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ゆうの森

事例から学ぶゆうの森 様

ゆうの森

【業務内容】
医療介護まで一体化した在宅専門クリニックの診療と過疎地域での診療所の運営
【利用用途】
多職種連携での情報共有を実現する患者さまの情報共有システム
  • 地域の医療と介護を一体運用し、
  • チームとして人の一生を支える包括ケアシステム

別々の時間に別々のスタッフがチームとして機能するために

人生の終わりをどこでむかえたいですか?

病院でしょうか
自宅でしょうか
そのとき延命処置はどうしたらいいのでしょうか

自分の人生は自分で決めたいものですが、現実には意外に難しいものです。万が一の場合、一刻を争う時、患者自身の意識はない場合も多いのです。
そこまで切迫した事態でなくても、例えばお医者さんとヘルパーさんが病気について違う認識であったり、入浴の可否一つでも本人と家族と関係者の意見が統一されていないことはそう珍しいことではありません。

身体機能が低下した人生の末期では、家族、医師、看護師、薬剤師、ケアマネージャー、介護士などさまざまな職種のスタッフがその人の生活を支えます。しかし、それぞれのスタッフは別々の時間にケアに行き、別々の法人に属していることも珍しくはありません。
迫り来る超高齢化社会の中で大きく課題になっている医療介護関係者の多職種連携、別々の時間に別々のスタッフがチームとして機能するために、クラウドを使った情報共有ツールがお役に立っています。

多職種での包括ケアの方針を統一し、
患者さんの立場に立ったケアを行う

ネット上のソフトで医療介護連携のツールを運用することの難しさ

「システムを使わずにとにかく頑張る、そういう医療が日本の医療だったんですね。だから、在宅医療はハードではなくソフト、良いスタッフを入れてしっかりとシステムを構築して質の高いサービスを提供する、しかもスタッフが疲弊しないような体制でですね。」 (理事長 永井 康徳様)

1. 患者を取り巻く多職種の関係者間での方針の統一

医療と介護はそれぞれ違う保険制度があり、対応するソフトも従来は別々であることが普通でした。

しかし、それでは違う時間に違うスタッフが患者を訪問して統一した方針でケアにあたることは難しいです。

医師からヘルパーまで抱え、一体運用で患者のケアを行っているゆうの森でも、医療と介護のシステムはそれぞれが専用のもの。この欠点を補うためにネット上の掲示板やMicrosoft Accessなどのソフトで医療介護連携のツールを運用していましたが、機能的には満足の行くものではありませんでした。

理事長 永井 康徳様

気の抜けない職場環境では、ベテランスタッフの個人技に負うところも大きい

2. 長時間労働になりがちな労働環境の改善と勤務外でも気を抜けないスタッフの負担軽減

患者のことをすべて引き受けるかかりつけ医は頼りになりますが、医師や看護師が24時間365日のサポートを1人で行うことは無理があります。夜中の呼び出しや休日でもいつ電話がかかってくるか気の抜けない職場環境では、ベテランスタッフの個人技に負うところも大きく、若い人を始めとする担い手も多くはありません。

すべての記録がいつでも見れれば、当番制によるチームでの対応が可能になります。

3. へき地の診療所における財政の健全化と24時間365日の医療サービスの提供の両立

へき地の診療所は多くが財政上の問題を抱えています。なり手が少ないため医師には高額の報酬や住居などの環境が必要で、それでも1人だけの配置であることがほとんど。これでは24時間365日の対応は難しい状況です。地方の多くのへき地の診療所は財政上の理由で閉鎖の危機にあります。

しかし、広域で患者情報の共有や当番制を導入できれば、これらの問題はクリアできる可能性があります。

kintoneによる患者情報共有ツールの導入で、
すべての関係者が方針、履歴、行動を共有

24時間365日の対応を実現するために

「簡単に作れて、使う側も簡単。うちは在宅医療なので、病院さんのシステムと違い、日頃の状態変化やご連絡、申し送り事項、誰が担当しているかとかそういうことを即座に見れるようにしたかった。そういう仕様にしてきたつもりです」(事務局 前島 啓二様)

1. 当番制と情報共有により労働環境の改善と統一された方針での医療介護連携を実現

それまでMicrosoft Accessで構築されていた院内における患者情報共有のシステムと、それを補完する患者の日々のケア記録の掲示板を2ヶ月間かけてkintoneで再構築。従来は院内でしか見ることができなかった患者を取り巻く診療記録やステークホルダーの状況、生活情報などが、アクセス権を与えられたスタッフがどこからでも見ることができるようになりました。また、日々のケア情報と患者情報も紐付いたため、緊急時に患者の診療履歴やステークホルダーの状況を過去に逆上って一覧することも可能になりました。

医師だけではなく、看護師、薬剤師、理学療法士、ケアマネージャー、ヘルパーなどすべての職種のスタッフが1箇所に情報を入力し、同じ方針を見てケアにあたることで、患者と家族が希望する方向性に沿った治療やケアが行えるようになったのです。

事務局 前島 啓二様

20を超えるアプリは運用に合わせてカスタマイズ

ゆうの森では20を超えるアプリが構築され、患者情報や関係者、関係機関の情報はもとより、診療情報、介護記録、投薬管理、日々の申し送りや過去の入院情報に至るまで、それぞれが連携するアプリケーションに情報が収められ、毎朝のミーティングではその情報を元に特に注意すべき患者の治療方針の議論を行ったり、夜勤の当番が重要度順で患者情報を確認できるようになっています。

また多職種間での申し送りをスムーズにするために、通知機能や期日を「忘れない」ボタンの設置など、運用に合わせたカスタマイズも行われました。

2. へき地の診療所と都市部のクリニックの一体運用で、都市部もへき地でも同レベルのサービス提供

ゆうの森の理事長である永井医師が以前勤務していた西予市の診療所が廃止の危機にさらされました。年間3000万の赤字が続き、市としての継続は難しいというのがその理由です。

へき地に医師を呼ぶには高額な報酬が必要で、それでも一人の医師では24時間365日のサポートはできず、昼間の診療に限られることから収入面でも厳しかったためです。

診療所の存続を願う住民の声を聞いた永井理事長は、現在松山市にあるクリニックと西予市の診療所を一体運用することで赤字を解消できるのではないかと考えました。

松山市と西予市明浜にある診療所は100kmの距離。医師は毎日日替わりの交代制で診療所に詰め、kintoneを使って患者情報を松山と一体化して24時間365日の運用体制を確立することで、在宅を始めとする包括ケアを行いながら財政を健全化できるのではと考え、この診療所の運営を引き継いだのです。

年間3000万の赤字が出ていた
へき地の診療所が4ヶ月で黒字転換

重い負担を背負わず持続可能なケアを提供できるモデルケース

「患者本位とか患者中心とかずっと言われていますけど、それが実現できていることは、病院の中では実はあまりないんじゃないのかと。本当に患者さんがどうしたいのか、ご家族がどうしたいのかというところをしっかりと受け止めて、それが叶えられるように最善の努力をするのが在宅医療の役割ではないかと思います。」(看護師 一井 美哉子様)

kintoneの中では、松山と西予市の俵津診療所の患者が一括で管理され、重要度順に表示されています。当番は何か急な連絡があった時でも、この画面からどこの患者さんでもすべての履歴と関係者を見ることができ、適切な対応を行うことができます。

また、朝のミーティングでは2つの拠点をテレビ会議で結び、注意すべき患者さんについてのカンファレンスが行われ、kintoneの画面を見ながら議論と方針の統一が図られています。医師だけではなく、看護師もケアマネージャーも薬剤師も理学療法士もヘルパーも同じレベルの情報を得て、統一した方針で質の高い医療や介護を提供できています。

この当番制と情報共有の組み合わせによる一体運用の結果、俵津診療所の収支はわずか4ヶ月で黒字に転換し、診療所の閉鎖の危機は回避されました。

看護師 一井 美哉子様

kintoneの画面を見ながら注意すべき患者さんへの対応を図る(写真上) どの立場のスタッフも同じレベルの情報を得る事ができる(写真下)

「それぞれの先生も、『ずっとそこにいなさい』というと『ちょっと』となるんですが、週に1日だと喜んで行ってくれます。何より地域に一つしかない診療所ですから、必要としてくれているんですよね。1200人の町で成り立てば、5000人の町でも1万人の町でも、もちろん10万人の町でも成り立つと思うんです。それを実証できたことは大きな意味があるかなと思っています。」(理事長 永井 康徳様)

高齢化社会を迎えるにあたって抱える様々な問題、医療と介護の連携、へき地医療の財政問題、リビング・ウィルなどは関わる全ての人たちの情報の共有がその解決の鍵を握ります。

患者さんとその家族、それだけではなく医療介護に関わるスタッフと地域のすべての人が重い負担を背負うことなく、持続可能な包括ケアを提供できる一つのモデルケースがここにあります。

kintoneの中で患者が一括管理されている事で、緊急時でも迅速に対応が可能となった

kintoneが生み出す医療と介護体制

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