アペルザ
- 【業務内容】
- 製造業向けインターネットメディア運営、セールス&マーケティング支援、EC事業
製造業向けの各種サービスを手掛ける株式会社アペルザでは、製造業向けカタログポータル『Aperza Catalog』を運営しており、製造業における「売り手」と「買い手」のマッチングを支援している。この『Aperza Catalog』の営業活動を支援するためのシステム(SFA)にkintoneを採用しており、これまで利用してきたシステムからの短期での移行に成功している。SFAとしてkintoneを採用した経緯について、ASEC事業部 下宮 慎平氏にお話を伺った。
ものづくりにおける「情報流通」「取引のあり方」「コミュニケーション」の障壁を取り除き、ものづくりの産業構造をリデザインすることをミッションに掲げ、2016年に誕生した株式会社アペルザ。情報収集・比較検討・調達購買という製造業における「買い手(ユーザー)」の生産材調達の各プロセスに最適に対応できるサービスを展開している。情報収集の段階に対応した業界新聞「オートメーション新聞」や「ものづくりニュース」などのメディア事業、比較検討段階ではあらゆるメーカーの製品カタログを収集しデータベース化している「Aperza Catalog」、調達購買では工業用資材の価格比較・購買が可能な「Aperza」が該当する。
同社が手掛けているサービスの1つである、製造業向けカタログポータル『Aperza Catalog』の仕組みはこうだ。まず、生産材メーカーを中心とする「売り手」企業が、自社の製品カタログや事例冊子などの資料をサイトに掲載する。その後、その資料を買い手企業が閲覧、ダウンロードする。ダウンロードすると買い手の情報が売り手に伝わり、マッチングが行われるサービスとなっている。
アペルザは、生産材メーカーなどの売り手企業に対して『Aperza Catalog』への掲載を促す営業活動を行っているが、その営業活動の支援システムとしてkintoneとは異なるSFAが利用されてきた。しかし、システムをカスタマイズする局面で課題が顕在化していたと下宮氏は振り返る。
「創業間もない我々は成長フェーズの真っ只中で、SFA上で管理したい情報や項目もそうですが、営業の業務プロセス自体や、それに伴って必要となる機能が、日々変化していました。当時はそうした変化に合わせ、SFAのカスタマイズを都度、社内システムの担当者に依頼していました。」
「トライ&エラーで業務プロセスを作り上げていくなかで、カスタマイズを施したものの、現場でうまく活用されないものや、逆にシステムが業務に追いついておらず、人力・アナログ化している部分なども出てきており、とにかくアペルザの事業ステージでは、柔軟に変更できるシステムが必要であると感じていました。」と下宮氏。
また、SFAのライセンス費用も大きな課題となっていた。下宮氏が入社してからわずか1年の間にメンバーが倍増しており、ライセンス費用が急騰していたのだ。
「営業プロセス確立の過渡期にあって、システムが十分に使いこなせない状況では、ライセンス費用がどうしても重くのしかかってきます。柔軟に変更でき、かつ安価に利用できるシステムが求められていました。」と下宮氏は語る。SFAだけでなく、MAツールも合わせて導入していたことで、年間で相当なコストが発生していた。
そこで、柔軟なカスタマイズが可能なシステムの候補として社内で名前が挙がっていたのが、サイボウズが提供するビジネスアプリ作成プラットフォーム『kintone』だった。
「製品選定の早い段階でデモサイトに触れる機会がありました。これまでのSFAでは、熟慮を重ねたうえでエンジニアへ改修を依頼していましたが、kintoneであれば、営業サイドでも気軽にアプリを作成したり、GUIでカスタマイズすることができ、従来のSFAにはない手軽さを感じました。こういったソリューションに触れるのは初めての経験です。」と下宮氏。
使い勝手の面では、もともと現場でSFAを運用してきたこともあり、インターフェースの分かりやすいkintoneであれば十分使いこなせると判断。また、社内にkintoneを運営した経験があるメンバーが複数いたこと、代表からもkintoneを推薦する声が上がっていたことが後押しとなった。従来に比べてライセンスコストも大きく削減できることが分かり、改めてkintoneをベースに営業支援のための仕組みづくりがスタートすることになった。
現在は、同社のSFAとしてkintoneが定着し、企業情報や担当者情報などのマスターを管理するアプリをはじめ、それらに紐づく商談情報や活動履歴といったベーシックな営業活動の情報が管理されている。また、『Aperza Catalog』にカタログを掲載している企業の成果状況が可視化される“アペルザ掲載ステータスアプリ”や、製造業における主要な販促の場でもある『展示会』への各企業の出展状況が把握できる“展示会アプリ”、各種業界媒体やサイトでの各企業の情報掲載・広告出稿状況が把握できる“外部情報アプリ”などの運用も行っている。こういったアプリから営業のアタックリストを生成し、効率的な営業活動に繋げている。外部との連携については、名刺管理サービス『アルテマブルー』を利用して名刺情報を取り込んでおり、その他の必要な情報もCSVにて外部取り込みを行っているという。
▼ 活動状況を確認できる『営業スペース』▼
▼ ターゲット企業の広告掲載状況を可視化する『外部情報アプリ』▼
今回のプロジェクトでは、kintone導入を決定してからアプリ作成やデータ移行まで含めて、わずか数週間のうちに運用開始までこぎつけている。「わずか1か月程度で稼働させるというのは初めての経験でしたが、少数精鋭で成長段階にある今だからこそ可能だったと思います。」と下宮氏。
その上で、新たに基盤を刷新したことで、立案した営業戦略をすぐにシステムに落とし込めるようになったのは大きいと下宮氏は評価する。「以前は各種業界媒体への掲載・出稿状況を営業担当者自身がその都度調べていましたが、今はkintone上で確認できるようになっています。まだまだ発展途上ではありますが、ターゲット企業の抽出やアプローチに必要となる情報は、確実にkintoneへ集約されつつあります。」
実際には稼働し始めたばかりだが、どんな対象にどうアプローチするのかという営業戦略を立て、翌週にはkintone上でリストを生成してアタックする環境を整える、といったことも可能になっており、戦略実行のための重要なツールとしてkintoneが今後も活躍してくれるはずだと下宮氏は期待を寄せている。カスタマイズのスピードについても、従来とは大きく異なっている。日々の業務で気になったポイントがあれば、その日のうちにkintoneに項目追加するといった柔軟な運用も可能になっているという。「実装してみて使えないものは、すぐにやめることもできます。我々のようなスタートアップにとって扱いやすく、使い勝手のよさを実感しています。」と下宮氏。
また、kintoneのカスタマイズに関するさまざまな情報がWeb上で公開されており、カスタマイズ事例やサンプルコードなど参考になる情報が多いことも評価の1つに挙げている。ちなみに、コスト面でも大きな効果が出ているという。現在は40弱のアカウントでkintoneを利用しているが、年間でも数十万円のコストで済んでおり、以前運用してきたSFAと比べると大幅なコストダウンができているという。
SFA以外にも今後はバックオフィス業務でのkintone活用を検討しており、社内のさまざまなシステムと連携させながら、社内の業務に幅広く使われる見込みとのこと。変化の激しいスタートアップの営業活動支援の場面で、これからもkintoneを有効活用していきたいと最後に語っていただいた。
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