パーソルキャリア 様の導入事例

パーソルキャリア

【業務内容】
労働者派遣事業、有料職業紹介事業など
【利用用途】
プロジェクト管理、ワークフロー、発注管理、ナレッジ共有
  • ITプロジェクトのサポートを担うIT統括部門で kintone 導入。高い閲覧性と簡略化されたワークフローで、プロジェクト進行がスムーズに!

パーソルキャリア株式会社は、転職サービス「DODA(デューダ)」やアルバイト求人情報サービス「an(アン)」などを手がける総合人材サービス会社だ。2017年7月1日に、株式会社インテリジェンスから『パーソルキャリア株式会社』へ商号変更した。
近年は、新規事業も積極的に展開しており、完全オファー型人材紹介サービス「MIIDAS(ミーダス)」や、リファラルリクルーティングのプラットホーム「MyRefer(マイリファー)」などを立て続けにリリース。「働くこと」に関わる新しいサービスを常に提供している。

今回 kintone を導入したのはIT統括部。同社のIT部門はBITA(Business IT Architect)と呼ばれ、システム開発やITサービスの運用保守などを担当しているが、IT統括部は各BITA部署のバックアップなどを行うポジション。kintone 導入に携わったIT統括部の廣泰介マネジャー、小菊裕之氏に話を聞いた。

ツールの散在やナレッジの属人化を解決し、ガバナンスを強化

総合人材サービスのリーディングカンパニーともいえる規模を誇るパーソルキャリア。IT統括部は、BITA部署に対してガバナンスを利かせる動きが求められる。そんな中で浮上した問題が、各種申請フローやツールの散在だった。

「システム開発や保守業務を進める上で、必要な間接業務がいろんな手段で実施されており、必要な事務手続きが終わらないまま開発がスタートしそうになることもありました(小菊氏)」

年間100件を超えるITプロジェクトを実施する同社の申請書類は、膨大なものとなる。導入前はメールフォーマットによる捺印申請、エクセルによる進行管理などで賄っていた。

「現場担当者の手間もそうですが、何よりBITA部署のガバナンスという観点からの改革が必要でした(廣氏)」

コーポレート本部 IT統括部 IT部 IT企画推進グループ マネジャー PMP 廣 泰介氏

もう一つの課題は、有益な知識が担当者やそのチームから外へ出ないことだった。同社は、ITに関する最新情報を収集するために、積極的に外部セミナー参加することを推奨している。また、数多くのプロジェクトを進める中で、ベンダから多くの提案を受ける。しかし、そうして得た情報は特定の担当者やチーム内で消費され、ひょっとしたら同じニーズがあるかもしれない他の担当者やチームには伝わっていなかった。

「kintone 導入の目的は、これらのナレッジを集約して一元管理し、シェアすること。それによって生産性を向上させるとともに、ガバナンス面も強化してくことでした(廣氏)」

プロジェクトに必要な申請書や進行表などの管理、共有、可視化を実現したオリジナルアプリ

kintone 導入後、同社が作成し、利用頻度の高い主なアプリは以下の3つ。

1.プロジェクト管理アプリ

ITプロジェクトの実績情報や振り返り、評価情報などを記載する。また、内部統制上の承認記録などを記入している。

2.IT審議アプリ

IT投資に関する稟議への付議申請ができるアプリ。BITA部門ではこのアプリの利用頻度が高く、従来であれば散在していた申請書類の一元管理を実現させた。

3.発注アプリ

稟議承認後、案件を発注するアプリ。

今までは、このようなフローをエクセルで管理し現場と共有していたため、データが重くなり、何より閲覧性に課題があった。年間100件ほどのシステム開発プロジェクトを抱える同部門。エクセルでは、数字を入力するところに文字列が入力されるなどのヒューマンエラーが起きていたという。また、承認された金額やかかったコスト、担当者、承認ステータスなどを一元管理し、誰もが手早くチェックできるようなシステムが求められた。

「kintone を導入したことで、現場が情報を更新し、それをリアルタイムで確認することが可能になりました。さらに、これらのアプリに、共通したプロジェクトナンバーを持たせました。現場担当者とガバナンス部署の双方が、一つのプロジェクトの情報を総合的かつ立体的に把握できるようになったのです(小菊氏)」

コーポレート本部 IT統括部 IT部 IT企画推進グループ 小菊 裕之氏

kintone による情報の可視化は、同部署にとって意義のあるものだったという。プロジェクトにまつわる審議や発注、さらには商談の記録が一元的に管理され、閲覧性が大きく向上した。 以前実施した、大規模な DODA のサイト改修プロジェクトでも、kintone で 10 個ほどのレコードを作ることによって滞りなく進行した。

「エクセルで管理していた時期と比べて一覧性がはるかに向上したため、入力ミスなども減少しました。また、手間のかかるメールのやり取りも減り、社員のワークフローは格段に簡略化されたと感じます。これにより、ナレッジや情報を組織全体で活用していこうとする土台ができつつあります(廣氏)」

「図書館アプリ」も面白い試みだ。これはBITA部署が管理する書籍を一覧できるアプリ。ユーザーが読了後のレビューを投稿することで、外部のサイトよりも遥かに臨場感のあるレビューが蓄積されている。

▼図書館アプリ一覧画面

▼図書館アプリ詳細画面

さらに、今後の展開として、kintone をつかったIT人材マネジメントを構想しているという。現在、各メンバのスキルレベルをエクセルで管理しているが、これを kintone に置き換え、部署ごとのスキルレベルをグラフィカルに可視化することで、採用や異動といった人事戦略に紐づけやすくなるという狙いだ。

情報が集まる管理部門こそ、kintone導入に適しているのではないか

「IT統括部がkintoneを導入して以降、他部署からの相談が多く寄せられるようになりました。多くのお金や人、ものなど、さまざまな情報を管理する部署には適しているのではないでしょうか(小菊氏)」

法務相談や支払管理、購買管理など、いわゆるバックオフィス部門では、さまざまな種類の細かな情報を数多く取り扱う必要がある。パーソルキャリアのような規模の会社になればなおさらだ。そうした膨大な情報を安全に管理し、迅速に出し入れするとなると kintone はぴったりだ。用途に合わせて作り変えられるカスタマイズ性や、誰でも直感的で簡単に操作できるユーザビリティも、大きな魅力だ。

「kintoneは総務部門でも活用できます。エクセルとシェアポイントで管理しているとどうしても記入漏れやチェック漏れがありがちです。例えば、ライセンスの期限の管理などにリマインド通知を駆使してチェック体制を整えると良いのでは(小菊氏)」

kintone は、二人にとって使いやすい相棒。標準的な業務ツールとして当たり前のように利用しているという。日々、あらゆる案件をこなすIT統括部では、「kintone を利用した業務」がもはやスタンダードとなっているのだ。(2017年取材)