kintone

メルカリ

事例から学ぶメルカリ 様

メルカリ

【業務内容】
フリマアプリ「メルカリ」による事業展開
【利用用途】
入社退社管理・各種申請業務
  • ・急成長を続ける企業のバックオフィス業務の基盤づくりに貢献
  • ・各種申請業務と抜け漏れを防ぐためのタスク管理を実現

「企業規模がそれほど大きくないころは、確かにメールのほうが早いことも。しかし、今後も企業が成長を続けていくためにはkintoneのような基盤が必要なのです」

 フリマアプリ「メルカリ」を提供する株式会社メルカリでは、メールやチャットツールなどさまざまな手段にて行われてきた各種申請の方法を統一し、対応内容を可視化できるタスク管理の仕組みを検討。急速に拡大する事業を裏方として強力に支援しているのが、サイボウズが提供するkintoneだ。そんなkintone導入の経緯について、PRグループ(総務担当)の田中 裕志氏にお話を伺った。

【課題】タスクの可視化や対応スピードが課題に

メールやSlackなど申請方法が異なるツールに分散

 国内最大のフリマアプリ「メルカリ」を運営している株式会社メルカリ。スマートフォンを利用して衣料品や雑貨、家電、チケットなどさまざまなカテゴリのモノを個人同士で売買できるフリマアプリが多くの人から支持を得ており、日本のみならず米国・英国にも拠点を展開、現在は日米通算で約7500万ダウンロード数を記録するまで成長している。1日あたり100万品以上も出品されるほど活況を呈しており、個人売買の新たなプラットフォームとして業界を強力にけん引する存在として注目されている。

 そんな同社では、いわゆる総務部の機能を担うコーポレートプランニンググループが入社退社時の手続き依頼や、名刺発注といった各種申請の窓口となっているが、申請するためのツールが複数に分散していたという。
「メールでの依頼はもちろん、Googleフォームで申請する内容もあれば、ビジネスチャットツールのSlackを利用して直接申請する内容も。申請フローがバラバラだっただけでなく、申請を受け付ける我々としても処理の抜け漏れが発生するなど、管理面での課題が顕在化していたのです」と語るのはPRグループにて総務を担当する田中氏だ。同グループへの申請方法を統一し、申請フローに沿って抜け漏れなく処理できる基盤が必要だったという。

PRグループ 田中 裕志氏

成長を続けるなかでメンバーとの情報共有も課題に

 また、急成長を続ける同社だけに、毎月10名以上の人材が入社してくる状況が続いており、アカウントの払い出しやPC手配など、業務をスタートさせるために必要な環境を準備する際にも抜け漏れなくスピーディーに管理するのは大変な作業だったという。多くの従業員からさまざまなツールで各種申請が寄せられる状況が続いており、申請状況の把握や作業進捗の確認だけでも大変な労力となっていたのだ。
「以前は1人でやっていた申請の受付も、従業員が増えることで業務量が増え、複数のメンバーと業務を進めるように。すると、何が用意できていないのか、どこまで承認プロセスが進んだのかといった周囲の状況も把握する必要が出てきたのです」と田中氏。属人化した方法から脱却し、情報共有しながら作業を進めていける環境が求められたのだ。

【導入】他部門での活用状況からkintoneを選択

開発経験がなくてもベースがあれば独自にシステム開発できる

 そこで田中氏が注目したのが、サイボウズが提供するkintoneだった。「以前から、経理部門がkintoneを採用して業務改善していることは知っていました。そこで実際に試してみることにしたのです」。社内から得た情報から、田中氏が抱える課題にkintoneが役立ちそうだという感覚は当初からあったという。
「まずは試しに始めてみるという柔軟性を持っているのがメルカリという企業です。クリティカルな情報を扱う法務や労務など部署によってはその限りではない場合もありますがが、全社的にスピード感を重視しています」。使ってみてうまくいかなければ、新しいものを検討すればいいという考えだったという。

システム開発の経験がなかった田中氏ではあるものの、まずは触ってみたところ「やりたいもののイメージをそのまま形として作ることができそう」と感じたという。実際には、先行して利用していた経理部門が作成したアプリをコピーし、フォームの構造やボタンの動きを確認することでkintoneの理解を進めていったという。
「社内で運用されていたアプリをベースに、自分で触りながら独学でアプリを作っていきました。確かに開発経験のない私がゼロから作るのは難しいかもしれませんが、原形となるアプリがあったからこそ、名前や承認プロセスの一部を変更するなど、既存環境に手を加えて簡単に開発することができたのです」と田中氏。結果として、田中氏が普段行う各種申請業務やタスク管理のための仕組みを運用するプラットフォームとして、kintoneが採用されることになる。

【効果】バックオフィスを支える基盤へと成長

各種申請承認業務やタスク管理に活用

 現在は入社や退社のタスクを管理するアプリをはじめ、名刺発注、備品発注など田中氏が手掛けるさまざまな申請承認業務にkintoneが活用されており、現在は50あまりのアプリが作成されている状況だ。ほぼ標準の仕組みで実装されているものの、代理申請時に自身の上長のみを自動表示させるといったプラグインを一部で活用している。

 入社管理を例に実際に使い方を見てみると、入社する人の情報を人事部門がkintone上に入力すると、今度は総務部門が本人へ入社に必要な情報をメールで送付、労務部門が社員IDを新たに発番するフローが動き出す。ID取得後には、事前の希望に沿った形で業務PCを総務部門が手配し、同時に社内システムに必要なアカウントを発行するといった流れだ。
「各部署のやるべきことがプロセスごとにタスクとして明記されており、タスク完了時にチェックしていくことで次のフローが動き出す形です。各部署でやるべきことが可視化され、抜け漏れを防ぎ、対応状況を可視化することができるようになりました」と田中氏は評価する。同様に退社管理の場合は、PCの返却やアカウント削除、ライセンス移管など、入社同様に退社時に必要なタスクがすべて列挙されている。タスク内容の確認はkintoneのスペース上に書き出したうえで各部署の担当者が確認を行い、問題なければアプリ上のタスクに落としていく運用だ。

入社管理アプリ

必要な情報はすべてkintone上に管理

 他にも、オフィス内にあるカフェスペースでイベントを開催する際には、空調の延長やドリンク手配の有無、誘導看板の設置などを総務部門に依頼する会場設営申請アプリなどもある。
「以前はSlackなどで会場を使いたいという依頼が来て、ドリンクは準備するのか、誘導看板はビルの1階に設置しておくのかといった細かなことをチャットやスプレッドシートなど複数のツールで個別にやり取りされていました。今はkintoneを見ればどこまで準備しているのか、何が手配済みなのかが一目瞭然です。仮にSlackでやり取りした場合でも、必要な情報はすべてkintoneに記録されている状態にしています」と田中氏。
役員が顧客と会食を行う際に、和食で値段はいくらぐらい、苦手なものはこれといった希望を伝えることで総務が代理でお店を手配してくれる会食手配といったユニークなアプリもある。「Excelで管理してきたような業務については、kintoneに移行することで業務改善できないか検討している」と田中氏は語る。

 なお先行導入していた経理部門では、立替申請や支払依頼などのアプリを作成しており、各部署に届いた請求書の内容をkintoneに入力し、原本をPDFにて添付して承認フローを動かしている。電子帳簿保存法の要件に合致できるよう、添付したPDFにタイムスタンプが押印できるプラグインをはじめ、完了したレコードに対して支払いタイミングが自動で表示できるプラグインを利用するなど、kintoneを業務に役立てているという。

会場設営申請アプリ

会食手配アプリ

承認プロセスのスピード向上に寄与、アプリの作りやすさも高く評価

 kintone導入の効果について田中氏は、タスクの抜け漏れの解消と対応状況の可視化や何度も聞きなおすといった無駄なやり取りが不要になったことで、承認プロセスのスピードは大幅に向上したと評価する。「どのツールでやり取りしたのか探すだけでも以前は多少の時間をロスしていました。今ではkintone上で進捗状況の把握も含めたすべての情報が管理でき、コミュニケーションロスもなくなります。企業規模がそれほど大きくないころは、確かにメールのほうが早いことも。しかし、今後も企業が成長を続けていくためにはkintoneのような基盤が必要だと思います」と田中氏。

 開発経験がなくてもアプリが作れるという点も高く評価しており、ベースのアプリがあれば横展開もしやすいと田中氏は力説する。「同じグループ内ではkintoneの勉強会を実施しており、どんなことができるのか共有しています。すでに独自でアプリを作るメンバーも出てきており、部内で広がりを見せています」。実は、契約書の確認フローやリマインド機能によって契約更新が必要なものを知らせる仕組みが必要な法務部門をはじめ、シフトを組んでいるオペレータの勤怠管理などに応用したいカスタマーサポート部門など、kintoneによる業務改善プロジェクトが全社的な広がりを見せつつあるという。

kintoneのさらなる使い勝手向上を目指す

 今後については、ログインしたユーザごとに内容の出し分けを行うなど、制作したアプリの使い勝手をさらに改善しながら使いやすい環境整備を行っていきたいという。また、社内のコミュニケーションツールとして幅広く利用されているSlackやエンジニアが日々の業務や課題管理などの基盤として利用しているJIRA(ジラ)といったツールとkintoneを連携させていくことで、さらに使い勝手を高めていきたいという。他にも、kintone上に蓄積された各種データを活用することも視野に入れている状況だ。「kintone内のデータを抜き出してカラ出張の有無を確認するといった監査対応時にデータが役立ったことがあります。今はどんなことに使えるのか未知数なところもありますが、蓄積されたデータを有効活用できるようにしていきたい」と今後について語っていただいた。

Pagetop