聞きます。
加賀谷:krewDataの広がりは、kintoneの活用状況と関係していると考えています。導入当初はある程度コンパクトに使われていたkintoneが、活用が進むにつれてデータが集まる場所となります。そのデータを利活用したい企業が増えたため、krewDataの伸びにつながっていると推測しています。
ちなみに、krewシリーズはどのように名付けられたのでしょうか。
山崎:サイボウズは、「チームワークあふれる社会を創る」というビジョンを掲げていますが、そんなビジョンに我々もパートナー(仲間)として貢献したいという意味も込めて、仲間や乗組員を意味する「CREW」という英単語がその起源です。頭文字のcを(kintoneの)kに置き換えた造語としてkrewが誕生しました。コンパクトでみんなに呼んでもらいやすい名前を意識しました。
最初はkrewSheetが世に出ましたが、当初から3製品をリリースする計画が頭のなかにあり、シリーズとしてkrewに、それぞれの特長に合わせてSheetやData、Dashboardというネーミングをつけています。
便利なkrewシリーズですが、ビジネスにおいて苦労されたことはありますか。
佐藤: krewは自社のどんな課題解決につながるのか、業務改善できるソリューションなのかを伝えることが難しいです。私としてはこんな場面で使える、こんな改善に役立つといったアイデアが湧いて楽しいのですが、それをお客さまに共感いただいたり、ひらめくように支援できていないもどかしさがあります。
外から見ていると学びのコンテンツも色々出されていますし、分かりやすく機能が伝わるような発信をされている印象です。
佐藤:コンテンツづくりは力を入れてきた施策の1つです。krewSheetドリルやkrewDataドリルといったコンテンツで、お客さまがやりたい用途起点でアプローチできるよう、具体的な解決策を学んでいただけるようにしています。
krewに一番長く関わっている山崎さまのほうではいかがでしょうか。
山崎:楽しくやらせてもらっているので、そんなに苦労は感じませんが、良い評価の声を鵜呑みにし過ぎないように自分に言い聞かせています。「良い」という声をもらうのはありがたいのですが、それと業務課題を解決できることは全く違うもので、実際に課題解決につながっているかを見極めることを大事にしています。
というのも私が以前、別製品のプロダクトマネージャを担当していたとき、イベント会場でデモをお見せすると、分かりやすいUIがお客様に好評でデモ受けがいい。しかし、実際には使われないことが結構ありました。
そんな過去の反省から、krewに関しては、具体的なユースケースをきちんと解決できているか、高機能であってもカンタンな設定で実現できているかといった機能面の検証はもちろんのこと、製品のヘルプ1つとっても分かりやすく書かれているか、ちゃんと顧客目線になっているかといった細かなところも突き詰めるようにしています。
kintoneエコシステムの印象とは?
グレープシティの「kintoneエコシステム」への参入は老舗パートナーより数年あとだった印象がありますが、「kintoneエコシステム」についてどう考えていますか。
加賀谷:何よりもびっくりしたのは、kintone市場においてはパートナー同士が殺伐としていないことです(笑)。krewシリーズのプロダクトマネージャになる前に、他社のプロダクトでも同様の役割を経験しています。本来であればライバルとしてメラメラした空気感があるものですが、むしろパートナー同士でのコミュニケーションが活発で、意見交換も自然発生的に行われているのは、ある意味でカルチャーショックでした。
山崎:私から見れば"救い"でした。製品づくりや販売においても、とても助けられているというのが正直な気持ちです。老舗パートナーをはじめとした多くのステークホルダの方々からたくさんの情報をいただけますし、それが無かったら製品や市場の解像度が全然上がらなかったはず。本当に救われる場面が多かったと今でも思っています。
今後について
新たにチャレンジしてみたいことなど、今後についてはいかがでしょうか。
加賀谷:krewはまだ活用いただける余地はあると考えています。これまでやってこなかった連携等を進め、お客さまにとって価値ある製品を提供していきたいです。
佐藤:krewSheetドリルやkrewDataドリルといったコンテンツの提供は今後も継続してやっていきたい部分です。お客さまの声をもとに課題を見つけながら、コンテンツづくりに生かしたいと考えています。
また文字情報だけでなく、動画なども含めて理解が深まるようなコンテンツも企画しながら、IT部門の方、非IT部門の方、どちらにもkrewシリーズが分かりやすくなるような活動を進めていきたいと思います。
山崎:自分たちが持っているプロダクトを生かしながら、kintoneの余白を埋める仕組みづくりができればと考えています。今回三ツ星という評価をいただいたことで、改めて責任感を持ってチャレンジしなければと痛感していますし、krewとkintoneを組み合わせればカバーできると言ってもらえるようなサービス提供を取り組んでいきたいです。
最後に読者にメッセージをいただけますか。
加賀谷:最初は多機能過ぎて難しいと感じるかもしれませんが、まずはお試し版で触っていただきたいと思っています。
例えば予実管理においてkintoneで課題を感じているお客さまがいれば、一度でいいのでkrewをトライアルで触れていただきたい。そこから新たな発見もあるはずですし、私達からも学びのコンテンツなどで支援させていただきます。まずは触れていただいて第一歩を踏み出してもらえればと思います。
脱Excelの実現にはグレープシティ の「krew」シリーズがオススメ!
グレープシティ株式会社さまのインタビューはいかがでしたか?krewシリーズについてもっと詳しく知りたくなった方は、ぜひ以下の製品紹介ページをチェックしてみてください。
Excelライクな操作感を実現する「krewSheet」
複数のアプリ間のデータを自動集計加工できる「krewData」
kintoneのデータを豊富なグラフの機能で可視化・分析できる「krewDashboard」
(画像をクリックすると、kintone製品サイト内のkrewシリーズ紹介ページに遷移します)