横河レンタ・リース
- 【業務内容】
- レンタル事業、システム事業
- 【利用用途】
- 契約管理、問い合わせ管理、進捗管理、見積管理
サーバーをはじめとした IT 機器や計測器のレンタルを中心に事業展開している横河 レンタ・リース株式会社では、基幹システムの刷新に併せて以前から連携してきた IBM Notes(以下、Notes)のリプレースを計画し、新たな業務基盤として kintone を採用して いる。そんな同社が kintone 採用を決断した経緯について、執行役員 情報システムセンタ長 髙倉 敏行氏および同センタ システム開発運用部 第三課長 陣内 日佐子氏、同部 一課 早田 明雄氏にお話を伺った。
創立以来、事業の柱として掲げてきた『所有から利用へ』のコンセプトから30周年の節目を迎えた2017年は、IoT社会の本格到来に向け「『モノ』から『コト』へ」「『ハードウエア』から『ソフトウエア』・『サービス』へ」とコンセプト枠を拡大し『サービス創造、提供カンパニーへの変革』に舵を切った横河レンタ・リース株式会社。現在はIT機器や計測器のレンタル事業を基軸に、システム基盤設計・構築・保守まで行うシステム事業を展開。また高付加価値サービスとしてデータレスPC™ソリューションや資産管理BPOソリューションをはじめとする自社開発のクラウド型サービスを加えるなど、業界を問わない柔軟なソリューションを積極的に展開している。
そんな同社では、モノからサービス提供への事業展開とともに、自社のみならず他社がサービス提供する際に必要となる、機器の手配から管理に至るライフサイクルのスキーム提供などを事業戦略として掲げており、そのためにはベンチャーのようなスピード感を持ってITの活用を進めていく必要があった。「新たな事業を展開するためには、従来のスピード感やアーキテクチャでは対応が難しい場面も。同時に、システム刷新の時期を迎えていたこともあり、従来のオンプレミスで自社運用していく環境から“クラウドファースト”的なスタンスへと脱却していく必要があったのです。」と語るのはCIOである髙倉氏だ。
システム刷新として急務だったのが、System i(旧 AS/400)で構築されていた基幹システム部分であり、周辺業務として緊密に連携していた Notes の刷新だった。これまでの連携システムは管理者としての運用負担が大きく、課題が顕在化した状態だった。「キッティングに時間がかかるだけでなく、毎朝行う基幹システムとの連携バッチにも時間がかかり、業務に支障をきたすことがあった。」と Notes 運用を担当していた陣内氏は当時を振り返る。それでも、基幹システム以外の重要な業務が Notes 上で構築されていたこともあり、やむを得ず使い続けざるを得なかったという。しかし、基幹システムの刷新にあたって、いよいよ Notes マイグレーションを実行する必要がでてきたのだ。
新たな環境を模索する過程で髙倉氏の目に留まったのが、サイボウズが提供するkintoneだった。「エンドユーザーコンピューティングを可能にするものとして以前から注目していました。クラウドファーストを前提に考えると、Notesの移行先としてkintone以外は考えられなかった。」と髙倉氏。同時に、情報共有や業務効率化などITによる業務支援が十分にできていない環境を変えていくことも念頭に置いていたという。「現場の課題を拾い上げ、スピード感を持ってITで支援できるプラットフォームが必要だった。」と髙倉氏。また、基幹システムの刷新を待っていては、現場業務の効率化が進まない状況は避けたかったという。「ユーザーが必要とするアプリはすぐにでも改善できるよう、簡単に作って使い、いらなくなれば捨てればいい。そんなことができるプラットフォームが欲しかったのです。」
髙倉氏からkintoneを紹介された陣内氏は、「ユーザーがkintoneを触ってアプリを作っていく際にはこの仕組みで十分。」と評価したものの、クライアントサーバー型のNotesとはGUIで実装できることに違いがあり、当初は不安な面もあったという。「JavaScriptでカスタマイズできることは理解していたので、絶対に必要な業務要件を満たせるかどうか開発ディベロッパーに相談しました。そこで大丈夫というお墨付きをいただくことができた。」と陣内氏。実際には、基幹システムとの日次バッチが想定時間内に処理できるかどうか、既存の複雑なワークフローが再現できるかどうかといった業務要件を検討し、十分満たせることを確認したうえでkintone導入を決断することになる。
現在は、Notesで稼働していたおよそ100システムのうち、移行すべき重要な業務を棚卸したうえで10の業務をkintoneに移行している。Notesからのマイグレーションは製品選定から実装までを約10カ月という短期間のうちに終えており、Notesで行われていた業務のプロトタイプをkintoneにて作成し、その都度現場に確認、改善していく形でリリースしていった。具体的な業務としては、レンタル期間が終了するタイミングを迎えた契約情報を基幹システムからアプレッソが提供するデータ連携基盤「DataSpider」を経由してkintone側へ日次バッチで吸い上げ、契約終了の確認メールや通知後の見積依頼対応などさまざまな顧客対応履歴を管理する「期間満了Watcher」といった仕組みだ。他にも多岐にわたる業務にkintoneが活用されている。
Notesからkintoneに移行したことで、システム不具合の低減となり、頻繁に発生していたサービス停止の不安から解放され、機会損失の撲滅にもつなげることができているという。「将来的なバージョンアップに備えて、あえて作り込みしすぎないようにしていますが、それでも、問い合わせも大きなトラブルもなく業務が整然と流れています。」と陣内氏は評価する。また、汎用的に利用できる機能はプラグイン化しており、今後kintoneでアプリケーションを作成する際には開発期間や工数の削減につながることが期待されている。
今ではkintoneに関する勉強会を現場に向けて定期的に開催しており、業務改善のためのアプリを作成したいという声が上がってきているという。「ITの活用や生産性を向上させるなど、社員の意識改革につながっているのは、経営視点で考えると非常に重要。」と髙倉氏。まさに、エンドユーザーコンピューティングの実現が大きな潮流となっているのだ。すでに検証中のものも含めると300ものアプリがkintoneによって構築されており、これまでExcelで行ってきた修理ラインの受付や進捗管理にkintoneを活用するなど、ユーザー自身が業務改善を行う実例も出てきている。
当然ながらユーザー部門からの反響は大きい。「Excelやメール、紙で行ってきた業務がすべてクラウド上でわずか数分足らずでアプリケーション化できるわけです。しかもセキュアな形で実装できるため、現場にかなりの衝撃を与えているのは間違いない。」と陣内氏。他にも、kintoneというまったく新しい着眼点が増え、今までのやり方が無駄かどうかといった気付きにつながる点も大きいと髙倉氏は評価する。ユーザーコミュニティが広がっている点もkintoneのメリットとして見逃せないという。「先日サイボウズ主催のイベントに出席しましたが、新たな技術や使い方の知見を習得する機会が定期的にあるのはありがたい。」と陣内氏。
現状はkintoneによるNotesマイグレーションが完了し、これから数年かけて基幹システムの刷新を行っていく計画だが、kintoneをさらに活用していけるような環境にしていきたいと陣内氏は語る。また、基幹システムとの連携部分を担当している早田氏は「kintone 上の汎用的な機能についてはプラグイン化が進んでいますが、こうしたkintoneの最適化や用途拡大を支えるのがデータ連携基盤の役割。新たな要求に対して、いかに迅速にデリバリーしていくのかはとても重要です。今回のNotesマイグレーションで採用したDataSpiderとThunderbus、そして推し進めた開発標準は、スピード感を持った対応と安定したデータ連携を実現しています。」と語る。最後に、今でもExcelや紙を使った業務が現場に数多く残っているため、kintoneを業務のプラットフォームとして今まで以上に定着させていきたいと髙倉氏は強く語った。
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