清家石材工業
- 【業務内容】
- 建築石材工事・施工事業
- 【利用用途】
- 営業支援システム(顧客管理・案件管理)、社内稟議
建築物の外観・内観に用いられる石材の輸入から施工までを手がける株式会社清家石材工業。施工物件は、地元九州を中心に、個人宅から大型商業施設、駅ビルや警察署といった公共施設まで幅広い。
社内業務の効率化と顧客対応の質を高めるために「kintone」の導入を決め、この3月から運用がスタートする予定だ。導入の経緯と期待する効果について、代表取締役社長 清家 伸二 氏に伺った。
同社の営業や現場社員のコア業務は、ゼネコンをはじめとする顧客への対応である。請負業という性質上、突発的な対応を求められることも少なくないが、それに十分に応えられていないのが課題だった。
「お客様は弊社の担当者に、専門業者としてその場にいてほしい、困ったときにはすぐに対応してほしいと思っています。どうすれば少しでもお客様のところにいる時間を増やせるか、かつ限られた人数で実現するにはどうしたらいいのかと考えました。そして、新たなシステムを導入することで、業務上のムダを発見し取り除けるのではと考えました」(清家氏)
清家氏が着目したのは、社内業務の効率だった。会社に戻らないと社内システムにアクセスできず、外出後に業務処理のため帰社する社員が多くいた。特に社員間でのメールの量が莫大で、その処理に追われているのが、顧客対応に時間を割けない最大の理由になっていた。
それらを解決すべく相談したのが、北九州市で業務系ソリューションの提案を手がける株式会社インフォメックスである。そして、インフォメックス社より「kintone」の導入を含めた、システム刷新の提案がなされた。
インフォメックス社は、自社のシステムとして「kintone」を導入しており、運用中の環境を、清家氏や現場担当者に紹介したという。清家氏の目に「kintone」はどう写ったのだろうか。
「スマートフォンで使えること、自分たちの業務をそのまま載せ替えられることに魅力を感じましたね。また、社内文書の回覧はメールを使っているのですが、やりとりの数が多く、確認・保管・検索が困難になってきました。これを解決するツールとして『kintone』は使えるなと思いました」(清家氏)
営業支援システム(SFA)に関してはすでに他社製品を導入していたが、これを「kintone」に移行することにした。 「パッケージのSFA製品にはたくさんの機能がありますが、我々の業務には不要なものも多かったんです。そこで、基本的にはこれまで利用していた製品に準ずる形で、必要な機能のみを『kintone』上に再現してもらうことにしました。従来でも、案件や顧客ごとの情報は見ることができましたが、資料の添付や回覧履歴の確認ができる点が『kintone』のメリットだと思います」(清家氏)
こうして、同社の営業支援・社内文書回覧のシステムを「kintone」で開発することに決定した。その開発プロセス自体も、従来のシステムとは大きく異なる。 通常、システムの要件は開発初期に確定し、途中での変更は困難だ。さらに、実際の画面を確認できるのは開発の最終段階となり「イメージが違う」「使いづらい」とユーザーが感じるケースも少なくない。しかし、「kintone」を利用したシステム開発では、開発中でも画面を確認しながら仕様を変更できる。この柔軟性が大きなポイントとなった。 「営業や現場部門の責任者も打ち合わせに入り、実際に利用する画面を見てもらっています。意見を出し合い、自分たちで使いやすいように変えていけるので、彼らの反応も上々です」(清家氏)
また、インフォメックス社による構築の際、ユーザーに使いづらさを感じさせない工夫も行っている。その一つがJavaScriptでの画面カスタマイズだ。違和感なく利用できるよう、従来の社内文書の書式に合わせて、「kintone」の画面デザインのカスタマイズを行っている。 「kintone」の導入後も、個人のスケジュール管理と工程管理は別のシステムを使用するが、将来的には「kintone」とそれらのデータを連携させたワンストップのシステムを構築する計画だという。
取材の時点では、まだシステムの運用は始まっていないが、期待される効果について伺った。
今回構築したシステムでは、顧客から発注があると、案件のステータスが「受注」に変更され、営業担当者から現場担当者に打ち合わせの内容などの情報が引き継がれる。同時に、受注処理関連の社内文書が回覧でき、効率的な事務処理が実現する。承認ルートも自動的に処理されるため、大量かつ乱雑なメールをさばく必要はない。
しかも、スマートフォンで確認・決裁ができ、進行状況も可視化されるため、スピードの向上が期待できる。 「まずは社員間のメールが激減するでしょうから、それが見えるだけで社員は効果を感じてくれるのではないでしょうか。かなりのインパクトがあると思っています。これまで社内を向いていた作業が効率化されることで、よりお客様の対応へと注力できる体制にしていきたいですね」(清家氏)
同社では、昨年から新卒採用を始めている。「kintone」を使って社内業務を標準化しておくことで、教育コストを削減し、新入社員の即戦力化につながるのではないかと期待されている。 「新入社員は現場から経験を積むのですが、彼らに承認ルートや関連事項などを説明するといった教育にも活用できるでしょう」(清家氏)
事業の拡大を続けているが、今もなお「ただ目の前のお客様を満足させるだけ」と語る清家氏。そんな清家石材工業が築く石の文化は、日本全国へ、そして世界へ羽ばたいていく。
弊社では自社でkintoneアプリを運用しており、kintone上で業務改善を日々ルール化・仕組み化して利用しています。
今回、お客様へのご提案にあたっても、弊社で利用中のアプリケーションの一部をご確認頂きました。
実際の運用中の画面を見て頂くことで、より具体的なイメージと運用上の問題点、更なる業務改善ストーリーなど、運用しているからこそご提案できた点があったと考えています。
導入にあたっても弊社での修正作業とお客様での確認作業を短いサイクルで回しつつ、お客様と一緒に画面を見ながら協議を行い、お客様がイメージするものに、より近い形で実現できたと考えています。
導入した後は、お客様のビジネススピードの変化へ柔軟に対応できるよう、スタートアップ支援と称してお客様自身での修正作業が可能となるような 操作研修やサポートまで対応させて頂きました。
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