産経新聞社 様の導入事例

産経新聞社

【業務内容】
新聞、雑誌を中心としたメディア事業
【利用用途】
案件管理、予実管理、部門内コミュニケーション
  • 日々の営業業務の傍ら、わずか2ヶ月で部門のシステムを整備
  • 業務改善の結果、社内で評価され、表彰される

産経新聞、 サンケイスポーツ、夕刊フジといった新聞媒体の発行を中心に、雑誌媒体の発行やWEBサイトの運営を行っている産経新聞社。同社の中で収益部門の一つである営業局の業務は、時代とともに移り変わるメディアの形とともに変化し、多様な分野への対応が求められる。そのような状況の中立ち上がった、営業局の「業務改善プロジェクト」においてkintoneの採用が選択された。kintoneの導入を牽引した同プロジェクトの営業局営業第三部 主事 剱持麻衣子氏と、営業局開発一部 部次長 根本治朗氏にお話を伺った。

多くの人が、「情報の属人化」や「無駄な会議が多い」といった
不満を抱えながらも明るみに出てこなかった課題

産経新聞の新聞広告枠等を販売する収益部門の一翼を担う営業局。広告形態の多様化が進む近年では、広告スペースだけを販売するということが少なくなり、産経新聞というメディアの持つ価値を活かして収益をあげることがミッションとなる。

「コミュニケーションが多様化し、いわゆるメディアミックスやクロスメディアの広告展開を期待する広告主が増えてきたので、従来の新聞広告を販売する仕事に加え、雑誌広告やインターネット広告、イベントなどの立体的な企画など、仕事の幅が多岐に渡るようになりました。新聞広告の提案だけではなく、今はクライアントのニーズや課題解決に応える様々な提案を求められるため、企画書の本数が圧倒的に増えました。」(剱持氏)

営業局営業第三部 主事 剱持麻衣子氏

業務の多様化が進み多忙な中で、根本氏がヘッドとなり、各部署の中堅から若手社員で構成された「業務改善プロジェクト」が約2年前に立ち上がった。剱持氏は産経新聞社のグループ会社である産経デジタル社に出向していたことがあり、クラウドのシステム導入が進んでいた環境を見てきた経験があるため、産経新聞社に戻ってきた際にアナログ感に驚いたという。

「まだこんなことやってるの?数字の管理はまだエクセルなの?という驚きが業務改善プロジェクトを始めるきっかけの一つになりました。」(剱持氏)

そこで、まずは問題点を洗い出そうということになり、現場から生の声を吸い上げるためアンケートを取ったところ、ほとんどの局員から反響があり、多くの局員が不満を抱えながら、なんとかしたいと考えていたことがわかったという。

現場から集まった声

・情報が属人化している

  • →名刺は自分のフォルダに入れて管理。名刺が担当以外の他の人には共有されない
  • →前の担当者がやっていたことがわかりづらい(同局では数年単位で担当者が代わるケースが多い)
  • →過去の交渉の経緯や履歴がわかりづらい(エクセルで数字の動向を管理していた)


・無駄な会議が多い

  • →情報共有がシステマティックにできていないため、みんなで集まって会議で確認しないといけない
  • →会議が多く、長い

本業の営業業務のかたわらkintoneで業務システムを構築
わずか2ヶ月でほぼ全てのアプリが完成

kintone導入の前に、まずは会社のサーバーを整理し、フォルダの階層やネーミングのルールなど情報共有環境を整備したが、それでもできないところとして「計数管理」や「案件管理」などにおける『タテの情報の管理』と『情報の集約と分析』という課題が残ったという。

はじめは、アクセスで同局用にシステム開発か、WEBブラウザで使用できるアプリやシステムを独自に作ることを考えていたそうだ。

しかし、「勉強していく中で、独自のシステム開発ではなく、既製のクラウド型ツールを活用した方が良いのではないかと考えるようになりました。そこで、どんなクラウドサービスがあるのか、WEBなどで情報収集をしたり、いくつかのベンダーに話しを聞いたりしました。そんな中、クラウドエキスポのサイボウズブースでkintoneを知ったのです。」(剱持氏)

営業局開発一部 部次長 根本治朗氏

クラウドサービスについてはいくつか悩みもあったという。

一点目は、産経新聞社の営業業務は交渉先がクライアントだけでなく広告会社も交渉先となり、複層的である点が特殊であるため、画一的なシステムだと業務にそぐわず難しいということ。もう一点は、局員のITリテラシーにばらつきがあることから、なるべくわかりやすく誰でも簡単に使えるものがよいという点だ。

「クラウドサービスの多くはできあがっているものが多かったんです。そんな中でkintoneの“カスタマイズできる自由度の高さ”が決定のポイントになりました。」と剱持氏は語る。

またプロジェクトのヘッドを務めた根本氏は、「最終的には、4社程度のクラウドサービスに絞って、役員・局長など管理職に対してプレゼンを実施してもらいましたが、コストの面は大きかったです」と振り返る。 他社のクラウドサービスの場合は、初期の設定費用など初期投資が必要だったこともあり、初めから剱持氏がkintoneでアプリを作る前提で検討をしていたが、さらにサイボウズの営業のkintoneのデモを見て、「これなら自分でできる」と思ったという。

その結果、本業である営業業務をやりながらそのかたわらで、剱持氏がkintoneアプリを作り上げた。導入を決定してわずか2ヶ月あまりでほとんどのアプリが完成したという。これこそまさに“ファストシステム”と呼ばれるkintoneの特徴を活かした導入と言えるだろう。

また、自分でできるところ以外の高度なカスタマイズなどについてはサイボウズオフィシャルSIパートナーである株式会社ジョイゾーさんにお願いをしたが、こちらも発注から数ヶ月で完成した。

導入後のkintoneを局内に浸透させることにも力を入れた。

「それぞれのアプリの入力の仕方や使い方のポイントをまとめた営業局用のマニュアルを作って、できるだけ丁寧に説明することを心がけました。また、申請系のアプリを先に作ったのは良かったです。申請系のアプリは必要に駆られて使わざるをえないので。申請系のアプリでkintoneに慣れてもらったことで、申請系以外のアプリも使ってもらえるようになりました。」と剱持氏は振り返った。

案件情報に確度、過去の交渉の経緯などを一元管理
部門内のコミュニケーションの活性化にも貢献

kintone導入後は、案件管理アプリ、予実管理アプリ、名刺管理アプリが重宝しているそうだ。

中でも、顧客情報(広告主の顧客管理アプリと連動させている)、確度、広告の種類、交渉履歴などが管理できる案件管理アプリは、企画書も一緒に管理できるため、どんな企画が刺さったかなどもわかる点や、広告の掲載面の画像を添付できる点、失注した場合の理由も後から見てもわかる点がポイントとなっているという。また、案件管理アプリに営業メンバーが入力したデータを使って会議が行われるため、必ず入力するようになったとのこと。

またアプリだけではなく、チームメンバー同士のコミュニケーションが行える「スペース」の活用も盛んだという。中でも全局連絡のスペースは、新たに書き込みがあると、全局員に通知が飛ぶように設定している。

「kintone導入前はメールの一斉配信で連絡していましたが、メールの一斉配信の場合は、メンバーのリアクションがしづらいだけでなく、リアクションが一箇所にまとめて残らなかったのですが、kintoneのスペースでは役職の垣根を超えたリアクションもあったり、局内のコミュニケーションが活発になりましたね」(根本氏)

案件管理アプリの画面

活発なコミュニケーションが行われるスペース

さらに、新聞社の場合災害の発生など大きなニュースがあった際は、発行する紙面の変更、広告の取り止めや差し替えなども発生するが、熊本地震発生の際も土日の紙面変更の情報共有がkintoneでスムーズにできたという。「kintoneがなかったら電話連絡網などで対応することになっていたと思いますが、kintoneで一斉に情報共有できたのは本当に助かりました」と根本氏は強調する。

無事にkintoneが導入されたことを認められ、この業務改善プロジェクトは、社内表彰を受けたという。メディアという時代を牽引する存在の彼らのkintoneを使った今後の展開にも期待したい。

【この事例の販売パートナー】
株式会社ジョイゾー

サイボウズ オフィシャル SI パートナー
TEL:03-6458-4701
FAX:03-6458-4701
E-mail:cybozu@joyzo.co.jp

日本初の来店型定額制システム開発「システム39」や期間契約でのAPIを使ったカスタマイズ開発などkintone専業のシステム開発事業を展開しております。 「今回は、案件受注額の予算比を確度別に確認し効率的な目標管理を行うために時間がかかっていた予実集計をkintoneでリアルタイムに表示できるカスタマイズを行いました。」