ソフトバンク
- 【業務内容】
- 移動通信サービス、固定通信サービス、インターネット接続サービス
- 【利用用途】
- 携帯電話の端末開発に関わる情報を50社以上の複数企業間で共有するツール
移動通信サービス、固定通信サービス、インターネット接続サービスを提供するソフトバンク。ITを通じて人々のライフスタイルを革新することを目指して事業を展開するとともに、IoTやロボット、エネルギー等の分野でも事業を拡大している。
そんな同社の携帯電話の端末を開発する部門において、複数の取引先企業との企業間での情報共有のプラットフォームとしてkintoneを導入。
kintoneへの移行を担当した、プロダクト本部 開発統括部 開発推進部 開発オペレーション課の柴谷幸伸氏、髙橋章氏、笠松幸祐氏にお話を伺った。
同部門では、携帯電話の端末開発に関わる情報を複数企業・部門間で管理し、開発プロジェクトを効率的に進めるためのツールを提供している。 MVNOの台頭などの「市場の変化」や、国内のパートナー企業だけでなく、グローバルに展開するパートナー企業との開発案件の増加など「開発環境の変化」、IoT、AI、スマートロボットといった新たなデバイスの登場による「ソフトバンク自体の変化」など、同社のビジネスを取り巻く様々な変化が起こっている。
それらの変化に対して、“スピード”を持って対応していくことが同部門に求められている。 そのような大きな流れの中で、既存の専用ツールからのkintoneへの乗り換えを検討することになったという。
今までは環境の変化に対応するために、業務のプロセスやルールから先に変えて、ツールは後追いで変える形で対応して来た。 しかしそれだけでは昨今の変化への対応は難しく、プロセスとツールの両方を同時に変えられる体制を目指した。
「プロセスだけ先に変えてツールが追いついていないと、“ツールができるまでは手作業でやろう”となり、手間が発生したり、当該業務のツール化そのものを断念するケースもありました。大掛かりなツールだと要件定義から入り、リリースまで数ヶ月かかってしまいますが、kintoneなら1日でサンプルが作れてしまいます。サンプルを作って実際に使う人にまず見てもらえるところが良いですね。」(髙橋氏) 同社が大切にしている“スピード”にkintoneがフィットすることが導入の決め手となった。
また、既存のツールからの移行ということもあり、短期間で移行できる点もポイントとなったという。
「既存のツールからkintoneへの移行期間を短くできたことも大きかったです。まずは既存のツールで行っていた業務をkintoneに移し替えたのですが、移行期間はわずか3ヶ月でした。kintone上で同様の業務を行えるように開発を行ったことで、取引先のユーザーへのトレーニングも簡単な使い方の説明だけでスムーズに、混乱なくできました。」(笠松氏)
ツールを業務に合わせようとすると、細かい業務要件を満たす必要があり、そうするとどうしてもリッチなパッケージ、大掛かりなシステムが必要になってしまう。しかし、実際使うのは多くの機能のうちの一部分だけ、ということになりがちだ。必要な機能を追加開発していくタイプのkintoneは、そういった観点で同部門に求められることに合致していたという。
「これまでは、実際にツールを使うユーザーに「どんな機能が欲しいか」をヒアリングし、どのツールを採用するかを絞り、開発・導入を行う流れでした。導入後、実際に使ってみるとユーザーが欲しかったものとズレがあったこともあるのですが、kintoneの場合は先に完成イメージをユーザーに提示し、ユーザーの要望に合っているか、情報として足りているか、動きはどうかなどを詰められ、ユーザーの反応を見ながら、柔軟に改修や軌道修正ができるのが大きなメリットです。」と柴谷氏は語る。
さらに、kintoneのセキュリティ面(IP制限、クライアント認証)、バックアップ体制、連続稼働率の高さ、といった点も評価され採用に至った。
kintoneに移行したことでどのような変化があったのだろうか。
「kintoneは誰でも開発できるところがとても気に入っています。プログラミングの知識がなくても、極端なことを言うとクリックさえできれば簡単なアプリであれば作れてしまう。他のツールと比べるとkintoneは開発のハードルが圧倒的に低いですね。ツールの変更にあたって、いちいち社外に見積もりを取り、発注しなくても、内製でさっと作って対応できるようになりました。」と笠松氏は語る。
また、内製で対応できないような、kintoneのサービスに対するカスタマイズ要望についても、バージョンアップ計画の中で前向きに検討され、対応してもらえるところも気に入っているという。
最後に、今後のkintone活用の展望について伺った。
「これまでにやったことは、いかにスピーディーに混乱なく既存のツールからkintoneへ置き換えるかでした。細かい業務で言うとまだまだエクセルやメールベースで行われている業務がたくさんあり、kintoneを活用できるシーンはまだまだあります。今までにない新しい開発プロジェクトが発生するなど、部門に与えられるミッションも変わって来ていますので、いかにスピーディにツールとしての価値を提供していくか、に取り組んでいきたいです。」(柴谷氏)
現場の要望に応えようと自ら考えて、作れるkintoneは、現場にクリエイティブな雰囲気をもたらし、活力を与えるようだ。 kintoneを活用したさらなる活躍を期待したい。
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