
西武ライオンズ
- 【業務内容】
- プロ野球事業や施設マネジメント事業
- 【利用用途】
- 顧客管理、案件管理、イベント管理


ベルーナドームを本拠地に、プロ野球事業や施設マネジメント事業を展開する株式会社西武ライオンズ。同社では、企業などへの営業活動を担う営業部を中心にCRM/SFA/MA/分析ツールなどの情報基盤を整備してきた。
実は以前からkintoneを導入していたが活用が定着せず、他システムも含め選定を進めたという。その結果、「kintoneを辞める」のではなく「kintoneでつくり直す」ことを選択。顧客管理や案件進捗、売上見込の予測といった営業管理の基盤をkintoneで再構築した。
こうした判断に至った背景を、営業部 部長 吉田康治氏と、同部アシスタントマネージャー(セールスサポートグループ)黒梅多嘉子氏に伺った。
埼玉西武ライオンズの運営を中心としたプロ野球事業やベルーナドームを活用した施設マネジメント事業を手掛けている株式会社西武ライオンズ。前身の西鉄時代を含めてパシフィック・リーグ優勝23回、日本シリーズ優勝13回など輝かしい実績を持つ球団を運営している。
そんな同社において、ベルーナドーム内に設置する広告看板やシーズンシートの販売などを行っているのが営業部コーポレートセールスグループだ。同グループでは、かつてはExcelを中心に顧客管理や案件管理などを行っていたが、属人的な運用から脱却するべく、kintoneで業務基盤を整備してきた。
しかし、吉田氏が営業部に異動してきた当時、同部でのkintone活用は十分とは言えなかった。たとえば、吉田氏が毎月行う月次報告書の作成では、必要な情報が一元管理されておらず、さまざまな場所から情報を集める必要があったため、作成に2日程度かかっていた。 また、案件状況を管理するはずのアプリも、長年の運用によって入力項目が増え続け、現場の入力負担が大きくなっていた。 その結果、単に見積を作ったり案件を立てたりするだけのツールとなり、肝心の進捗状況などが入力されなくなっていた。
吉田氏は当時の状況を「データの一元管理ができていなかったため、事実の把握に時間がかかるだけでなく、来月の数値がどうなるかという先読みもできない状況でした」と振り返る。

営業部 部長 吉田康治氏
このような状況を打破すべく、吉田氏が中心となって現場に課題をヒアリングし、新たな環境整備を進めることにした。そしてkintone以外のシステムも候補に上がる中、同社が選択したのはkintoneの再構築だった。
「他のシステムも検討しましたが、社内での内製化が難しかったり、現場メンバーには操作が難しかったりと課題がありました。また、1つのシステムでガチガチに作り込むことは柔軟性の面からも避けたいと考えていました。そこで顧客管理や案件管理の基盤として改めてkintoneを採用し、複数のシステムを連携させることで、期待した環境を整えることにしました」
と吉田氏。
黒梅氏も複数のシステムを比較する中で、kintoneの使いやすさやカスタマイズ性を改めて評価したと語る。
「他のシステムの色々なことができるという点は魅力的だったのですが、それを使いこなしていく自信はありませんでした。また、項目を手軽に変更できる自由度の高さもkintoneの強みだと感じました」
こうして同社はSFA/CRM領域を再構築するための業務プラットフォームとして、従来から使ってきたkintoneを改めて活用する決断に至ったのだ。

営業部アシスタントマネージャー(セールスサポートグループ) 黒梅多嘉子氏
現在は営業部を中心に60名ほどがkintoneを活用している。同社での活用の中心となるのが「活動履歴アプリ」と「案件管理アプリ」、そしてそれらを支える「顧客管理アプリ」だ。

同社ではWebフォームからの問い合わせがあると、まず「お問い合わせアプリ」に自動登録され、その情報を「顧客管理アプリ」へと転記することで顧客情報を蓄積している。そしてこの「顧客管理アプリ」を基盤に、「案件管理アプリ」や「活動履歴アプリ」などを連携させ営業活動を展開している。案件発生時には「案件管理アプリ」に情報を登録し、商談後は「活動履歴アプリ」への記録とあわせて、「案件管理アプリ」の進捗状況を更新する。以前は進捗状況を「○○%」という数値で管理していたが、担当者ごとに基準がばらつき、正確な売上予測が困難だった。そこで再構築のタイミングで、「初回提案」「2次提案」といった具体的なフェーズ管理へと変更。加えて不要な項目を削除し、現場メンバーの入力負担も軽減した。課題であった商談情報の欠損と正確性を改善したのだ。

そうして案件管理アプリに入力されたデータは、プラグインの「krewDashboard」と外部の分析ツールでリスト化・集計している。この連携もkintoneの再構築時に新たに実装したものだ。
「前日までの受注内容などはkrewDashboardでリスト化したうえで部内にメール配信しています。一方で、年間の売上など中長期スパンで可視化・分析したい場合には外部の分析ツールを活用しています」と吉田氏は説明する。必要な情報に応じて、リアルタイムな状況把握と多角的な分析を使い分けることで、的確な意思決定に役立てている。

さらに「案件管理アプリ」は帳票出力ができるプラグイン「オプロアーツ」でカスタマイズすることで、見積作成までシームレスに行えるようになっている。
また同社のビジネスにおいては、一般的なグッズだけでなく「ベルーナドーム内の看板」「試合日のイベントスペース」「シーズンシート」などの管理も欠かせない。こうしたプロ野球ならではの業務もkintoneで効率化している。
たとえば「試合日のイベントスペース」は限られたスペースやスケジュールを複数の部署間で調整する必要がある。以前は、紙の台帳やExcelで管理していたが、「台帳を持っている担当者」にしかリアルタイムの空き状況がわからず、ダブルブッキングのリスクや調整業務の煩雑さが課題となっていた。現在はイベントの内容などと合わせて開催場所をkintoneに登録することで、スペースの利用状況や空きスペースをかんたんに把握できるようになっている。

kintoneをベースにSFA/CRM領域を再構築したことで、以前は2日ほど要していた月次報告資料の作成が1時間足らずに短縮された。また、新たなメンバーでも業務に馴染みやすくなり、作業の平準化も進行。営業本来の業務に時間を割けるようになった結果、一人あたりの商談数は1.4倍に増加するなど、生産性向上という形でも成果が表れている。さらに、商談状況の可視化によって上長とのコミュニケーションが円滑になり、現場の活動レベルも向上。訪問件数などを月初に共有することで競争原理が働き、データ入力へのモチベーション向上にもつながっているという。
「導入当初よりメンバーは増えましたが、業務ルールが標準化されたことで、残業の削減などにつながりました。また情報を共有することの重要性を改めて認識できました。周囲を意識するようになったことは、組織としての大きな変化です」
と吉田氏は、導入による手応えを強調した。
営業部を中心にSFA/CRM領域の各種アプリを実装した次のステップとして、黒梅氏はkintoneのAI機能活用に期待を寄せている。「もっと便利にkintoneを活用していくためにも、まだ使いこなせていないAI機能をうまく取り入れていきたいです」あわせて、煩雑になりがちな社外とのメールコミュニケーションにおいても、kintoneのゲストスペースなどを活用した効率化を視野に入れている。
さらに吉田氏が見据えるのは、これまでの「課題解決」中心の活用から、「新たな付加価値」を生み出すフェーズへの移行だ。「感覚的に『新規獲得が上手い』と捉えていたメンバーの動きを数値化し、業務の最適化につなげていきたい。蓄積データの活用を深掘りし、kintoneの可能性をさらに広げていくつもりです」。
運用の課題を解消する“守りの再構築”を経て、次なるテーマは“価値を生む活用”。kintoneを“使う”から“使いこなす”へ――。データ起点の営業高度化に向け、西武ライオンズの挑戦は次のステージへ進もうとしている。

・krewDashboard(メシウス株式会社)
・オプロアーツ(株式会社オプロ)
※プラグイン・連携サービスはkintoneスタンダードコース以上でご利用いただけます
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