スターフェスティバル
- 【業務内容】
- 法人・団体向けのお弁当・ケータリングのデリバリーサービスなど
- 【利用用途】
- 顧客管理・問い合わせ履歴・注文管理・販売管理など
法人・団体向けのお弁当・ケータリングのデリバリーサービス「ごちクル」、日替わりでオフィスフロアに様々なお弁当をデリバリーする「シャショクル」など「”ごちそう”をお届けするサービス」を提供するスターフェスティバル株式会社(以下、スターフェスティバル)。飲食店や製造工場などに対し、製造以外の部分にあたる「商品開発」「販売促進」「受注」「配達」の機能をすべて提供しており、おいしい料理をつくるノウハウを持つ外食産業のお弁当・お食事をこれまでよりも広く、たくさんの顧客に提供できる環境を実現している。
そんな同社では、過去に利用していたCRMシステムをはじめとした、社内に点在していた様々なツールやバラバラな情報をほぼ全て「kintone」に一本化することに成功した。その結果、散在していた情報を集めてミスや漏れを防ぎ、業務の効率化を実現しただけでなく大幅なコストカットにも成功している。
今回は「kintone」導入の背景や、実際の「kintone」活用方法についてWEB統括本部 IT戦略推進室 眞鍋氏、ごちクル事業部 原島氏、徳倉氏、シャショクル事業部 亀掛川氏、パートナー本部 運用管理部 千葉氏にお話を伺った。
kintone導入以前、スターフェスティバルでは顧客管理や各種カスタマー対応業務に「DynamicsCRM」、社内の連絡など各部署間のやり取りは「ChatWork」、その他「Excel」や各種SNSなど、複数のツールを並行して利用していた。中でも「ChatWork」においてはさまざまな業務に関わるコアな情報を多く取り扱っていたという。
チャット形式はコミュニケーションが取りやすく、社内でも便利に活用されていた。しかしチャットという性質上、1人にタスクを依頼することは容易だったが、複数メンバーが関わってくる案件などは全員が情報を正しく把握することが困難になったという。更に、案件がいくつも発生して並行して対応している場合には、徐々に情報の整理がしきれなくなっていった。
「チャットだけでなく、メールやSNSなど、それぞれの部署で色々なツールを使って情報管理をしていたので、必要な情報を後から追うのがとても大変でした。集計・分析をする時はチャットのログをたどってExcelにまとめてから行っていたのですが、だいたいこの作業に1時間ほどかかっていましたね。チャットなどでやり取りされた情報をまとめるために、データベースソフト「サイボウズ デヂエ※」を導入したのですが、スマートフォンから見られない、担当者へ任意の通知が送れないなどの欠点があり、集計業務以外の点では効率化は図れず、現場から不満も出ていました。」(IT戦略推進室 眞鍋氏)
また、以前利用していたCRMシステムにもさまざまな問題点があったという。表示が遅くスピーディーな対応がしづらい点や、レイアウトが見づらく操作性が悪い点などは現場からも不満の声が上がっていた。現場の声に合わせてちょっとしたカスタマイズをしたくても、外部のベンダーに依頼をして時間とコストをかけて変更をしなければならなかったという。
※サイボウズ デヂエとは、サイボウズが提供するWebデータベースソフトの名称です
社内に複数のツールが点在し情報の整理がし切れなくなっている現状や、簡単にカスタマイズすることができないCRMシステムなど、社内システムに対する問題はいち早く解決しなければいけない状態にあった。2015年、眞鍋氏がスターフェスティバルに入社したことをきっかけに、社内システムを一新するプロジェクトは大きく動き出した。
「システムの移行にあたって、さまざまなサービスを検討しました。なるべく安価に、カスタマイズの手間がかからず、スマートフォンなど外出先からも使えるようなクラウドサービスが理想でした。しかし価格が高すぎるものや、使い勝手が良くないもの、開発コストがかかるものなど、なかなか要件に合うサービスに出会えなかったのが正直なところです」(眞鍋氏)
いろいろなツールを検討する中でたまたま「kintone」を知り、30日間の無料お試しをしたのが導入のきっかけだったという。
「『kintone』は、スマートフォンでも簡単に使えるほか、現場でも簡単にカスタマイズできる点がとても良かったです。『デヂエ』ではできなかった通知機能もクリアしていましたし、これならやりたいことが実現できるかも、と思いました。しかし既存のCRMシステムに加えて新たに『kintone』を契約するとなると、さすがにコスト面が問題になりました。そこで『DynamicsCRM』や『デヂエ』など、社内に散在するツールをほぼ全て『kintone』にまとめることで大幅なコストダウンを実現できることを説明し、社内の承認を得ました」(眞鍋氏)
サイボウズから「kintone」の詳しい説明を受けたのが2015年6月。同年11月には「DynamicsCRM」のライセンス契約が切れることもあり、完全切り替え作業に向けて急ピッチで移行作業が進められた。
「データの移行作業の際には苦労もありました。何せ以前使っていたシステムには数年分の各種レコード十何万件とありましたからね。Excelで書き出して、CSVデータで読み込んで…といった作業を繰り返し行いました。ただ『kintone』のアプリ自体の設計は使いながらすぐに組み立てることができたので、その点はあまり苦労しませんでした。弊社は事業拡大のスピードも急速に進んでいるため、事業スピードにシステム開発が追いつかない…という事態だけは避けたかったのです。『kintone』はスピーディーに欲しいシステムを構築できるので、弊社にも合っているサービスだと思います」(眞鍋氏)
こうして、「kintone」との出会いから約5ヶ月という短期間で大規模なCRMシステムの完全移行を終えたのであった。
「kintone」導入後、今まで使われていた各システムの情報が「kintone」に移行され、CRMおよび各種カスタマー対応業務を中心にさまざまな事業部で「kintone」の活用が始まった。
スマートフォンから見た画面イメージ
中でも特に「kintone」の活用が進んでいるのは、以前「DynamicsCRM」を使っていたコールセンター部門だ。以前のシステムでは外部のベンダーに依頼をしなければカスタマイズができない点や、他システムとの併用で情報の登録に手間がかかる点など、さまざまな課題があったという。 しかし現在、担当の徳倉氏はシステム担当の眞鍋氏から特別な教育を受けずに自身で「kintone」のアプリを構築しているというから驚きだ。
「『kintone』は、直感的な操作で簡単に業務システムが作れるのが本当に便利だと思います。私はエンジニアでは無いのでプログラミングの知識は全くありませんが、『kintone』は必要なアプリを自分で作ったり、カスタマイズしたりして使っています。以前の『DynamicsCRM』は、ちょっとした項目追加やレイアウト変更をするのも自分たちではできなかったので、その点はとても助かっています」(ごちクル事業部 徳倉氏)
「システム担当者がシステムを作るのではなく、現場のメンバーが自分でシステムを作れるというのが『kintone』の大きな魅力ですね。まずは現場のメンバーが土台を作って、分からないところは私達に聞いたり、場合によってはAPIやJavaScriptを使ってカスタマイズしたりしています。私達の開発にかかっていた工数も、以前のシステムと比べて大幅に削減されました」(眞鍋氏)
また、同事業部の原島氏はkintoneの今後の活用について次のように語った。
「私たちの部署では、まだまだExcelで管理している情報もたくさんあります。ふとしたときに『あ、これkintoneで管理したいな』なんてつぶやくことも増えてきました。各支社との情報共有もExcelだと煩雑な部分があるので、早く脱却してkintoneに移行していきたいという気持ちがありますね」(ごちクル事業部 原島氏)
また、新規事業であるシャショクル事業部では以前の運用に比べて毎日の作業が3時間ほど削減されたという。
「『シャショクル』は新規事業だったので、システムの導入には慎重でした。そのため、立ち上げからしばらくは紙とExcelで売上などの情報を管理していました。例えば毎日のお弁当販売報告は、現場でお弁当を売っているスタッフが紙に販売数を記入します。その紙を社内に持ち帰り、Excelに転記する作業が毎日発生していました。たくさんの取引先がありますから、全ての作業時間を総計すると当時毎日3時間くらいのタスク量になっていたと思います」(亀掛川氏)
「kintone」導入後は、現場のスタッフがスマートフォンから直接販売報告を上げられるように、報告フローを大幅に見直した。
「今は販売報告を『kintone』でアプリ化して、お弁当を売っている現場からスマホで直接販売報告を登録してもらうようにしています。転記作業が無くなったので毎日かかっていた作業時間も減りましたが、同時に転記ミスも減らすことができたのは大きいメリットでしたね」(亀掛川氏)
製造パートナーなど、各パートナーとのやり取り・調整を行っているパートナー本部でも、さまざまな用途で「kintone」が使われている。トラブル管理や、オペレーターからの報告管理、サイトの修正依頼など、その用途は多岐にわたるという。
「以前はさまざまなツールを併用していたので、同じ情報を複数のツールに登録する作業が発生していました。しかしその運用だと登録ミスが無いように突合せの確認作業が発生していたのですが、今は『kintone』に1回登録するだけで済むようになったので、運用の手間が大幅に削減されました」(パートナー本部 千葉氏)
最後に「kintone」今後の活用について、眞鍋氏に展望を伺った。
「情報を格納する場所とフローは出来上がったので、今後は情報の精度を上げていきたいと思っています。CRMであれば、名寄せの精度を上げる、個人と企業との紐づけをできるようにするなどです。また店舗マスタはまだ導入したばかりで全ての情報を集められていないので、それらをうまく集約して効率よく管理できる仕組みを整備していきたいと思っています」(眞鍋氏)
今年で8期目を迎えた同社。まだまだ成長を続けていく裏側で「kintone」の活用も拡大し続けていくだろう。
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