カクイックス
- 【業務内容】
- リネンサプライ事業、アメニティ事業
- 【利用用途】
- 顧客管理、コミュニケーション、出庫表管理、問い合わせ管理、配布業務表出力
株式会社カクイックス(代表取締役社長 岩元 義弘氏)は、医療・福祉施設向けのリネンサプライ事業やアメニティ事業などを手掛けている企業で、鹿児島県と宮崎県をベースに九州一円でサービスを展開している。
2016年には医療・福祉施設向け(B to B)だけではなく、入院患者に直接患者衣やタオルなどをレンタルするサービス『入院セットレンタルサービス』(B to C)が新規事業として始まった。同社初のB to Cサービスで開始当初は色々と苦労することもあったそうだが、その後サービスは順調に成長。開始から2年間で利用者数が20倍にも増えるという飛躍を遂げており、この急成長サービスの基盤システムとしてkintoneが採用されている。今回は、kintoneと共に歩んだ急成長ストーリーを株式会社カクイックス 管理部 情報システム課 主任 福里直也氏に伺った。
福里氏は2010年にカクイックス に入社。入社当初はクリーニング工場の現場職員とのコミュニケーションを重視し、足繁く現場に通い、情報システムとして手伝えることを探す毎日だったという。
「私自身、現場の業務改善に貢献したいという思いが強く、毎日のように工場に顔を出していました。最初は顔を覚えてもらうことからスタートし、信頼関係ができてくると仕事の相談をしてくれるような関係になってきました。」(福里氏)
努力が実り、社内で実績が出始めた福里氏だが、そんな同氏に新たな命題が下る。新規事業として以前より社内で検討されていた「入院セットレンタルサービス」への参画である。参画した当初、やるべき作業は分かっていたが具体的な業務フローはしっかりと固まっておらず一から組み立てる必要があった。
「その当時まず行ったことは、入院セットサービスのコンセプトを正しく定義することでした。『良質な入院セットを提供する、患者様だけでなくご家族も笑顔にする』といったように。また必要な人員やシステムを明確にするため、サービスの全体像を図式化し細かく検証していきました。」(福里氏)
準備を進める中、2016年1月にサービスの正式スタートが決定した。鹿児島県内の病院から『入院セットレンタルサービス』を受注したのだ。サービス開始は同年4月からとなっており、残り3ヶ月。時間があまりない中で新サービスの基盤システム検討が始まった。
こうした状況の中、福里氏はすでにkintoneの導入を決めていたという。
「kintoneのことは以前から知っていました。初めて触れたときにサイボウズ Officeとサイボウズ デヂエのいいとこ取りのような製品だと感じ、自社の業務に間違いなくフィットすると思っていました。」(福里氏)
レンタルサービスを導入した病院単位でゲストスペースを作成し、病院に常駐している現場職員(以下、コンシェルジュ)と本社とで契約や、サービス提供の管理を行うように考えたのだ。 このシステム企画書が後押しとなり、新サービスの基盤システムとしてkintoneが採用されることに。ベースとなるアプリの設計は福里氏が行い、1ヶ月もかからずにシステムが完成。1ヶ月前倒しの3月にはリリースできたという。リリース後は、受注先の病院でレンタルサービスを提供するコンシェルジュに対してkintoneの使い方のレクチャーに奔走したという。
「基本、コンシェルジュはパソコンに不慣れな方が多いため、アプリはものすごくシンプルに作りました。特にフィールドは必要最低限に絞り込み、入力の手間を少しでも省く努力を怠りませんでした。」(福里氏)
また、サービスを提供する上で困ったことがあったら、すべてkintoneの問い合わせアプリに書いてもらうようコンシェルジュにお願いしたという。そのお願いの仕方もユニークで、「困ったことがあったらkintone君に言ってください!」と伝え、あえてアプリに”書く”、”投稿する”といったような表現は避けたという。システムに不慣れなコンシェルジュたちの心理的ハードルを下げるために、kintoneを擬人化したというわけだ。そういった努力が実り、コンシェルジュたちが少しずつkintoneを使ってくれるようになったとのこと。
kintoneで運用している基本的なアプリは、「出庫表」、「問い合わせ」、「配布業務表」、「顧客リスト」の4つ。kintone導入から2年経つものの、大枠のアプリ設計にはほとんど手を加えていないという。福里氏が導入時にいかに念入りに現場の業務に合わせて設計したのかがうかがえる。
その上で、最近はコンシェルジュから「kintoneアプリのこの部分をもうちょっと使いやすくして欲しい」といった細かな要望が来るようになった。現場での活用が進んでいる現れだが、要望をもらって、その場で直せるkintoneの手軽さに助けられていると福里氏はいう。
そういった日々の改善を繰り返しながら、『入院セットレンタルサービス』は急成長を遂げており、この2年間で利用者数は20倍になっているという。しかし、福里氏は現状に甘んじることなく更なる改善を目指している。
「最近ではOCRシステムを導入し、患者様が書いた申込書をスキャンするだけでシステムに取り込めるようにしました。これにより一から入力する必要ががなくなり、業務効率が20%くらい改善しました。現在の仕組みを壊して、さらにいい仕組みを作っていきたいと考えています。」(福里氏)
あくなき業務改善と徹底した現場主義をモットーに福里氏の挑戦はさらに続く。
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