星野リゾート 様の導入事例

星野リゾート

【業務内容】
ホテル、旅館、リゾートの運営
【利用用途】
決済システム
  • kintoneファーストで開発期間と予算を削減。kintoneを銀行振込決済システムの基盤として活用し海外売上の飛躍に貢献

 株式会社星野リゾートは長野県軽井沢で旅館を開業して以来、今年で104年目になる歴史ある企業だ。現在は、国内で30数施設を展開。近年急成長を遂げ、現在進行形のプロジェクトを含めると40施設に迫る勢いでビジネスを拡大している。

 この急成長を支える情報システムを担当しているのが、今回お話を伺った星野リゾート グループ情報システムの前田文子氏と同部 ユニットディレクター 久本英司氏だ。『kintoneファースト』を合言葉にわずか3ヶ月という短納期で銀行振込決済システムを実装したお二人。実施の苦労話も含めプロジェクトの詳しいお話を伺った。

【課題】開発工数とリリーススケジュールの解釈の違いが発生!
    急遽、3ヶ月で決済システムをリリースすることに

 前田氏が星野リゾートに入社したのは2013年。当初は接客スタッフとして現場で働いていたが、2016年から希望していた情報システム部に転籍した。転籍当初はカード決済のプロジェクトを担当し、決済システムの知見や経験を深めていた。そんなある日、ひきつった顔でで会議室から出てきた久本氏を見かける。

「その会議で、海外マーケット向けの銀行振込決済システムを(わずか)3ヶ月後にリリースすることが決まりまして・・・以前の会議で決済システムの実装には『3ヶ月』かかると私自身答えたのですが、その3ヶ月という期間はあくまでも開発工数の目処であって、『今から3ヶ月後にできます』というリリーススケジュールの目処ではありませんでした。しかし、マーケサイドはリリーススケジュールとして受け取っていたらしく・・・」(久本氏)

 システムの規模からして到底達成できないようなスケジュールではあったが、海外売上の進捗に直結する重要な決済システムだったため、代表からも厳しい指摘があり、納期達成は最重要課題となっていた。そんな困窮した状態で、久本氏は決済システムでメキメキと実力をつけていた前田氏に白羽の矢を立てる。「頼りになる人に頼もう」ということで前田氏に声をかけたのだ。

 命題を受けた前田氏は「今から3ヶ月でリリースするなんて、どうやって・・・」と当初困惑したが、久本氏の全面サポートのもと、プロジェクトに着手することを決意する。

グループ情報システム ユニットディレクター 久本英司氏

グループ情報システム 前田文子氏

【導入】kintoneファーストに切り替えて予算と工数を大幅に削減
    アプリを自ら作れる手軽さが工数削減のポイント

 早速前田氏は、外部の力を借りようとシステム開発会社に見積をお願いする。短納期かつ予算を抑えるためにオリジナルの開発は極力減らし、kintoneを含めた様々なクラウドサービスを組み合わせてシステムを構築することにした。

 しかし、上がってきた見積は12人月で開発費も予算もオーバー。見積内容を精査したところ、クラウドサービス間の連携の作り込みに思いの外コストがかかっていたようだ。そこで、『kintoneファースト』に方向転換。kintoneの担当領域を増やし、サービス連携の費用を抑えることにした。

「当初、予約情報や入金情報はkintone以外のシステムで管理するようにしていたのですが、これら全てをkintoneに集約するようにしました。これによりkintoneを基盤としたシステム開発が可能になり、費用と開発期間を大幅に抑えることができました。また、kintoneアプリの構築は、私がまずベースとなるアプリを作り、その後、外部の開発会社の方に仕様漏れがないかのチェックをしてもらう形式をとりました。」(前田氏)

 短納期でシステムが構築できたポイントして、「アプリのベースを私自身が作成できたこと」を前田氏は上げている。

「kintoneはプログラムが書けなくても、直感的にアプリを構築することができます。それであれば、業務を理解している私がアプリを作るのが一番早いと思いました。」(前田氏)

 前田氏を始めとしたプロジェクトメンバーの努力の甲斐もあり、本格的に作業をはじめてから2ヶ月半でシステムは完成。その後のテストも含め当初の予定通り3ヶ月でリリースできたという。

【効果】予約の間口が広がり海外エージェントの予約数が数倍に
    kintoneの活用をさらに進め全社の業務改善を推進させる

 完成した銀行振込決済システムは、まずは一部のホテルの予約から運用をスタートし、徐々に規模を拡大していった。銀行振込決済に対応できるようになったことで、予約受け付けの間口が広がり、海外エージェントのホテルの予約件数は導入前と比較して数倍以上に伸びたという。代表も注目するプレッシャーのかかるプロジェクトだったため、可動したときの喜びはひとしおだったと前田氏は語る。

「予約が最初に入った時は、海外マーケットの担当者と一緒に喜びました!その結果を代表にも報告したところ、とても喜んでもらえました。それ以降代表とオフィスですれ違ったときに、他のプロジェクト状況なども気にかけ、声をかけてくるれることが増えたんです。」(前田氏)

 決済システムの最終的な理想からすると、現在はまだ3合目とのこと。今後は、銀行が公開している入金明細APIを活用して、自動で入金消込する機能をkintoneに実装する予定だという。また、同社の他のプロジェクトでもkintone活用が進んでおり、現在700を超えるアプリが社内で活用されているという。

「今回の経験でkintoneの可能性を実感しました。複数のサービスと上手く組み合わせれば、基幹システムの基盤にもなれるんです。日々、情報システム部には様々なシステム要望がきますが、まずは「kintoneでできないか」と考えるようにしています。」(久本氏)

 kintoneを活用し急成長を遂げる星野リゾート。グローバル展開も含め今後の成長がとても楽しみである。

予約ステータス管理アプリ画面

システム構成図