ヤマウチ 様の導入事例

ヤマウチ

【業務内容】
実店舗運営、インターネット通販、加工品の生産
【利用用途】
法人顧客の案件管理、ECサイトのコンテンツ管理、FAQ管理
  • 好調なEC事業を支えるkintone。アプリとスペースで情報共有のスピードをアップ

南三陸町で採れた海産物を使った生産加工品の生産、インターネット通販、鮮魚店の運営を行っている株式会社ヤマウチ。
 
南三陸町で上がるものを原料として使い、「保存料や添加物を全く使わず生産加工品を作る」という方針のもと、素材の旨みを引き出すものづくりをすることをモットーにしている。その結果、様々な生産加工品の賞を受賞してきた。
(http://www.yamauchi-f.com/company/history.html)
そんな同社で通販事業部の責任者を務める専務取締役の山内恭輔氏にお話を伺った。

震災で顧客データが流され、クラウド化を検討

東京でカメラマンをやっていた山内氏が2005年に戻って来て、通販事業部を立ち上げ、インターネット通販を開始した。 東北でECサイトをしている人が少なく、誰に聞けばいいかもわからず、ECサイトの経験もない中、山内氏が独学でECサイトを立ち上げたという。

現在のヒット商品は焼いた魚をパックしているもの。1日あたり10,000パックを製造している。(同社では熊本の震災の際にも被災地に10,000パックを送っている。) 2009年の第13回日本オンラインショッピング大賞にて、応募総数約1,000社の中から、最優秀小規模サイト賞を受賞。

「この頃から急に売り上げが伸び始めましたね。当時は自社サイトを含め、楽天、Yahoo、アマゾンなど6店舗を運営していましたが、売り上げの8割が自社サイトからだったことから、震災を機に自社サイト以外をやめ、一本化したんです。」と山内氏は振り返る。

売り上げは伸び続け、震災前の2010年の12月にピークを迎えた。ピーク時は夜中12時まで受注業務をしていたという。日々忙しく疲弊し始めたため、システムを変えようとしていた矢先に東日本大震災が起こる。

専務取締役 山内恭輔氏

当初の目的以外の用途にもkintoneを活用するように

震災により11万人の顧客データが流されてしまったことがきっかけで、Eコマースのクラウドの顧客管理システムを検討していたという。だが、見積りを取ったところ1,000万円弱かかると言われる中、以前からIT関連の相談をしていたコンサルタントの方からkintoneを勧められたそうだ。

「『これ自分でシステム作れるんですよ』と言われ驚きましたが、目の前でアプリを作ってくれたのを見て、その場で『契約します!』となりました(笑)」

案件のやり取りを記録した案件管理アプリ

ECサイトのコンテンツ管理アプリ。掲載後の効果も記録している。

同社は、ECサイトから商品を購入する個人だけでなく、商品を全国のスーパーなどに卸しているため法人も顧客となるが、BtoC、BtoBではそれぞれの顧客とのやりとりの形は異なってくるが、今ではBtoB, BtoCの両方にkintoneを使っているという。 BtoCについては、いかに早く的確に処理するかが大事になるが、そこでサイボウズのメールワイズとkintoneを連携しメールワイズの画面を中心に日々の業務を行っている。

顧客からの問い合わせに対する回答例をまとめたFAQアプリ

一方、BtoBは見積などのやりとりが長く続くため、どの会社にどの見積や条件を出したかといった、過去の履歴が大変重要になる。そこにはkintoneが向いているという。

「当初の目的としては、案件管理と業務の可視化でしたが、使っているうちに徐々にこれもできる、あれもできるとなり、アプリが増えていきました。今の主なkintoneの使い方は、BtoBでは顧客の案件管理、BtoC ではECサイトのコンテンツ管理、お客様への回答例をまとめたFAQ管理などですね。」

アプリ+スペース活用で情報共有のスピードが大幅にアップ

kintoneの導入により、当初の目的であった業務の可視化が実現できたという。 またkintoneの画面を見ながら会議をするようになり、辞めた人がいたとしてもkintoneの画面自体が引き継ぎになる点も導入して良かった点だ。

「今では、何をやるにもkintoneを使っていて、最初は私だけがアプリを作ってましたが、今では女性スタッフもドラッグアンドドロップでどんどんアプリを作っていたりします。今kintoneなくなったら困りますね(笑)」

また、今までパソコンを使ったことがなかったスタッフでもkintoneを使えているが、そんな年齢やITリテラシーの垣根を越える簡単さがとても良いと評価する。 さらに、アプリだけでなく、スペース上でのやりとりがとても役に立っているという。アプリだけを使っていた時と比べると、情報共有が倍近く早くなったと強調する。

スペースのトップはダッシュボードとして活用している。

スペースを使った日報によって社内の意思疎通を図っている

「使ってみるとわかりますが、なかなかkintoneの良さを言葉で伝えるのは難しいですよね。説明しづらい(笑)。使ってみないとわからないところが結構ありますよね。まだまだ色々使いたい。何かやろうとした時に、まずkintoneでとなっているが、たいていのことはkintoneで実現できると思ってます。」

また、売り上げが伸びているにも関わらず、残業ゼロを実現できているが、そこにはkintoneも一役買っていると評価いただいた。

チーム内の連絡もスペースを使って円滑に

今後は、仙台在住のクリエイターと契約をして動画の制作などを行う別会社を立ち上げるが、ゲストスペースを使って、外部スタッフとの制作進行管理のやりとりもkintoneで行いたいと考えているという。仙台市内にサテライトオフィスを借りて、本社と行き来するなど、リモートワークにも挑戦する。

最後に山内氏にとってkintoneとは何かを伺った。

「“商売の可能性を手助けしてくれるもの”ですね。自分でどんどんアプリを作れる。今まで何千万何百万もかけて作ってきたシステムが、簡単に変更できるなんて、とても革命的ですよね。」

田舎だからこそ、取り入れられるものはどんどん取り入れて、楽にしていきたいという山内氏のkintoneを使った活躍に、今後も注目していきたい。