中萬学院 様の導入事例

神奈川県で人気トップの老舗学習塾「中萬学院」が導入した iPad 活用ソリューション

手書きの授業報告をiPadで電子化講師の報告負担軽減と授業履歴の電子データベース化を実現

事例取材にご協力いただいた方


  • 個別指導事業部 広報局長
    鬼沢 秀之 氏

CGパーソナル中萬学院グループ

事業:小・中学生・現役高校生の進学並びに学習指導。個別指導。
所在地:神奈川県横浜市
従業員数:388名(2012年3月現在)
webページ:https://www.chuman.co.jp/

解決したい課題

  • 課題1) 塾講師が授業の度に生徒1人1人に対して記録する手書きの報告書作成ストレスを軽減したい
  • 課題2) 塾が保護者に対して発行する月1の学習レポートの質を高め、授業履歴の電子データベース化を図りたい

半世紀の伝統とたゆまぬ努力。中・高・大学受験指導を通した「人創り」の支援

中萬学院は1954年に創業され半世紀以上の歴史を持つ、神奈川県内老舗の学習塾。これまでの卒塾生は12万人を超える。「学習指導・進学指導を通した人創り支援」を企業理念に、現代の小・中・高校生が避けて通ることのできない「受験」というイベントを通じて、生徒一人一人が目標に向けて努力することの尊さ、達成することの喜びを経験しながら、その過程で培われる「自信」と「勇気」の習得を「受験合格」という成功体験に繋げることで実践している。

導入のきっかけ

学習塾の現場で利用されているITサービスというと、どのような用途で使われているのか興味がありました。
早速ですが「学習塾での kintone 利用」は、どういったきっかけだったんでしょうか?

中萬学院には主に集団指導と個別指導の2つのスタイルがあります。
集団指導では、クラス毎に個別担任制を設けていて、担任による生徒へのきめ細やかなフォローと豊富な経験から質の高い授業を提供しています。個別指導では、生徒1名または2名に対して1名の講師がつきます。授業中は、生徒のすぐ隣に講師が座って学習指導をしています。個別指導の講師は当塾のOBが多いので、情熱を持って自らの受験の成功体験と共に勉強の分からないところや学習方法を後輩達に教えています。

鬼沢様

「kintone」は、個別指導のクラスで抱えていた問題を解決したくてシステムを探していました。 個別指導のクラスでは、授業の最後に講師が生徒一人一人に対して塾での学習内容を記録した報告用紙を記入します。記入する内容は「どの教科をどこまでやったか」「宿題は提出したか」「宿題の成果率はどれくらいだったか」「指導の中で気になった点」などです。全て手書きで行っていたのですが、これが意外と講師への負担が大きくて電子化することで解決したかったんです。
登録データの内容からいって「データベース」システムが欲しかった。さらに、当部門は神奈川県内に57教室あるので、どの教室でも使えるように「どこからでも利用できる」「データを共有できる」ことも重要でした。そこで「データベース+クラウド」のキーワードでシステムを探しました。

鬼沢様

導入までの経緯

手書きによる学習記録は、塾生へのフォローの他に、1ヶ月分の記録を元に生徒の保護者へ送るマンスリーレポートにも使われる。レポート作成するのは講師ではなく中萬学院の職員のため講師が自分だけが読める文字での殴り書きになってはいけない。さらに、若い世代の方々は手書きで書くことに抵抗感があるといった様子。

そこで「電子化」を考えたとのことですが、具体的にはどのように検討したんでしょうか?

「データベース+クラウド」で検索してでてきた、いくつかのシステムを試しました。
検討のポイントは「入力項目の設定が自由にできること」「離れている各教室で使えるクラウドサービスであること」「(クラウドサービスなので)セキュリティが安心なこと」あと「スマートフォン、iPadから入力しやすいこと」でした。というのも、電子化にあたって、講師用の入力端末はモバイル端末にしたんです。講師の大学生はPCも使えますが、スマートフォンのほうが使い慣れていますから、スマホやiPadのほうが入力が楽になると思ったんです。

最初に試したのはGoogle spredsheetでした。これは、モバイル端末からの入力が不便だったのでやめました。 次に試したのが kintone でした。検討のポイントは抑えられていて、やりたいことが出来そうだったので実機セミナーに参加しました。直接サイボウズの方から詳しく話を聞けたので試してみることにしました。

鬼沢様

利用開始~導入効果

塾内でのテスト運用はどのように行われたのですか?

元々手書きしていたフォーマットがあったので、それを元にわたしがアプリを作りました。アプリ作成は他の業務と平行しながら2.3日で完成しました。試験的に作ったアプリを何名かの講師に試してもらって反応が良かったので導入に向けて動きました。

kintoneで手書きフォーマットをデジタル化して再現

手書きフォーマットの授業報告用紙

鬼沢様

導入に向けて、社内ではどのような調整が必要でしたか?

部門で使うシステム予算の権限は部門にあるのですが、部門判断でシステム導入はできません。使いたいシステムが決まったら本部のシステム部に導入意向を伝えてチェックを通します。生徒の情報には氏名などの個人情報を含んでいますし、かつクラウドサービスなのでセキュリティ面でのチェックが厳重でした。

鬼沢様

セキュリティ面というと?

kintoneの入力フォームへフォームクリエイターから
登録可能にしている

講師は担当生徒以外の個人情報にアクセスさせない方針なので講師の入力用には kintone にアクセスしなくても登録できるオプションサービスのフォームクリエイター(※1)を使うことにしました

また、kintone そのものへのアクセスもIP制限をかけて特定しています。クラウドなので物理的に場所が離れている各教室からアクセス出来る、だけど、インターネット上のどこからでもアクセス出来ることの無いように制限しています。

※1 フォームクリエイター(現在はフォームブリッジに製品名が変更)について詳細はコチラをご覧ください。

鬼沢様

kintone のインフラである cybozu.com は標準でセキュリティレベルを上げるサービスがついているので、御社のセキュリティポリシーに合うものを使っておられるですね。 テスト運用を始めてみて、ユーザーの反応はいかがでしたか?

講師である大学生がとても喜んでくれました。やはり、手書きのストレスから解放されたことは大きいようです。フォームクリエイターを使ったことで、入力する画面とデータが溜まる場所がシームレスに繋がっていながらデータへのアクセスには高いセキュリティを確保できたのが良かったです。講師の人数分、契約ユーザーを増やさなくていい点も助かっています。

鬼沢様

もう一つ、デジタルフォーマットにして変わったのは毎月保護者の方に送るマンスリーレポートの内容です。これまでは、データを数字で分析することが難しかったのですが、今では生徒別にその月の傾向をグラフにして視覚的に分かりやすくできました。マンスリーレポートの作成そのものも手書き報告書を読み返して作成していた頃と比べると、データをCSVファイルで出力してからAccessで二次加工するだけで済んでいます。

Access 月次レポート画面

kintone CSV出力画面

鬼沢様

本格導入に入る前に反対意見はありましたか?

kintoneに限らず、ITの導入には抵抗勢力は必ずあります。ただ、kintoneの場合は直感的に使える点が誰が見ても明らかだったので説得しやすかったです。kintoneを使う為の社内での教育コストはほとんどかかっていません。また、小さく始められる点もよかったですね。最初に導入したのは3教室だけ。そこから、5教室、15教室と順に増やして行きました。全部で57教室あるので、最初から全教室で導入することを前提にはじめたら、もっと時間がかかったと思います。

鬼沢様

ご契約数を見ても、最初は12→17→59・・・と徐々に増やしていただいてますね。

今後の展望

紙ベースでの手書き報告から、タブレット端末を使ったデジタル化に移行した中萬学院さん。
今後は新規教室への展開と同時に、新しいアプリを作って違った活用方法も検討中とのこと。

現在は、講師の報告アプリに kintone をご利用ですが 今後の活用は広がりそうでしょうか?

kintoneは、直感的に簡単に使えるようになっており、ITリテラシーの低い方でも抵抗なく使えるのが良いところです。いろいろな場面で使うことが可能だと思います。イベントや講習などの集計や、講師アンケートなどはすぐにでも活用できると思っております。

鬼沢様

受験という学生にとっての重要なイベントを通した 生徒と講師のヒューマニズムが溢れる現場で、講師がより授業に集中出来るようにという考えから導入された kintone 。伝統ある中萬学院さんの中で、今後も活躍の場が広がっていきそうです。

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