西武ライオンズ
- 【業務内容】
- プロ野球ビジネス全般(ホームゲームの興行、ドーム内での飲食・グッズ販売、テレビや雑誌などの放映権・肖像権の管理など)
- 【利用用途】
- 顧客管理、案件管理、請求管理、活動履歴
1979年より埼玉県所沢市を本拠地とする株式会社西武ライオンズ(以下ライオンズ)は、2008年1月1日にチーム名を「埼玉西武ライオンズ」と改め、 地域に根ざした球団として知られている。2007年、経営赤字、観客動員数の低迷に苦しんでいたライオンズだったが、球団を裏で支えるビジネスサイドの経営努力により、2013年には過去最高の観客動員数160万人を達成した。奇跡的ともいえるV字回復を成し遂げたライオンズだったが、一方の法人営業部では、顧客管理や案件管理の情報が全て個々の営業マンのExcelファイルのみで管理され、引き継ぎや売上集計、傾向分析などの点で未だ大きな課題を抱えていたという。そこで2013年にkintoneを導入したことにより、社内に散在した情報を一元化し、マネージャー陣の迅速な意思決定にも大きく貢献した。
今回は導入の経緯から活用のポイントについて、経営企画部 光岡氏、営業部 加藤氏、吉田氏にお話を伺った。
ライオンズでは2008年ごろから事業改革を進めていたが、2012年ごろにはある大きな課題に直面した。それは、法人営業部内での情報共有だ。当時、同営業部での顧客管理や案件管理は全て各自のパソコン内のExcelファイルのみで行われていたという。
「当時はExcelのリストに企業名と提案金額、成約確度のフラグぐらいしか情報が記載されていませんでした。上司が状況を把握するためには、都度メールで送られてくる情報を見るか、ミーティング時に口頭でヒアリングをするだけ。しかし、この方法だと重要なデータも一切ストックされず、いざデータが必要な時に探し当てるのが非常に困難で、迅速で適切な対応が取れずにいました」(加藤氏)
さらに、加藤氏はこう続ける。
「営業担当の異動の際の引き継ぎにおいても、商談履歴や顧客の細かいデータが十分に引き継げなかったという弊害もありました」(加藤氏)
また、同社の営業部は入社5年目未満のメンバーを中心に構成されているという。そのため、知識や経験が浅いメンバーも多く、顧客との商談履歴が蓄積されていない点や営業ノウハウの共有が仕組化されていないことも問題視していた。
こういった課題を解決するために、法人営業向けのSFAシステムを導入することになった。
サービスの選定を行う中で特に重視した点は、
・どんな営業担当者でも使いこなせる
・自分たちでシステム自体をカスタマイズできる
という2点だったという。
「一度システムを作っても、実際に運用してみると当初の想定と違ったり、営業施策の状況が変わったりして、導入後に設定を変更する必要が出てくる可能性が高いです。その際にできるだけコストをかけず、自分たちでカスタマイズできるようなシステムを求めていました。ベンダーさんにkintoneを提案してもらった時は実際に画面を見ながらその場でアプリを構築していったのですが、実画面を見て『これなら使いこなせそうだ』と感じました。ユーザーが自分たちで使いこなせるということは重要な要件だったのです」(光岡氏)
サービス選定の際にはサイボウズ以外のものをいくつか試したそうだが、現場の営業メンバーが設定変更をするのが難しかったという。
「kintoneはシステムの素人でも直感的に操作できて、簡単に設定変更ができるのでそこが導入の大きな決め手になりましたね」(光岡氏)
kintone導入後は「顧客情報」「担当者情報」「案件管理」「請求管理」など各情報ごとにアプリを作成し、内容を都度登録・修正をしてメンテナンスを行うようになった。kintoneは外出の多い営業メンバーもタブレット端末やスマートフォンから利用できるため、Excelに比べて情報をメンテナンスする手間や抜け漏れが削減されたという。
「基本情報のほかにも、取引先のキーマンの情報や、何処にどのような広告を出しているか、狙いや指向性、さらには息子さんが少年野球をやっている、など細かい情報まで記録していけるようになりました。こういった生の情報も蓄積できることは営業にとって非常に有益です。特に営業メンバーが異動や退職によって引き継ぎを行う際、このkintoneのアプリを見るだけで多くの重要な情報を引き継ぐことができます。引き継ぎの際に生じていた情報ロスは、格段に減ったように思いますね」(加藤氏)
また、今までは、同じ部内でも過去の商談履歴や営業ノウハウがなかなか共有できずにいたが、kintone導入後は過去に同様の案件をどう処理したか、すぐに検索できるようになった。その結果、若手営業マンの"営業ノウハウ共有"にもkintoneが役に立っているという。
さらに、多くの選手を抱えるライオンズならではの面白い活用法も伺った。
「選手の写真など、素材を管理するためのアプリもよく使われています。今まではカメラマンが撮影した膨大な量の写真データが、一括で共有のファイルサーバーにアップロードされていました。素材を使いたい時は、各自でファイルサーバーから写真を探していたので、営業マンによって使う写真素材がバラバラだったんです。 現在は広報部門が使って欲しい写真をあらかじめ数枚ピックアップしてkintoneに登録しているので、素材を探す手間が省けました」(吉田氏)
このように、現場のユーザーが自由にカスタマイズできるからこそ、自社の業務に合わせて自由にシステムを作り上げることができる。これはkintoneの大きな特長のひとつと言えるだろう。 ライオンズでは、今後さらにkintoneの活用の幅を広げることにも意欲的だ。
「今後は現在の請求書発行から更に一歩進んで、会計システムとkintoneのデータ連携も検討しています。現在は西武グループ共通の会計システムに再度入力しなおしていますが、kintoneのアプリからバッチ処理でデータ移行し、事務処理の負担を軽減させることが狙いです。ゆくゆくは、地域貢献活動を行うコミュニティーグループや、野球興行を行うボールパークグループなど、営業部以外の部署での課題解決にもkintoneを活用できたらと考えています」(光岡氏)
プロ野球ビジネスの裏側で、今後ますますkintoneの活躍が期待できそうだ。
担当部署:情報システム事業部
TEL:03-6659-7076
Mail:sp-info@uchida.co.jp
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