リーグル 様の導入事例

リーグル

【業務内容】
BtoBセールス・マーケティング支援
【利用用途】
顧客管理、社内向けポータル
  • Salesforceの置き換えでランニングコストを 1/10 に圧縮できただけでなく、営業支援のためのkintone活用で年間400時間削減を実現

 BtoBにおけるマーケティングや新規営業分野に特化した事業を展開するリーグル株式会社では、多岐にわたるExcel業務や顧客管理として活用してきた営業支援システムをkintoneによって刷新し、kintoneプラグインである「krewSheet(クルーシート)」を合わせて活用することで、業務における脱Excelに成功している。kintone採用に至った背景やその効果について、代表取締役社長 野路 祐太郎氏にお話を伺った。

【課題】大きな課題となっていたSalesforceとExcelによる業務

複数人で行うExcel業務の限界

 BtoBセールス・マーケティング支援実績を持つセールスクラウドのリーディングカンパニーとして、主にIT・テクノロジー関連の業界に強みを持つリーグル株式会社。ターゲティングから顧客接点構築、ナーチャリングまで含めたリード獲得活動を通じて、質の高いリードを顧客に提供するサービスを提供。
新規案件の獲得から展示会フォローの充実、営業マンパワーの強化、代理店の開拓および活性化など、新事業立ち上げから売上までを短期間に実現するためのセールス関連サービスを展開しており、スタートアップの営業支援をクラウド的なサービスとして活用できるインフラを整備している。

 

 そんな同社では、さまざまな顧客のセールス・マーケティング支援を行っている関係上、個人情報や機密情報を含む獲得したリードを統一した仕組みに格納することが難しく、アプローチするためのターゲットリストの受け渡しおよびアプローチ結果の報告にExcelを用いてきた。しかし、Excelでの運用について課題が顕在化していたという。

「数万件あるExcelデータに複数人同時にアクセスしてしまうと、ファイル自体が固まってしまうことも。そこで、担当者ごとにExcelデータを分割して各自アプローチを行い、営業時間が終了した後にExcelを結合し直して集計するというやり方を続けていました。一日の業務が終わった夕方からの集計作業で終了時間が遅くなるだけでなく、作業そのものにも手間がかかっていたのです」と野路氏は当時を振り返る。

代表取締役社長 野路 祐太郎氏

高コスト柔軟性に欠けるSalesforce

 同社では、顧客から提供されるリストだけでなく、独自の顧客リストを収集・保有しているが、この顧客DBは当初Microsoft Accessにて管理されてきた。しかし、使い勝手を向上させるために営業支援のクラウドサービスであるSalesforce.com(以下、SFDC)に乗せ換え、運用してきた経緯がある。この環境についても刷新が求められていたのだ。

「顧客の要望に応じてヒアリング項目を追加・変更することが頻繁にあり、カスタマイズが必要な場面も少なくありません。しかし、裏側でDB同士が連携しているため、項目追加のような簡単なカスタマイズを行うだけでも外部パートナーにその都度依頼し、対応に数か月かかることも。ビジネスの変化に対応しづらい、融通が利かない状態が続いていたのです。毎月発生するサブスクリプションライセンスが高額な面も解消したかった」と野路氏。そこで、営業活動に必要だったExcelや営業支援の基盤を新たなものに刷新するプロジェクトが動き出すことになる。

【導入】脱SFDCを可能にするkintone、脱Excelを具現化するkrewSheet

柔軟性の高いkintoneでSFDC運用を置き換え

 実は同社では、以前からGoogleが提供するG Suiteを契約しており、Excelの代わりとしてGoogleのスプレッドシートを検討したこともあったと野路氏。

「G SuiteはAI技術や音声データのテキスト変換といったさまざまなサービスと連携できるプラットフォームですが、顧客DBや担当者DBなど複数のDBを連携させて使うといった活用にはあまり向いていません。あくまでExcelの延長でしかなく、Microsoft Excel Onlineに近い。我々にとって使い勝手のいい仕組みとは言えなかったのです」。複数人での同時編集などに向かないExcel Onlineでも野路氏の望むシステムにはなり得なかったという。

 そこで同社の目に留まったのが、サイボウズが提供するkintoneだった。「初めてkintoneを触ったとき、Salesforceの置き換えだけでなく、Excel業務の置き換えもできそうだという印象を受けました」と野路氏。そこで、使い勝手を検証するべく、野路氏自身が営業活動に必要なアプリを開発し、実際にトライアルを開始したという。

「kintoneであれば、私自身でもアプリ作成が可能になるだけでなく、柔軟性が高いことで顧客の要望にも柔軟に対応できることがわかったのです」。kintoneを活用することで、Salesforceにおける業務を置き換えできることが実感できたと野路氏。

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Excel業務の置き換えに大きな役割を果たしたkrewSheet

 しかし、Excel業務については一覧画面でデータを修正できるExcel同様の入力が現場から求められていた。
「kintoneならファイルを後でマージする手間がなくなるため、全体で見ればそこまで生産性が落ちるわけではありませんが、入力業務の面に限ると、生産性が落ち込む場面もありました。Excelのようにシート上で直接データを修正できるものが必要でしたし、一覧性があって視認性の高いものが現場からは求められていたのです」。一時期はExcelでの運用に戻さざるを得ないなど、試行錯誤を繰り返すことになったと野路氏。

 そこで新たにトライしたのが、メシウス株式会社が提供するkintoneプラグイン「krewSheet」だった。krewSheetであれば、従来のExcel同様の使い勝手が確保できるようになり、進まなかった現場への展開が一気に加速。正式リリース前のトライアル段階からkrewSheetを試してみたところ「現場からは“まさにこれを待っていました”と高く評価されたのです。krewSheetであれば、生産性を落とすことなくクラウド環境に基盤が移行でき、集計作業など負担も軽減できる営業活動の基盤になると判断しました」。

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 結果として、エンジニアでなくてもアプリ開発が容易なうえに豊富なプラグインを活用することで必要な機能を柔軟に追加できるkintoneが同社の業務基盤として採用され、さらにkintoneの一覧画面をExcelのように表示、編集できるようになるプラグイン「krewSheet」が同社の営業活動を強力に支援する業務基盤として採用されることになった。

krewSheetを使ったkintoneの一覧画面

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【効果】コスト削減とともに働き方改革を推進

10分の1までコスト圧縮、年間400時間の時間削減を可能に

 現在は、野路氏も含めたおよそ30名の従業員がkintoneおよびkrewSheetを活用、営業活動時に必要だったExcel運用に加えて、自社DBでの管理をSFDCからkintoneに置き換えることに成功している。

他にも、社内向けポータルの提供をはじめ、ファイルサーバ内の教育資料の共有、給与テーブルの可視化、人事評価、社員名簿、IT部門の資産管理、現場への教育のための回答形式のeラーニングコンテンツの作成など、kintoneを活用することでシステム化およびクラウド化できていなかった業務への対応が可能になっており、「お客さまから提供されるアプローチリスト以外は、社内にExcelファイルはほどんど残っていない」と野路氏は評価する。なお、Microsoft Flowを使って営業活動の集計作業が終わった後の通知を行っており、社外にいても集計作業の結果が通知されることで、自ら確認せずとも状況把握が可能になっているという。

社内相談窓口の画面

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 当初課題だったSFDCに関するコストも、kintoneへ変更したことで10分の1程度に圧縮することに成功。また、作業しやすいよう担当者ごとに分割したExcelの集計作業は年間で400時間あまりを削減できるようになり、長時間労働削減に向けた働き方改革の一助となっている状況だ。

「これまでもVPNを経由して社内にアクセスすれば在宅勤務での業務は可能でしたが、今ではkintoneにさえアクセスできれば、セキュアな環境でどこからでも業務ができるようになりました。事業継続の意味でも効果は大きい」と野路氏は評価する。

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外部リソースが柔軟に活用できる高度なエコシステムを評価

 kintoneアプリの開発については、基本的にはエンジニアではない野路氏がすべて行っており、以前は数週間かかっていた項目追加も、わすか1~2日程度の期間で自ら実装できている。「DBの構造さえ分かっていれば、kintoneであればある一定のキーをつけておけば簡単につなぎ込みできます。関連レコードなどの機能を用いれば容易に連携できるなど、開発経験のない私でもカスタマイズが容易です」と野路氏は評価する。また、一部JavaScriptの部分はクラウドソーシングに委託して開発を行っている。

「kintoneが持っているテンプレートを吐き出す機能を活用してテンプレートをベースに要件を依頼すれば、短期間での開発も可能です。もちろん複雑なものは難しいものの、シンプルなものなら非常に安いコストで数時間のうちに開発できます。インテグレーターにお願いするよりも短期間で安価に必要な機能が実装できるのも、JavaScriptにて開発できるkintoneならでは」と野路氏は評価する。

 kintoneの魅力については、クラウド化されていない業務を容易にクラウド化できるという高い汎用性、そして業務に合わせた改善が自らの手で推進できる圧倒的な使いやすさだと野路氏は力説する。「無料で利用できるプラグインもたくさん落ちており、うまく使うとかゆいところに手が届き、すぐに解決できます。kintoneのエコシステムは我々にとってとてもありがたい」。

なお、現在は勤怠管理や経費精算、ワークフロー、採用管理システムといったさまざまなクラウドサービスを活用しているが、今後はkintoneとそれぞれAPIを通じて連携させることで、クラウドシステムのハブとしてkintoneが活用できるような環境を整備したい考えだ。「我々はRPA関連のグループに属しているため、kintoneにデータ投入する部分にRPAを使って業務効率化を図るといったことも検討しています。社内はもちろん外販にもつなげていきたい」と今後について野路氏に語っていただいた。

【記事内で登場したプラグイン・連携サービス】

krewSheet(メシウス株式会社)


※プラグイン・連携サービスはkintoneスタンダードコース以上でご利用いただけます

【この事例の開発パートナー】
メシウス株式会社

es.sales@mescius.com


30年以上にわたってUIコンポーネントを専門に開発しており、累計60万ライセンスの出荷実績のあるベンダーです。長年蓄積してきたノウハウを集約したkintoneプラグインkrewを通じて、kintone活用によるお客様のビジネスの成功を支援いたします。