幸楽苑ホールディングス
- 【業務内容】
- ラーメン店「幸楽苑」の国内におけるチェーン展開
- 【利用用途】
- 顧客からの問い合わせ管理
「らーめん」を中心とした外食チェーン店「幸楽苑」は昭和29年創業。福島県会津若松市にあった一軒の食堂からはじまり、今では国内外にグループ店舗を546店(FC含む。2018年6月末時点)展開している。2018年4月には、新しい看板メニュー「新・極上中華そば」を発売開始したところ。約5ヶ月で販売数が600万食に達する勢いで順調に推移している。(2018年8月末現在)
株式会社 幸楽苑ホールディングス(以下「幸楽苑HD」)では協力会社とともに麺(小麦粉)、スープ、味噌、醤油を「幸楽苑」のメニューに合うように作りあげている。野菜の仕入れも独自。こうしたこだわりと努力が、手頃な価格でありながらも高い品質を維持することを可能にしている。
幸楽苑HDの本社では社内改革として、「見える化」にも取り組んでいる。会社の経営状況、店舗や工場など内部の声、そしてお客様から寄せられた声などを幅広く「見える化」することで経営強化につなげる狙いだ。
お客様からの声(カスタマーボイス:CV)は事業改善のヒントとなる貴重な「宝の山」だ。そこでグループのコミュニケーションペーパー(いわば社内報)ではお客様から寄せられた声を集計し掲載。「お褒め」「ご要望」「お叱り」が何件あるか把握できるようにし、また、お客様満足度を上げる為のヒントを提示している。
これまで会社宛の問合せメールはWebサイトを入口として部署毎のメールアドレスに届いていた。内容はお客様からの意見だけではなく、営業のコンタクト、あるいはアンケート調査への協力依頼など多岐にわたっていた。
1日に届くメールは30通ほど。カスタマーサポート室ほか営業や関係部署の担当者が目を通していたものの、それぞれが自主的に対応するため、対応漏れが生じるリスクがあった。そのため新井田副社長自身が、気になるメールをプリントアウトして該当部署に対応状況を確認して回るということもあった。多い日は1日に1時間程度を、メールの対応担当者の確認に費やしていた。
新井田副社長は「会社に届くメールに対して、いつ、誰が、どんな返事をしたのかを把握できるようにシステム化しなくては。会社のイメージや、お客様対応の質向上のためにも不可欠だ」と考えた。
新井田副社長が抱くメール履歴管理の構想に対し、社内では「システム投資しなくても運用でカバーできるのではないか」という声もあったが、1年以上かけて、根気強く経営層に必要性を説得し続けた。
当初、新井田副社長は、「効率的に実現するにはどうしたらいいのか」と、自身の構想の具体化に頭を悩ませていた。すると社内のシステム担当者がサイボウズ製品で実現することを提案してきた。実は幸楽苑HDではすでに2003年からサイボウズ Officeを使用しており、サイボウズ製品にはなじみがあった。
カスタマーボイスをサイボウズ製品でシステム化するというコンセプトをもとに、システム部が福島コンピューターシステム㈱に相談したところ、kintoneを中心に複数のソフトとの組み合わせを提案された。最終的には幸楽苑HDのWebサイトの問い合わせフォームはMicrosoft Azure、受信したカスタマーボイスはサイボウズ kintoneに格納し、そのデータをサイボウズ メールワイズと連携するような構成となった。
▼システム構成図
幸楽苑HDのカスタマーサポート室など、メールに対応すべき担当者はメールワイズから返答する。
メール対応状況を監視する担当者はkintoneから進捗を閲覧できる。また受信から規定日数以上未対応のメールがあれば、kintoneで担当者にアラートを表示する仕組みも追加した。発注から仮運用開始まで約3ヶ月、そこからほぼ1ヶ月で本運用へと移行した。
新井田副社長は「メール管理を個人に依存せずにシステマチックに運用できるようになったことで、対応の精度やスピードが格段に向上しました」と話す。
返信メールのひな形も作成。これまでは全て手動作成だったため内容や丁寧さなどが担当者ごとに異なっていたが、返信内容の標準的な部分はシステムに登録したひな形に統一することで、担当者は本文に集中することができるようになった。
これまで1通につき平均で25分かけていた時間は10分に短縮できた。
▼回答に使うメールテンプレートを、詳細画面から選択できる
▼テンプレートを選択すると、自動的にメールワイズのメール編集画面へ遷移
新たなの取り組みとして2018年7月から、来店されたお客様から直接店舗に寄せられた声も、kintone上に蓄積していく運用に入った。
これまでは、店舗でお客様からお褒めやお叱りがあれば、従業員が本社にFAXで報告し、本社が記録として転記入力していた。このデータをkintoneのメール履歴に統合するため、外部からのメールも内部からの報告も、カスタマーボイスは同じデータベースに蓄積されることになった。
具体的には、店舗はFAXではなく店舗にあるパソコンからMicrosoft Azureにログインして入力するようになった。選択式で簡単に記入できるため、店舗は報告をスムーズに行え、本社は転記入力が不要となり、集計も効率化できた。
▼店舗からの報告システムへのログイン画面
▼選択項目も多く、忙しい店舗業務従事者も入力がしやすい
「お客様を大切にする」ことは「幸楽苑」が重視する価値の1つ。そして創業者精神でもある。新井田副社長は「これまでお客様から寄せられたご意見がお褒めなのかお叱りなのか、カテゴリ別の件数に目が向いていました。しかし、システム化することで、より中身に目が向けられるようになりました。弊社が重視する価値の実現に近づき、ゆくゆくは経営改善にも役に立つと思います」と話す。
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FAX 024-961-1017
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弊社は34年の受託開発プライムベンダーとしての、大小様々な開発実績があります。
クラウド上のWebシステムにおいても多様な経験を持つことから、
本件もkintoneとメールワイズのファストシステム特性を活かしつつ、
得意とするカスタマイズ開発できめ細かなご要望に応じたベストマッチをご提供をさせていただきました。
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