リクルートキャリア 様の導入事例

リクルートキャリア

【業務内容】
社員募集領域における人材採用広告事業/斡旋事業/選考支援事業を展開。主なサービスは「リクナビ」「リクルートエージェント」「アントレnet」など
【利用用途】
新規事業のアイディア共有
  • 時間や場所を問わずにアイディアの種を共有し、チームでサービスへと磨き上げていく
  • 新規事業のアイディアを“他力本願”でブラッシュアップ
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「リクルート流リーンスタートアップ開発が実践できる『Leantone』とは?

新規事業のアイディア出しの方法は各人で千差万別

リクルートキャリアは、新卒向けの「リクナビ」、転職向けの「リクナビNEXT」「リクルートエージェント」、独立向けの「アントレnet」など、就職、転職など人生の転換点におけるサービスの提供を行っている。同社では、これらの既存ビジネスに加え、日常的に“働く”ことをサポートするための新しいサービス開発や事業開発を行っている。

kintoneを導入・活用している次世代プラットフォーム統括部 ユーザークロースグループは、まさにこうした新規事業の起ち上げや新サービスの開発をミッションとした部署である。同グループのkintoneご担当者は「メンバーが新規事業のアイディアを出す」→「グループ内でアイディアを磨いていく」→「ブラッシュアップされたアイディアを検証する」といった流れでkintoneを活用していると説明する。 kintone導入前から、事業の全体像を1枚のシートにまとめた「リーンキャンバス」を作成し、各人がアイディアを持ち寄ることが、新規事業起ち上げの第一歩というフェーズであった。

しかし「各人によってリーンキャンバスの深さが異なる」といった粒度のばらつきと、「アイディアが各人のフォルダで止まってしまい、ブラッシュアップされにくい」という点を課題として感じていたという。 粒度の異なるリーンキャンバスを会議に持ち寄るまで、他のスタッフのアイディアを知ることはできず、会議の場でようやく他のスタッフからのコメントを得て、次回会議までにブラッシュアップ…という流れだった。

しかしこの方法では、プロジェクトのスピード自体が停滞してしまう。 「思いついた時にアイディアを出し、他のスタッフが好きなタイミングで好きな場所からアイディアに対してコメントをし、プレゼンなどの決裁が必要な場の前にリーンキャンバスをブラッシュアップさせたい」という思いで、何か良いツールはないかと探している際に出会ったのがkintoneであった。

時間も場所も端末も問わずにアイディアを登録

アイディア出しもコメントも、好きなタイミングで行うためには、時間や場所、利用端末にとらわれずに活用できるサービスであることが第1の条件。さらに、開発者がいなくても項目の変更ができるなど、カスタマイズが容易で自由度が高い点も、ツール選択の大きなポイントであった。

また、新規事業に関するアイディアでもあり、事業開発手法にも関わることから、セキュリティ面も重視したという。 そんな中、同社の最寄り駅である東京駅でのプロモーション広告で目にしたのがkintoneであった。

当初のイメージとしては営業管理や日報管理などに使用する“管理ツール”といったイメージであったが、調べていくうちに「時間・場所・端末を選ばずに使える」「カスタマイズに自由度が高く容易」「サイボウズによる十分なセキュリティ体制」という、3つの条件を満たしているサービスがkintoneであることが分かった。ご担当者はリーンキャンバスの粒度を上げるために、質問に回答していくとキャンバスに反映されるようにしたいという構想を持っていた。kintoneは開発者の手を借りることなく、試行錯誤しながらブラッシュアップできることから、各スタッフの意見なども随時反映したシステムを構築できたという。

“他力本願”による質の向上を実感 コメント機能でスピーディーにアイディアをブラッシュアップ

では、kintoneによるリーンキャンバス共有のためのシステム(同社ではリーン・スタートアップとkintoneをかけて“Leantone”と呼称)を実際に使用しているユーザは、どのように感じているのだろうか? ご担当者は“他力本願”という表現を使い、kintoneの導入効果を説明した。

現在、各人が思いついたアイディアを、kintone上で「予算は?」「対象は?」「現状の課題は?」といった質問に回答する形でリーンキャンバスを作成し、そのリーンキャンバスはグループの各スタッフがいつでも閲覧できる環境になっている。アイディアを出す側も、他のスタッフのアイディアに対して意見や質問をする側も、通勤中の電車の中でスマホからというように、好きなタイミングでキャンバスを作成したり閲覧したり、コメントをつけることが可能だ。 実際に顔をあわせてのミーティングを行うことなく、自分の知らない観点によるアドバイスを参考に、随時リーンキャンバスをブラッシュアップできることで、kintone導入前よりもリーンキャンバスの質も上がり、プロジェクトのスピートもアップしたという

「kintoneで特に、魅力的だったのはコメント機能です。リーンキャンバスを見て一つひとつの案件にコメントを書き、それに答えたりすることができるので、時間をかけずにブラッシュアップができる。また、マルチデバイスに対応しているのも採用の理由です。スマートフォンでも使えるので、例えば電車の中でコメントを書いたり、またアイディアが思いついたら書き込んだりできます。いつでも、どこでも、手軽に使えるのがいいところです」(ご担当者)

また、他のスタッフのアイディアを見て、そこから別のアイディアがひらめいたというケースもあるという。このように各スタッフの知見を盛り込むことでアイディアをブラッシュアップしていける点を、いい意味での“他力本願”と評しているわけだ。 多くのアイディアの中には、途中で実現しないケースも当然のことながら生まれてくるという。しかし、「このアイディアはどこまで進めたのか」「検討を辞めたのはなぜか」といった検証過程も、別途kintoneのアプリで管理することで、事業を起ち上げ後の指標だけではない評価も可能としている。途中でストップしたアイディアでも、辞めた理由がクリアされれば、そこから再度スタートすることもできる体制になっているわけだ。

現在は新規事業のアイディアを出すという初期フェーズの検証にkintoneを活用しているが、今後は次のフェーズである開発の場にも活用の幅を広げていきたいという構想を持っているという。開発の過程をチームとして透明性を持って把握することで、「成功したサービスは、このように開発されたのか」という点が共有できることは、組織としての力の強化につながるという観点からである。 今後もLeantoneからどのようなサービスが生まれるのか、ぜひ注目していきたい。