矢内石油 様の導入事例

矢内石油

【業務内容】
燃料事業、住宅リフォーム事業
【利用用途】
顧客管理、問い合わせ管理、発注管理、請求書管理
  • 新規事業成功の原動力!kintoneを活用してリフォーム事業を立ち上げた創業60年のガソリンスタンド

 有限会社矢内石油は1956年に創業し、60年以上地元(人口5,000人の中島村)に密着してガスやガソリン、灯油などの燃料を供給してきた。2010年からは、一般家庭を対象としたリフォーム事業をスタートし、今では全体売上の4割を占めるまでの主力事業となっている。

 そんな急拡大の辣腕を振るったのが、今回取材させていただいた専務取締役の矢内哲氏。2009年に父親でもある社長の病をきっかけとして戻ってきた矢内氏だが、燃料供給事業の先行きに不安を感じ、kintoneを活用してリフォーム事業を立ち上げ。今回はkintoneを使ってどのように新規事業の立ち上げを行ったのかについて詳しいお話を伺った。

【課題】リフォーム事業が大幅に拡大!お客様対応の質を高めるため
    情報共有と業務改善を進めていきたい

 2009年当時「オール電化」や「ハイブリットカー」が世間で注目をあびるようになり、ガスやガソリンをメインとした現状の燃料供給事業の先行きに不安を感じていたという。そんな中、お客様からある相談を受け、そこからリフォーム事業を思いついたという。

「ガスの取引をしていたお客様から『足を伸ばして湯舟に入りたい』との相談がありました。専門外だったのですが、なんとか工面してお風呂を交換してあげたんです。そうしたところ、とてもお客様が喜んでくれたんです。ガスやガソリンなどの燃料はあって当たり前と思われているので、供給して感謝されるってことはほぼありません。そんな中、喜んでもらったというのは心理的に大きかったですね。リフォーム事業に取り組もうと決意した瞬間でした。」(矢内氏)

 事業を開始した当初は、ExcelとGmailで情報共有を行っていたのだが、事業の拡大にともなって社員が増えてくると限界に。そこで、サイボウズLiveを導入した。

「サイボウズLive導入後は、情報共有に関する課題はずいぶんと解決できました。ただ、サイボウズLiveだと数値管理や顧客情報の一元的な蓄積ができないのがネック。数値管理はExcelで行っていたのですが、これだと情報の二重登録や最新版のExcelが行方不明になるなどの問題が発生していました。」(矢内氏)

 矢内氏は、この二重登録をなくしたいと考え、新しいシステムを模索。まずは、サイボウズLive運営元のサイボウズが提供するkintoneを検証してみたという。

専務取締役 矢内哲氏

【導入】kintoneのサポートに電話しながら実際にアプリを作成
    情報共有と数値管理をワンストップでできることを実感

 矢内氏はkintoneの検証を行うにあたり、サイボウズのサポートセンターに電話し、導入相談を行ったとのこと。

「サイボウズLiveとExcelの運用状況、それに実現したいシステム構想をサポートの方に伝えると、『kintoneで「顧客リスト」と「案件管理」のアプリを作成し、ルックアップでつなげば実現できます』との返答がありました。そこから3日連続でサポートいただき、ベースとなるアプリが完成。初日だけで3時間近くサポートいただきましたが・・・(笑)」(矢内氏)

 自らアプリを作成したことで、kintoneであれば情報共有と数値管理がワンストップでできることを確信した矢内氏。導入は決めたものの社内への展開は慎重に行ったという。

「サイボウズLiveの使い勝手に慣れたばかりの社員に、突然『kintoneにするから』と言うと、波風が立つと考え『試しに2週間だけやろう!』と言いました。お試し開始後、2〜3日目に『ここがこうなったらいいですね』と社員からアプリ変更の要望があり、それに応えると社員からのkintone評価がうなぎのぼり。2週間の期限を待たずに満場一致でkintoneを導入することが決まりました。」(矢内氏)

 理想的なシステム導入エピソードだが、これはすでにサイボウズLiveとエクセルを運用し、課題が明確だった為と矢内氏は分析している。また、サポートの対応も大きな理由だったそう。「あの丁寧なサポートがなかったら、今頃kintoneを使い続けていなかったかもしれません。本当に助かりました。」と矢内氏は言う。

【効果】いつでも、どこからでも業務に必要な情報にアクセスできる
    ように業務フローも大幅に見直し、業務改善につなげる

 kintone導入後は、いつでも、どこからでも業務に必要な情報にアクセスできるようになり、大幅に業務効率が改善されたという。最近では、FAXの紙データもkintoneに集約し、営業マンが外出先からでも発注書の内容を確認できるようになった。これまでは店舗に電話して内勤の社員に手を止めて発注書のFAXを探してもらっていたが、そういった非効率な作業もなくなったという。

 また、日頃の業務フローも大幅に見直し、請求書の発行業務に関しては、大幅な改善を行うことができたという。

「以前の請求書発行は営業マンが行っていて、回収業務も兼務していました。そうすると、発行が遅れたりミスが起きるんです。そこで、kintoneアプリで請求金額の確定だけ営業マンが行い、あとの工程はプロセス管理などで内勤の社員に通知が飛ぶようにしたんです。通知を受けた社員が請求書を作って郵送するように業務を切り分けたところ発行遅れやミスは激減しました。」(矢内氏)

 さらに、電話受付業務もkintoneと連携するCTIシステムを導入し、業務を改善した。電話が鳴ると電話主の顧客情報にアクセスできるボタンが現れ、電話をかけてきたお客様のレコード情報が表示されるようなった。これにより、お客様と初見の社員でも素早く問い合わせ対応できるようになり、担当営業に確認して折り返すという無駄な業務が激減したという。他にも様々なアプリを作成し、現在は40〜50個のアプリが稼働している。

図3.png

<矢内石油で運用中のアプリ(一例)>

 今後の展望について「最終的にこのエリアで住生活にかかわることでは何でも相談していただける存在になりたいと思っています。」と矢内氏。現在は、リフォーム領域だが、ゆくゆくは新築や中古住宅の販売業務も手がけていきたいとのこと。kintoneを活用し、地元密着のサービスを幅広く拡大する矢内石油の活躍に今後も目が離せない。